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2016.3.6 『鷲峻山』(505m)~『小鷲峻山』(387m)

 

 6日(日)の明け方、車の屋根をたたく雨音で目が覚めた。

新十津川町南幌加の車中泊地は誰も来ないので、そのままうだうだと眠り続けた。

雨の朝は起きるのが特におっくうだ。

例によってHiromiは絶対に起きない。

 

 7時半起床。

外は変わらず雨。

こんな日は短時間で登れる山がいい。

道路地図を見て、直近の『留久山』なるものに目を付け、駐車地を探すも見つからず、新十津川町吉野まで走って『鷲峻山』直下の駐車地に入った。

この山は昨冬初めて登ったもので、駐車スペースも昨冬同様に確保されていた。

しかしながら雨は変わることなく降り続け、外に出るのがだるくてたまらない。

そこでHiromiがひと言、「昼寝するかぁ・・・」。

だって起きたばかりだべよ!

あぶなく「眠れる森のHiromi」のペースに巻き込まれるところだった。

そして意を決して外に出た。

 

9時35分、田園地帯の駐車地をスタート。

田んぼの中から沢沿いにルートを取り、入山する。

昨冬下山に使ったルートを登ることにした。

沢の渡渉やアップダウンの繰り返しで少々時間を要したものの、予定の林道に出てこれを利用する。

林道上部で北に向かう我々の前に、突然西側からスノーシューのトレースが現れた。

総勢5名のトレースは前日のものだった。

それからはその固いトレースの上を淡々と歩き頂上へ。

 

 11時15分、『鷲峻山』(しすんやま)頂上着。

この日は雨の中の山行なので、ここを折り返すことにしていた。

ところが前述のトレースが『小鷲峻山』に向かっているではないか。

まだ未踏の『小鷲峻山』。

これを見逃す手はない。

早速トレースに従って歩を進めた。

すると上からは見て取れなかった尾根が、きっちり『小鷲峻山』まで続いており、複雑そうに見えた地形がことのほかすっきりしていたことに感心。

 

 12時15分、『小鷲峻山』(こしすんやま)着。

大木に覆われた『小鷲峻山』頂上であった。

その後は道々滝川・浜益線に向かうと思われるトレースをそのまま辿る。

そして一旦沢床まで下った後、私の思惑通りのルートを開いて駐車地に戻った。

 

 13時15分、駐車地着。

思いがけなく期待をはるかに超える山行ができたことに感謝!

 いやあ、Hiromiに言われるまま昼寝なんかしなくてよかったなあ・・・

 

この後、決して止むことのない雨の中を、富良野に向かって車を走らせた。

 

 

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2016.3.5 『幌天狗』(1,222m)

 

  4日(金)の夜、Hiromiを拾って浜益に向かった。

この週末は、Hiromiが代休で月曜日が休日となることから、3日間の山旅となる。

途中の青山ダムで車中泊。

それで飲む時間をきっちり確保。

 

5日早朝、再び浜益へ進路を取る。

幌の果樹園除雪終点に駐車。

 

  7時20分、駐車地をスタート。

ここから『幌天狗』に向かうのは、もう何度目だろう?

