アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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逆もまた真なり

2016年02月17日 16時31分04秒 | 戦争法ではなく平和保障法を


 最近のマスコミ論調の偏りぶりは、もう目を覆うばかりです。特に産経が酷い。
 但し、上のツイートだけでは、一体何の事か分かりにくいでしょうから、その産経の元記事を下記に改めて引用しておきます。

 安倍首相「徴兵制が始まる、戦争法案、と同じ手法」放送法めぐる野党の批判に不快感
 安倍晋三首相は10日の衆院予算委員会で、政治的公平性を欠く放送局に電波停止を命じる可能性に触れた高市早苗総務相の発言に対し、野党が「言論弾圧」などと批判していることについて、「一般論として答えたことを、気にくわない番組に適用するかのようなイメージを広げるのは、かつて『徴兵制が始まる』とか、『戦争法案』と同じ手法だ」と述べ、野党の“レッテル張り”に不快感をあらわにした。民主党の大串博志氏に答えた。
 http://www.sankei.com/politics/news/160210/plt1602100039-n1.html

 これ、「一般論」なんかで済まされる話ではないでしょう。これまでも、安倍自身やそのお仲間たちが、実際に「沖縄の地方紙二紙を潰す」と言ったり、テレビ朝日「報道ステーション」の古賀茂明、古舘伊知郎やTBS「NEWS23」の岸井成格(しげただ)、NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子など、個別番組の特定キャスターまで名指しして、政権にとって都合の悪い言論を封じてきた前歴があるのですから。自分たちの方こそ、今まで散々「反日」だとか「媚中」だとか言って、沖縄の新聞や「NEWS23」などに対して、思いっきり「レッテル張り」してきたくせに。
 高市早苗の「電波停止命令」発言も、その一連の流れの中で出てきたもの。それを今頃になって、「あれは、あくまでも一般論として言ったまでであって、個別のマスコミを攻撃するものではない」なぞと言って誤魔化そうとしても、もう遅いですよ。「レッテル張り」しているのは一体どちらか。

 この件については、過去の私のブログ記事も、下記に関連資料としてお付けしておきますので、そちらも併せてお読みいただければ、余計その事がはっきりすると思います。

・もはやこの程度の政府批判も許されないのか?
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/7a8818d9440c2a07a9e7a2af4f8d2c3b
・驕る平家は久しからず(その2)―百田のデマ・ヘイト暴言
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/5a278c20a527d40be95c08c52a56eb9e
・私達こそ政治的中立を口実とした違法な言論弾圧を許しません。
 http://blog.goo.ne.jp/afghan_iraq_nk/e/28d0b97e8d07542ce2752b1c0be6633d



 自民党衆院議員で、自ら育児休暇率先取得を宣言した宮崎謙介の不倫騒動と言う、本来なら週刊誌ネタにしかならないような話題を、産経系列のフジテレビが朝から晩まで延々と定時ニュースで伝え、しかも他紙の報道を鵜呑みにするばかりで、ウラ取り(自らその真偽を確かめる事)を全然やらなかったと言うのが、上のツイートの元記事です。
 そのフジテレビの安易な姿勢を、この東洋経済の元記事は批判的に伝えています。そういう意味では、東洋経済の記事の方が、フジのテレビニュースよりもまだ数倍マシです。

 しかし、なぜ、このような議員による不祥事や、甘利ワイロ疑惑のような閣僚による不祥事が続くのか。
 それは、小選挙区制優位の選挙制度の下で、自民党や第二自民党、第三自民党みたいな政党の、金権・世襲議員ばかりが幅を利かすようになってしまったからです。マスコミも、自民党や「自民党と似たり寄ったりの野党」の話題しか取り上げなくなった。そんな政治が何十年も続くと、有権者も白けてしまい、せっかくの金権・世襲政治への怒りも、野党票とはならずに棄権に向かわざるを得なくなる。その結果、投票率が下がれば下がるほど、さらに金権・世襲議員が幅を利かすようになるという、「火事場の焼け太り」みたいな悪循環に陥ってしまっているからです。

