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近鉄東花園駅の車掌飛び降り事件について思う事

2016年10月02日 22時40分51秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

 標記のネット署名が回って来ましたので、私もささやかながら署名、拡散させてもらう事にしました。

(以下、ネット署名の趣意書より)

 9月21日午前11時ごろ、近鉄奈良線東花園駅で、別の駅で起きた人身事故の乗客対応を行っていた男性車掌(26)が突然、制帽と制服の上着を脱ぎ捨てホームから線路に侵入し、高架になっている同駅から約8メートル下の地面に飛び降り負傷した。とマスコミ各社により報道されました。

 また一部のマスコミでは「車掌”逆ギレ”線路を爆走」と題したテロップと共に車掌が飛び降りる直前に行った奇行のみが報じられ、最近発生している鉄道職員の不祥事と同様の扱いがなされました。

 しかしながら、その後の一部のマスコミ報道やSNSから、車掌さんは「取り囲まれていた」「数人から暴言を浴びせられていた」「笑われていた」などの情報もあり、飛び降りる直前には「“もういやや、死なせてくれ”と言っていた」などの証言があったとのことから車掌さんの精神が極限に近い状態だったと思われます。

 今回、近鉄は「お客様にご迷惑をお掛けして大変申し訳ない。社内規定にのっとって車掌の処分を検討する」とのコメントが報道を通じ行われましたが、その後の報道やSNSなどの情報からみても飛び降りる直前の精神状態が極めて不安定であったのは明らかであり、行為の事実のみをもって処分を前提に進めるというのでは、あまりにも不合理ではないでしょうか。

 近年、鉄道職員に対する暴力や暴言が横行していると聞きます。実現不可能な過大要求をするクレーマーや大声で暴言を浴びせるクレーマーなど悪質なクレーム行為が後を絶たず、多くの鉄道職員を悩ませているとのことでです。まさに今、鉄道会社には悪質なクレーム行為から職員(大切な社員)を守るといった強い態度が必要かと思われます。

 このキャンペーンの目的は、車掌さんの人事処分を一旦白紙とし、事件の原因およびその背景など事実関係を十分に調査し、車掌さんに対する寛大な処遇ならびに心のケアを優先的に行うよう求めた嘆願書(賛同者名添付)を近鉄本社に提出することにあります。

鉄道運転手や車掌さんがいつまでも子ども達の憧れの職業であり続けるためにも。

 (修正)9月29日:各報道機関にあわせて、高さを5メートルから8メートルに修正しました。

(引用終了)

https://www.change.org/p/%E8%BF%91%E9%89%84%E6%9D%B1%E8%8A%B1%E5%9C%92%E9%A7%85%E3%81%AE%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%A7%E4%BA%BA%E8%BA%AB%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%AE%E4%B9%97%E5%AE%A2%E5%BF%9C%E5%AF%BE%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%9F%E8%BB%8A%E6%8E%8C%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AE%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E5%87%A6%E5%88%86%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E5%98%86%E9%A1%98?tk=YLvDgKbJAd6OUrlcoxmY6dXq9tONpo3wzPXPFnHOnbo&utm_source=supporter_signature_milestone_email&utm_medium=email&utm_campaign=supporter_signatures_75000&utm_term=supporter_signature_milestone_email

 

 

 

 しかし、高架上から飛び降りとは、ただ事ではありません。マスコミ報道では、飛び降りた車掌は「重傷だが命に別状は無かった」とありますが、よく助かったものだと思います。普通なら死んでいてもおかしくありません。
 そこで、一体どんな所から飛び降りたのだろうと思い、私も今日の休みに、遅まきながら事故現場の駅に行ってきました。同じ大阪府内の私鉄駅で、割と気軽に行けるし、私も仕事柄、いつどんな形で、この車掌のような精神状態になるとも限りませんので。

 車掌が事件を起こした東花園駅は、大阪と奈良を結ぶ近鉄奈良線のちょうど中間地点にあります。花園ラグビー場の最寄り駅で、駅の建物にもラグビーボールのモチーフが施されていました。また、近鉄奈良線の車庫が併設されており、始発電車の出発駅、終電の帰着駅となっています。
 事件が起こったのは9月21日。当日は、東花園駅から4駅大阪(難波・上本町)寄りの河内小阪駅で人身事故があり、電車がストップしていました。くだんの車掌も、自分が乗務していた特急電車が、事故の影響で当駅で運転打ち切りとなり、電車が止まっていらだつ大勢の乗客に詰め寄られ、パニック状態になって高架線路上から発作的に飛び降りたものと思われます。

