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血糖値スパイクと自己責任論

2016年10月12日 01時20分40秒 | 身辺雑記・ちょいまじ鉄ネタ

 「血糖値スパイク」という言葉を最近よく耳にするようになりました。先日、NHKが特集番組でこの「血糖値スパイク」の事を取り上げていて、私もずっと観ていました。
 以下、当該番組HPの10月8日放送、NHKスペシャル「”血糖値スパイク”が危ない~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~」より引用します。

~食事を食べたすぐ後の短時間にだけ、人知れず血糖値が急上昇し、やがてまた正常値に戻る。それが、「血糖値スパイク」。食後時間がたった状態で行われる通常の健康診断では、見つからないことも多い。ところが最新調査で、なんと1400万人以上の日本人に「血糖値スパイク」が生じている可能性が明らかになってきた!
~この「血糖値スパイク」、知らずに放置すると、体内の重要な血管が傷つけられ、脳梗塞や心筋梗塞などによる突然死のリスクが高まることが、最新研究で突き止められた。それだけではない。がんを引き起こしたり、脳にまでダメージを与えて認知症をも招いたりもするというのだ。まさに“万病の種”!
~「血糖値が高いなんて、肥満が気になる中高年の話でしょ?」と思ったら、大間違い。「血糖値スパイク」は、スリムな若い女性たちでも起きていることがわかってきている。でも、大丈夫!今回番組では、ちょっとした食事や生活の工夫で「血糖値スパイク」の発生を抑えられる秘策を大公開。いち早く自分の体に潜む危険を知って、“万病の種”を撃退しよう!(以上引用)

 

 実は私も、数年前から会社の健康診断で、ここでいう「血糖値スパイク」の状態にあると、診断されるようになりました。(当時のブログ記事「えっ、何で俺が糖尿病に・・・?!」参照)
 今年2016年3月10日に受けた定期健診でも、血糖値が124mg/dlで「血糖値が異常、糖尿病の疑いあり、経過観察が必要」と診断されました(上2枚の写真がその時の診断書)。その為、4月13日の公休日午前中に、自宅近くの病院で再検査を受けました。結果は95mg/dlで「異常なし」(一番下の写真)。その事から、定期健診で異常が出たのは、昼食後の午後1時過ぎに受診したからだと、今まで思っていました。そもそも「血糖値スパイク」という言葉がある事自体も知りませんでした。

 私は、腰痛こそ抱えているものの、内臓については健康そのものだと思っていました。まず、自分で言うのも何ですが、私は酒もたばこもやりません。そして仕事柄、早寝早起きの習慣が身に付いてしまっています。毎日の仕事も、スポーツの代替に充分なる位、エネルギーを消費します。暴飲暴食や偏食、間食もほとんどしません。中年太りとは縁遠い体型をずっと維持して来ました。そんな私が、何で「糖尿病の疑いあり」と指摘されなければならないのか、ずっと不思議に思っていました。現に、再検査の結果も、いつも「異常なし」でした。
 だから、「血糖値スパイク」と急に言われるようになっても、「何をオーバーな。食後の一時的な血糖値上昇は、大なり小なり誰にでもある事だ」と思っていました。

 ところがどっこい。たとえ「一時的な血糖値上昇」でも、その上昇度合いが140mg/dlを超えて、200以上になるようであれば、それはもはや糖尿病と同じなのだそうです。時間の経過とともに血糖値が下がり、糖尿病の慢性患者のようにならないのは、インスリンの過剰分泌によって、無理やり血糖値を引き下げているからに過ぎないのだとか。
 そのインスリンの過剰分泌によって、身体に害を及ぼす活性酸素が大量に生み出され、ガン発症の引き金になったり、痛めつけられた血管修復の為に生み出された免疫細胞が、血管壁に付着して動脈硬化の原因になったりするのだそうです。そうして、心筋梗塞や脳梗塞、認知症発症に至るのだとか…。

 

 そこで気になった私は、その特集番組でやっていた視聴者アンケートに、初めて参加する事にしました。テレビのリモコンのdボタンを押すと、テレビ画面の下の方に、設問内容と回答の選択肢が表示されます。後は、例えば「Yesなら青ボタン、Noなら赤ボタン」という感じで、リモコンの色ボタンを押していけば良いのです。下記が、その「血糖値スパイク危険度チェック」の設問と回答選択肢です。私が選んだ回答選択肢には下線を施しました。

①あなたの性別は?(男性、女性)
②あなたの年齢は?(44歳以下、45~54歳、55~64歳、65歳以上)
③あなたのBMIは?(~21.9、22~24.9、25~)
 ※BMI(体格指数)は体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の計算式で出ますが、
  リモコンのdボタンでTV画面に数値を直接入力しても自動的に計算してくれます。
④家族(兄弟姉妹・父母・祖父母など)に糖尿病になった人はいますか?(いない、いる)
⑤お腹が出ている体型ですか?(いいえ、はい)
 ※腹囲が男性90cm、女性80cm以上が、「お腹が出ている体型」の目安。
⑥あなたは高血圧ですか?(いいえ、はい)
 ※140/90mmHg以上、もしくは血圧の薬を服用中が、「高血圧」の目安。
⑦1日に何本タバコを吸いますか?(0本、1~9本、10本以上)
⑧週3日以上何か運動をしていますか?(していない、している)

  

 

 左上写真がリモコンのdボタン。それを押すとテレビ画面の下に設問が表示され、リモコンで回答を選択できるようになります。ちなみに、私の判定結果は「危険度7点」で「9点以下のリスク低」ランクでした。まずは一安心です。
 ちなみに、「危険度10~19点」が「リスク中」、同じく「20点以上」が「高リスク」なのだそうです(右上写真)。

 