スタートと同時に、前日のものと思われるスノーモービルのキャタピラ痕。

それが幌川に沿う林道を進むのかと思ったら、『幌天狗』方面へ方向を変えた。

従ってそれを利用させてもらったが、そこは国定公園の増毛山地であり、林道入り口ゲートにも「スノーモービル禁止」の立て札が立てられていた。

スノーモービルのキャタピラ痕は間もなく南方向に去っていった。

するとその下からスキーのトレースが現れた。

「ラッキーっ!」とばかりにそれにのる。

しばらく急登が続き、標高550mピークまで登りきると、あとはゆるい傾斜の広い尾根を淡々と進んで行く。

そんな単調な登行を続けていると、雪が降り出してきた。

それが登るにつれて強くなる。

鬱陶しくてたまらない。

やがて森林限界を過ぎ、頂上の1kmほど手前にかなり傾斜のきつい斜面が現れる。

雪面はガリガリでスキーのエッジを滑らせる。

辺りは濃いガスに覆われ、Hiromiの身に危険を感じ、スキーを外し担ぐよう指示した。

ところがそんなこともできずに、更に危険な状態。

するとHiromi、「もうやめよ~」。

しかし、天気予報では晴れると言っている。

そこで、スキーをデポしてツボ足で登ることにした。

考えてみると、その斜面でなんとかスキーを担ぎ上げたとしても、上部のシュカブラ世界をHiromiに滑られるはずがない。

ガスはとにかく濃く、純白の世界の中では焦点が定まらず、時折具合いが悪くなる。

ただ、何度も登っているルートなので、方向失うことはない。

そんな闇の世界を歩いていると、薄日が射し出し、目指す頂上がチラチラ見え出したではないか!

「Hiromi、見てみろ頂上だ!」、

「うわぁ~っ きれい~っ! やめなくてよかった~っ!」

それからの登行は、ただただ美の世界を楽しむ幸福感に満たされたもの。

 

 11時45分、頂上着。

東の『群別岳』や北隣りの『浜益岳』が美しい。

浜益の海岸線も、徐々に見渡せるようになってきた。

しかし頂上には長居せず、下降を開始した。

まだ次なる難関が待っていたからだ。

それはHiromiのスキーだ。

Hiromiはスキーが苦手で、急斜面の下降ならスノーシューの方が速い。

スキーのデポ地点近くで昼食を摂り、スキーの下降開始だ。

緩斜面はハの字でまあまあ。

本人もそれは楽しそうに滑る。

ところが急斜面となると、突然固まる。

「Hiromi、滑れーっ!」

「むり~っ!」

そしてどうするかと思ったら、なんと横を向いたまま階段下りを始めた。

スキーは育った環境が大きく影響する。

Hiromiが育った環境を聞くと、スキーとは無縁の世界。

だから仕方ないのよねえ・・・

 下りにもたっぷり時間をかけて、14時25分、駐車地着。

いやあ、長い下りだったなあ・・・

 

 下山後浜益温泉で汗を流し、新十津川町に移動して、

「かんぱ~いっ!!」

 

 

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2016.3.3 『(幌加内)坊主山』(743m)~『犬牛別山』(746m)

 「坊主山」ってのは、どうしてこうも美しいのかね~っ!?

まるでおとぎ話しの中のような、メルヘンチックな世界にうっとりぃ・・・

 2日の『鷹泊山』下山後、幌加内のあちこちを走り、登れそうな山を見て歩いた。

そして夕方、政和温泉「ルコント」に行った。

しかし、駐車場には車がたった2台だけで、どうもおかしい。

嫌な予感がズバリ的中!

玄関に貼り紙があり、「照明工事のため1~2日休館させていただきます」。

な、なにぃーっ!?

参った・・・

最寄りの入浴施設といえば秩父別だ。

しかしそんなところまで入浴しに行ったら、もう幌加内に戻る気にはなれない。

あきらめてタオルを水で濡らし、体を拭いた。

男だからそれでもいいが、こんなときにHiromiと一緒でなくてよかったと・・・

しかし、頭はどうしようもなく、洗髪できないのが気持ち悪い。

シュラフを汚すのが嫌で、就寝時は頭にタオルを巻いて寝た。

 

 3日の朝、幌加内の産業廃棄物処理工場そばで目覚めた。

ちょうど良いところに駐車スペースがあった。

 

 6時35分、『坊主山』を目指してスタート。

「坊主山」と言うのはいったい何山あるのだろう?

調べる気もないが、あちこちで見かける。

初登のこの山へは見たところ、南側の「和加山」経由で登るか、北側の尾根に取り付き、尾根上を伝って『坊主山』から北に伸びる稜線に至るかの二通りが容易と判断される。

しかし、私はあえて中央突破を試みた。

中央は針葉樹林帯の奥に雪崩斜面が見て取れる。

それを避けながらの急登になるだろうが、何も見えない核心部はぜひ見てみたいという好奇心が先に立つ。

雪は思いの外締まっており、気温もマイナス10℃以下。

当然雪崩は起きにくい状況と判断してのこと。

 