 その高架の高さですが、思ったよりも低かったとは言え、それでもビルの3階ぐらいの高さは優にあります。その高架の防護壁をよじ登り、壁にぶら下がって落ちたようです。あるいは、まだ高架工事は完全に完成してはおらず、既に線路は高架上に移設が完了していますが、まだ周辺の足場が撤去されずに残されていましたので、ひょっとしたら、その足場伝いに防護壁の外に出て飛び降りたのかも知れません。いずれにしても、地面は堅いコンクリートの床です。この車掌、下手すれば死んでいますよ。

 

 

 私自身は現場にはいなかったので、当時の詳しい状況は分かりません。その上で、私が感じた事を書かせていただくと・・・

 まず、くだんの車掌さんに対して。どんな理由があるにせよ、何も飛び降りる事は無かったのではないでしょうか。もし命は助かっても、打ち所が悪ければ半身不随になっていたかも知れません。「死んで花実が咲くものか」という格言もあるじゃないですか。飛び降りるぐらいなら、職場をバックレて遁走(とんそう)してしまった方が、まだナンボかマシです。
 自殺と遁走、どちらも職場放棄には違いなく、会社からは同じように処罰されるでしょうが。しかし、まだ生きていたら弁解も出来るじゃないですか。「確かに自分のした事は、社員としてあるまじき行為ではありますが、乗客からあそこまで暴言を浴びせられたら、誰しも投げ出したくなる事はあります。そうであるにもかかわらず、自分だけ処罰されて、乗客の暴力・暴言や、会社の安全管理責任については一切問われないのは、余りにも片手落ちではないでしょうか?」と、まだ抗弁できるではないですか。
 飲酒運転などの悪質な事例でない限り、どんな事故や過失についても、過失相殺の原則が適用されて然るべきです。例えば、歩行者が赤信号を無視して横断歩道を渡っていて自動車にはねられた場合でも、ドライバーの前方不注意とは別に、歩行者も信号無視について過失相殺されるでしょう。しかし、死んでしまったら、それもかないません。もし、それで、公正な処分がなされず、一方的に車掌の非だけをとがめるような会社なら、そんな会社にいても将来ろくな事はありません。私なら、そんな会社、自分から辞めますし、その前に、公正な処遇を求めて徹底的に闘います。
 戦時中の特攻隊じゃあるまいし。殉職しなければならないような仕事なぞ、現実にはありません。特に車掌さんなんか、まだ若いのに、そんな事で死んでしまったのでは、余りにも勿体(もったい)ない話じゃないですか。

 次に、車掌に暴言を浴びせた乗客に対して。どんなに先を急いでいたか分かりませんが、事故を起こしたわけ訳でもない車掌に当たり散らして、一体何になると言うのか。何の解決にもなりません。車掌に暴言を吐いてる暇があるなら、もっと別の事に神経を使うべきです。直ぐに復旧が見込めそうにないなら、振り替え輸送は一体どうなっているか聞いて、代替の交通機関があるなら、そちらを利用すべきです。そんなに先を急いでいるのなら。それで何千円か自腹を切る羽目になったとしても、大事な商談を棒に振るよりはマシでしょう。人生には、いくらでもそんな事が起こり得るのですから。

 この乗客の暴言をいさめる意見は、ネット上でも数多く散見されました。しかし、その中で見過ごせない意見がありました。それは、この東花園駅の車掌飛び降り事件の元になった、河内小阪駅での飛び込み自殺について、自殺者を貶めるような意見が少なからず見受けられた事です。「全ては、この人身事故が諸悪の根源だ」「人身事故を起こした奴が最も悪い」と。
 違うでしょう。誰が、最初から「死にたい」なんて思って生まれて来る人がいるのですか。誰だって自殺なんかしたくない。それでも、万策尽きて死を選んでしまう人が後を絶たないのは何故なのか?もし、自分が自殺一歩手前にまで追い詰められても、果たして同じ事が言えるのか?そこまで自殺者を追いやり、年間3万人もの自殺者を生み出す社会や政治こそが、「諸悪の根源」ではないのか。