 ここまでは興味深く番組を観ていました。私が今まで知らなかった「血糖値スパイク」について、詳しく分かりやすく説明してくれていましたから。

 ところが、その後の「血糖値スパイク解消法」のくだりで、物足りなさを感じてしまいました。
 番組では、解消法として3つの対策が挙げられていました。
 一つ目は「食べる順番に気を付けろ」。まずサラダなどの野菜から先に食べ、次にタンパク質が豊富なオカズ、最後にご飯などの炭水化物を食べろ、と。そうする事で、炭水化物や糖の吸収を抑える事が出来、血糖値の急激な上昇を回避できる、と。
 二つ目は「朝ご飯はしっかり食べろ」。朝食を抜いて昼食や夕食にドカッと食べるような事をしていると、身体がそれまでの栄養不足を補おうとして、三食食べた時以上に、炭水化物や糖質の吸収が促進され、血糖値が急激に上がるのだそうです。
 三つ目は「食後の小まめな運動」。運動と言っても、別に本格的にトレーニングを始めなければならない訳ではありません。エレベーターに乗らずに階段を上るとか、トイレに行くのにも若干遠回りして行くなどの、ちょっとした工夫だけでも結構なのだそうです。その小さな積み重ねが、血糖値スパイク対策につながるのだと言う事です。
 確かに、この3つの対策は、一々ごもっともな内容ばかりです。私が、腰痛こそ抱えているものの、今まで中年太りにもならずに生活習慣病にかからずに済んだのも、仕事柄、早寝早起きで、ほとんど間食もやらなかったし、物流倉庫での商品の仕分けや搬送業務で毎日エネルギーを消費している事が、ある程度運動の代わりになっているからでしょう。

 でも、その一方で、しっかり食事を摂りたくても、ままならない現実もあります。例えば、私は最近、残業で帰りが遅くなる事が多いし、高齢の親の家事負担を少しでも減らしたいので、昼食だけでなく夕食も社員食堂で食べるようにしています。ところが、それではどうしても食券購入代がかさみます。会社の食券は1食1枚400円の10枚つづりになっており、1度買うごとに4千円ずつ給与から天引きされます。1枚単位のバラ購入は出来ません。月平均22日出勤(食券は月2回購入)なので、今までは昼食だけだったので毎月8千円の天引きで済んでいました。それが、夕食も社食を利用するとなると、天引き額も倍の1万6千円に跳ね上がります。食券代だけで一度にそれだけも天引きされると痛いので、今後は社食利用は夕飯だけにして、昼食はパン食に切り替えるようにしました。
 しかし、早朝出勤の合間にコンビニで買うパンは、どうしても品数が限られてしまいます。コンビニにはまだ朝の配送トラックが到着していない時間なので、陳列棚に並んでいるのは売れ残りの菓子パンばかり。そもそも、昼食をパン食に切り替えたのも節約が目的なので、勢い炭水化物と糖分だけの食事になってしまいがちです。今日の昼食も、4個入り100円のマーガリン入りレーズンパンと、自宅に残っていたクラッカー1袋、110円の缶コーヒーだけで済ませてしまいました。

 そりゃあ、こんな食事ばかりしていたら、確かに血糖値スパイクになるリスクは高くなるでしょう。でも、節約の為には仕方ないじゃありませんか。そりゃあ、昼食も夕食も、栄養バランスの取れた社員食堂のメニューだけでまかなう事が出来るなら、それに越した事はありません。でも、そうするには、もっと賃金が上がらなければ無理です。
 独身の私ですらこんな状態なのに、もっと生活条件が厳しい非正規雇用のシングルマザーや貧困層の若者は、一体どんな食事を摂っているのだろうか?1食のコンビニ弁当を2食に分けて食べたり、ふりかけご飯や納豆カレーだけで済ませたりという話も、よく聞きます。そういう人にとっては、この番組で推奨している対策なぞ、絵に描いた餅でしかない。結局は「後は個人で何とかしろ」という自己責任論でお茶を濁しているだけじゃないですか。

 少なくとも、「血糖値スパイク」になったからと言って、それで人間直ぐ死ぬ訳ではありません。血糖値の正常値とされる70~140mg/dlも、あくまでも一つの目安にしか過ぎません。血糖値の測定法も千差万別で、正常値も検査方法によってそれぞれ違うそうです。現に、私が会社の健康診断で「糖尿病の疑いあり」と指摘された124mg/dlという血糖値も、NHK番組の基準に照らし合わせれば正常値の範囲内に収まっています。そんな値に一喜一憂するよりも、まともに食事も摂れない貧困状態を解消する事の方が先決ではないでしょうか。それこそが、本当の「血糖値スパイク解消法」ではないでしょうか。

 フリーアナウンサーの長谷川豊が、「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」という事を自分のブログで主張して、腎臓病患者を侮辱したという事で、レギュラー番組を降板になりました(参考記事)。腎臓病の背景には、本人の不摂生だけでなく、日本の貧困な食生活の影響もあるのに。
 実は、健康に良いとされる和食も、腎臓病予防の観点から見ると、塩分の過剰摂取という点では、決してほめられた料理ではないのです。梅干しや佃煮なぞ、まさにその典型です。その中でも、特に東北地方は、塩辛い料理が多いからか、今でも腎不全や脳卒中の死亡率が全国平均よりも高めです。東北地方に塩辛い料理が多いのは、昔から冷害凶作にたびたび見舞われ、農作物が育ちにくかった為に、保存のきく塩蔵品に食生活を頼ってきたからでしょうか。それに加えて、昨今の貧困格差の拡大や、過疎化・高齢化の影響も当然あるでしょう。そういう社会的、歴史的な背景も見ずに、何でも自己責任で片づけられたのでは、堪ったものではありません。「血糖値スパイク」も、それと同じではないでしょうか。

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