 針葉樹林の中は予想より地形が複雑で、なかなか真っ直ぐには登らせてくれない。

そして急登の連続でなんとか雪崩斜面の上に出た、と思った瞬間クレバスにはまった。

スキーごと落ちたのだが、ビンディングを破損することもなく助かった。

しかし脱出に四苦八苦して、随分時間を費やしてしまった。

その後も辛抱して急登を重ねると、やがて広い稜線上に出た。

これがまたうっとりするような美しい世界で、写真に写るの大好きおじさんは(ん? おじいさん??)何度も記念撮影。

それからの登行は、もう夢の中のような世界だ。

とにかく「美しい」のひと言。

 

 9時5分、『坊主山』頂上着。

西に『三頭山』、北に『ピッシリ山』、北東には『ピヤシリ山』や『函岳』が見える。

そして南の眼下には幌加内町。

初頭の山から、当然だが初めて目にする新鮮な光景だ。

晴天に恵まれたことに感謝!

 

 写真撮りが終わると、すぐ東に見えている『犬牛別山』に向かう。

『犬牛別山』って、いったい何と読むのだろう?

正直、私には読めない。

一旦コルに下って僅かな標高差を登り返す。

 

 9時50分、『犬牛別山』頂上に立った。

この頃になると上空は雲に覆われ、日射しが弱くなっていた。

長居はせず、下山開始。

少し下ったあと「722mP」まで登り返し、あとは滑り降りるだけ。

下降は冒頭で述べた北側の尾根を滑ってルート確認だ。

ちょくちょく停止して谷間との位置確認。

 

 10時50分、駐車地着。

車を見て驚いた。

雪も降っていないのに、フロントガラスが真っ白だ。

近付いてみると、排雪用のロータリーが雪を吹き付けたあとだ。

おまけに運転席側のサイドバイザーが割れている。

「このやろう!」と思っていると、車道の拡幅作業をしていたロータリーが戻ってきて、運転手が平謝り。

その後、その会社の担当者もやってきて補償の打ち合わせ。

この後もう一泊して別の山を目指す予定だつたが、落ち着かないので一旦帰宅して修理をすることにした。

 帰途ではもちろん入浴私設に寄り、二日分の汗を二度洗ってすっきりしてきた。

  『(幌加内)坊主山』、いやあ、いい山だったなあ。

今度はHiromiを連れてってやらなくちゃあ!

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2016.3.2 『鷹泊山』(654m)

 有給休暇消化の日々が続く中、29日(月)から二泊で山に出掛ける予定でいたが、悪天候続きで足止め。

自宅にこもり、日々数度の除雪。

 2日の朝、ようやく家を空けることができた。

 

全道的に降り続いた雪は、山では大変な量になっているはずで、スキーで登ってもラッセルがきつい。

そこで時間の短い行程の山を選定することにした。

そんなときに思いついた幌加内方面には、適度な行程と思われる山がゴロゴロしている。

私として幌加内地域は、夏山で『三頭山』に馴染みがあるだけで、積雪期には訪れたことがない。

しかし、以前から冬季に登ってみたいと思う中に、『(幌加内)坊主山』があった。

他はさすがに机上で地形図とにらめっこだ。

そして、数山をピックアップして出かけた。

 

幌加内に近付くにつれて、降りしきる雪が強くなる。

 雪が降り続く中、最も短時間で登れる『鷹泊山』に登ることにした。

  12時5分、江丹別峠駐車場をスタート。駐車場には先行者のものと思われる車が一台。

スキーのトレースもくっきりだ。

それを利用させていただき、楽に追随する。

辺りは時折薄日が射すものの、雪が止むことはない。

 

12時55分、頂上着。

予想より時間がかからなかった。

頂上には先行者の若い男女が二人で縦穴を掘り、昼食の準備をしていた。

トレースの礼を述べ、少し話しをした。

すると男性は、旭川医科大学を今春卒業する医大生。

そして卒業後の就職先が滝川市立病院だという。

滝川は私と女房の出身地であり、女房はその滝川市立病院で看護師として勤めていたことがある。

そんな二人の邪魔をしてはいけないと、頂上を離れた。

と同時にいくらかガスが薄くなり、下界の風景がうっすらと。

しかしまた降りだす。

あきらめてスキーのシールを剥がし、一気に下った。

 13時50分、駐車場着。

たいした山ではなかったが、こんな日にはちょうどよい。

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