 東洋経済のこの記事も、そこまで突っ込んで書いてくれたら、もっと値打ちのあるものになったのに。そして、「3S政策」についても言及してくれたら、さらに良かったのに。 
 「3S政策」と言うのは、「スポーツ」「セックス」「スクリーン(映画)」の、3つのSで始まるキーワードに代表される娯楽番組や三面記事を意図的に垂れ流す事によって、デモや原発事故、政治家のスキャンダルのような、時の政府にとって都合の悪いニュースに世間の目が向かわないようにする事を揶揄した言葉です(参考資料)。昨今では、それに「シャブ」が加わり「4S」となってしまいました。たかが一民間人にしか過ぎない元プロ野球選手のシャブ疑惑と、政権閣僚による安保法制やTPP、「放送免許取り消し、電波停止」発言の、一体どちらが国民にとって危険か、一体どちらが国民にとって重要か。誰が考えても分かるでしょう。

 それを、ただ、過去の育休率先取得発言と絡めて、宮崎議員を面白おかしく腐すだけでは、せっかくの東洋経済の元記事も、「商業メディア同士の足の引っ張り合い」にしかなりません。産経も「その程度の話題」だと分かっているから、ウラ取りもしなかったのでしょう。

 そして、極め付けがこれ。



 高市早苗が総務大臣の立場で、「政治的に偏ったメディアに対しては、放送法第4条を盾に電波停止もあり得る」と発言。
 民主党の菅直人が、それを「安倍政権による独裁だ」と噛み付く。
 それに対して、産経は、この記事の中で、「菅直人も民主党政権時代に同じような事を言っていたではないか」「安倍批判が、そのままブーメランとして自分に跳ね返ってきているではないか」と皮肉る…。

 上のツイートで取り上げた産経の元記事を要約すれば、大体こんな内容になるでしょうか。
 http://www.sankei.com/politics/news/160216/plt1602160033-n1.html

 あのね。「逆もまた真なり」という言葉があるでしょう。民主党の自民党批判がブーメランなら、自民党の民主党批判もそれと同じ。例えば、自民党が野党の時にあれだけ反対していたTPPを、今は推進している矛盾をどう取り繕うのか?
 産経は、この記事の中で、民主党を思いっ切り叩いたつもりなのでしょうが、叩けば叩くほど、「いくら政治的に偏っているとか、放送法第4条違反だと言って、マスコミを脅しつけた所で、脅しつけてる方が偏っていたのでは、お話にならない」という事を、白日の下に晒す結果になってしまいました。しかも、図に乗って「鮮やかなブーメラン」と見出しを打ってしまった事で、自民ヨイショの偏りぶりが、さらに明白になってしまうという、オマケまで付いて。
 
 メディアの政治的中立について定めた放送法第4条も、「言論・表現の自由」を保障した憲法や放送法第1条、第3条の規定があって、初めてその効力を発するのです。その前提条件を抜きにして、放送法第4条だけを恣意的に取り出して、特定・個別の番組や司会者のあれこれの主張や意見に対して、「偏っている」だの何だのと言う事は、逆に憲法の保障する「言論・表現の自由」を侵害するものでしかない。
 およそ、この世の中で、「100%偏ってない意見」なんて、あり得ないのですから。公害告発の記事も、公害垂れ流し企業からすれば、十分「偏った意見」でしかない。それが偏った意見か正論かは、あくまでも視聴者が決める事であって、時の政府が外からあれこれ言うべき事ではありません。
 そのような政府による恣意的な介入を防ぐために、電波監理委員会という第三者機関(独立行政委員会)が、放送電波の割り当て実務を行っていた時代もあったのです。その第三者機関を廃止してしまい、復活の動きを封じ込めて来たのが、今の自民党に連なる人たちではないですか。

 政権交代を実現した当初は、多少期待したものの、次第に自民党と代わり映えしなくなった民主党の政治を、今さら擁護する気なぞサラサラないですが、それでも、この産経記事みたいに開き直れるほど、私は厚顔無恥ではありません。
 こんな「政府目線」の御用記事・御用番組や、三面記事・ワイドショーばかり読まされ観せられていたら、そりゃあ、甘利ワイロ疑惑発覚後も、安倍政権の支持率が下がらないのも分かります。民主党や維新、大阪維新のような「自民党と似たり寄ったり」の野党の動きしかマスコミが取り上げないのでは、有権者も白けて棄権に向かうしかないでしょう。しかし、それでは、ますます金権・世襲政治がはびこるだけです。
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