 その中で、私が一番責任を問いたいのは、車掌や近鉄社員個人の対応ではなく、会社の対応です。人身事故の際に、東花園駅で多くの電車が運転打ち止めになったのは、当駅には車庫が併設されており、運転再開するのに一番都合がよかったからでしょう。しかし、振り替え輸送への乗客誘導を考えると、もっと他に尽くすべき事があったのではなかったかと思います。
 大阪(難波・上本町)と奈良の間で、近鉄奈良線と並行して走っているのは、地下鉄中央線と連絡している近鉄東大阪線しかありません。並行路線とは言え、二つの路線の間は相当離れており、東花園駅から歩いて行けるような距離にはありません。
 今回の場合も、もし東大阪線との乗換駅である生駒駅で運転打ち止めにする事が出来ておれば、乗客をスムーズに東大阪線に誘導でき、少なくとも東花園駅で起こったような混乱は避けられたのではないでしょうか。
 あるいは、東花園駅のロータリーにはタクシー乗り場しかなく、他の鉄道・バス等の公共交通機関の乗り入れは一切ありません。しかし、そこから1キロも離れていない隣の河内花園駅には、バスも乗り入れています。そこまで乗客誘導するのが、鉄道会社としての責任ではないでしょうか。

 そのような振り替え輸送の段取りが、普段から出来ていたか?社員に周知出来ていたか?その鉄道会社としての責任を不問にしたまま、社員個人の責任だけが追及されるのであれば、それは余りにも片手落ちで、不公平な処分ではないでしょうか。
 この数年来、近鉄は地方支線の切り捨て、別会社化を進めて来ました。養老線、伊賀線、内部・八王子線などの支線を、儲からないからと言って、どんどん近鉄本社の経営から切り離し、第三セクターとして地元の自治体などに押し付けて来ました。いくら支線単位では年間数億の赤字でも、近鉄全体としては年間180億近くの黒字を計上しているのに。いくら私鉄といえども、鉄道会社にはインフラ企業として住民の足を守る責任があるにもかかわらず。そんな経営偏重の姿勢が、社員教育の分野にも現れていなければ良いのですが。


東花園駅のロータリー。真っすぐ進めば花園ラグビー場に行き着きます。ロータリーにはタクシー乗り場しかありません。ロータリーがあるのは駅のこちら側だけです。反対側には駐輪場や小さなスーパー、ポンプ場があるだけです。


東花園駅上り(大阪・神戸行き)ホーム時刻表。この駅には車庫が併設されており、当駅始発の電車も多数見受けられる。(時刻の数字に青色の網目が施されているのが当駅始発電車)

 

(参考記事)

乗客に詰め寄られ車掌飛び降り重傷 近鉄東花園駅(日刊スポーツ)

 21日午前11時ごろ、大阪府東大阪市の近鉄東花園駅で、電車の遅延でホームで乗客に対応していた男性車掌(26)が、詰め寄る乗客にキレて線路に飛び降り、制服、制帽を脱ぎ捨てながら線路を約70メートル疾走。さらに高さ1・65メートルのコンクリート塀を乗り越えて約7・6メートル下の地面に飛び降りるという“事件”があった。車掌は救急搬送された。命に別条はないが、腰椎と胸骨を骨折し、重傷。

 車掌は午前10時13分、近鉄奈良駅発大阪難波駅行きの特急に乗務していた。10時33分ごろ、東花園駅から4駅先の河内小阪駅で発生した人身事故で特急が東花園駅で運行がストップ。10時40分ごろから上りホームで乗客の対応をしていた。特急の乗客は74人だったが、同駅で運行停止となった後続の急行の乗客などホームはどんどん人が増え、近鉄によると、“事件”発生時には約1000人になっていたという。

 多数の乗客に囲まれ、詰め寄られた車掌は、言い争いになって逆上。突然、ホームの中ほどから1・26メートル下の線路に飛び降りた。乗客によると、制服の上着と制帽を脱ぎ捨て、「アー、もう死にたい。こんなの嫌や。死なせてくれ」と叫びながら奈良方向に走って行ったという。その後、塀を乗り越えて飛び降りた。

 東花園駅は高校ラグビーの聖地・花園ラグビー場の最寄りで高架駅。車庫があるため、近鉄は同駅で電車の運行を停止し、車庫へ回送していた。人身事故と車掌のこの行動で、近鉄奈良線は上下線に35分の遅れが出た。近鉄は「鉄道事業者として不適切な行動を起こしたことは大変遺憾。ご迷惑をお掛けし、心よりおわびします」としている。

http://www.nikkansports.com/general/news/nikkan/1713598.html

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