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アボカド食べてメキシコ応援

2017年02月17日 22時28分44秒 | なにわB級グルメ探訪

 

 先日、仕事帰りにふと立ち寄ったスーパーで、メキシコ産アボカドを1玉98円の特売価格で売っていたのを見て、俄然、メキシコを応援したくなりました。
 今、米国では、大統領に就任したトランプの扇動によって、外国人、とりわけメキシコからの移民が目の敵にされています。そして、「メキシコ国境に壁を作り、不法移民の侵入を防ぐ」「壁の費用はメキシコに負担させる」と、盛んに言っています。しかし、そもそも不法移民激増の原因を作ったのは実は米国自身なのです。米国が1994年にメキシコやカナダと北米自由貿易協定(NAFTA=ナフタ)を結んだ事で、米国は自国の農産物を関税なしに輸出できるようになりました。その結果、両国には米国産の安い小麦やトウモロコシが大量に流入する事になり、特に経済力が劣るメキシコでは、食料を自給できなくなりました。メキシコの主食はトウモロコシで、代表的なメキシコ料理タコスの原料もトウモロコシなのに、そのトウモロコシも米国産の方が安いので、全然売れなくなり、失業した農民が不法移民となって米国に出稼ぎに行くようになったのです。
 食料は、ただ単に安ければ良いという物ではありません。安いのはそれなりに裏があるのです。米国の小麦やトウモロコシが安いのは、広い農地で資本力に物を言わせて、大型機械を動員し、大量に農薬を撒いて、効率よく収穫できるからです。その農産物を、穀物メジャーと呼ばれる大企業が農家から安く買い取り、海外に売りさばいてきました。米国政府も穀物メジャーを後押ししてきました。しかし、それは環境破壊と隣り合わせです。農薬の大量散布や地下水のくみ上げによって、土壌の汚染や砂漠化が今も急速に進行しています。また、「安かろう悪かろう」という事で、安全性の確認もなおざりにして、農薬まみれの遺伝子組み換え作物が大量に作られるようになりました。大企業の金儲けの為に、国民の健康がないがしろにされているのです。
 そんな金儲け本位の企業農業が出来るのも、米国には広大な農地と豊富な資金力があるからです。メキシコにはそんなものはありません。確かに、米国ほど広くはありませんが、メキシコの領土も相当広いです。しかし、その北半分は砂漠やサバンナなどの乾燥地帯で、南半分も大半は熱帯雨林です。小麦やトウモロコシが栽培できるのは、メキシコシティーを中心とした中央高地に限られます。経済規模も、米国とメキシコでは、雲泥の差があります。人口密度も、メキシコの方がはるかに高いです。自然条件も経済力も全然違うのに、メキシコも米国と同じ様なやり方で、農業が出来る訳ありません。

 しかし、その米国の広大な土地や豊かな経済力も、元々、米国のものではないでしょう。ヨーロッパから移住した移民の祖先が、北米大陸の先住民インディアンから土地や天然資源を奪い、それを元手に築き上げたものに過ぎません。そして、移民の祖先が作った今のアメリカ合衆国の独立宣言や憲法に謳われている自由や平等などの人権も、最初は白人にしか認められていませんでした。黒人やヒスパニックなどの有色人種には認められていませんでした。黒人は、自分が先にバスの座席に座っていても、白人が乗って来たら無条件でバスの座席を譲らなければなりませんでした。そう、かつて南アフリカで行われていたような人種差別が、米国内でも大手を振ってまかり通っていたのです。それに対し、黒人などの公民権運動によって、ようやく有色人種にも米国の市民権が認められるようになりました。しかし、今でも人種差別に端を発した暴動が都市部で頻発しています。
 今は米国領のテキサスやカリフォルニアなどの南部諸州も、19世紀の初め頃まではメキシコの領土でした。テキサス、カリフォルニア、ユタ、ネバダ、アリゾナなどのスペイン語由来の州名や、ニュー・メキシコの州名、カリフォルニア共和国(California Republic)と記されたカリフォルニア州の旗などは、その名残です。メキシコ領だったテキサスやカリフォルニアの住民の間に、メキシコからの独立の機運が高まり、米国は最初、独立運動を支援します。そして、独立を達成した途端に、米国領に併合してしまったのです。同様の手口で、米国はハワイを併合し、東南アジアのフィリピンも自国の植民地にしてしまいます。

 メキシコなどの中南米諸国は、独立は形だけで、実際は米国の経済植民地でした。経済の実権を握っているのはユナイテッド・フルーツなどの米国系企業でした。中南米諸国の事を指す「バナナ共和国」という言葉も、バナナ栽培を行うユナイテッド・フルーツに支配される国の状態を皮肉った表現でした。その中から、メキシコでは20世紀の初め頃から、その他の中南米諸国でも1930年代ぐらいから、米国の経済的支配から離脱する動きが高まります。メキシコでも、外国資本から奪われた土地や天然資源を取り戻し、国民の共有財産にしようという動きが強まります。それがやがて、メキシコ革命やボリビア革命、キューバ革命、チリのアジェンデ社会主義政権成立となって現れます。
 その中で、米国は反撃に出ます。その一つが先述の北米自由貿易協定(NAFTA)の締結でした。その協定の内容を一言で言うと、「輸出入にかかる関税をゼロにして、締結国の間では自由に貿易が出来るようにしよう」という物です。一見、もっともらしい内容ですが、経済規模の違う国同士で、完全に貿易を自由化してしまったら、一体どうなります?弱い国は強い国に飲み込まれるだけです。「自由」なのは強い国だけであって、弱い国は「奴隷」に甘んじるしかないのです。これの一体どこが「自由」なのか?そして、強いのは、その国が「公正」な競争の中で「努力」したからなのか?違うでしょう。元々、色んな先住民族が共存し合っていた土地に、いきなり白人の「不法移民」がなだれ込んできて、ゴールドラッシュや西部開拓によって、先住民の土地を奪い、奴隷としてこき使い、戦争を吹っ掛けて他国の領土を侵略し、天然資源を奪ったからじゃないですか。かつて米国が、戦争でメキシコ領を一方的に併合し、フィリピンを植民地にしたように。自分たちこそ、さんざん「不法移民」として他人の財産を奪っておいて、何を今頃になって被害者ヅラしているのか!
 既にNAFTAが締結された1994年に、メキシコで最も貧しいチアパス州の農民が、締結に抗議して、かつての革命指導者の名を冠した左翼ゲリラ、サパティスタ民族解放軍(EZLN)を結成して立ち上がっています。その他の中南米諸国でも、経済の自由化や規制緩和によって経済格差が広まり、それに怒った民衆によって軍事政権が次々と倒され、かつて「米国の裏庭」「バナナ共和国」と言われた地域も、今や反米左派政権だらけになりました。

 ただ、物事には何事にも両面があります。小麦やトウモロコシは米国産の方が安いですが、アボカドはメキシコ産の方が圧倒的に安いし、品質も良いのです。熱帯産果実のアボカドは、メキシコが本場ですから当然です。NAFTAで、メキシコから米国に輸出するアボカドにも関税がかからなくなった事で、今や米国で食べられるアボカドの8割がメキシコ産で占められるようになりました。メキシコも、「トランプがメキシコ国境に壁を作るなら、もうアボカドを米国に輸出してやらない」と息巻いています。
 そこで私も、アボカドを食べる事で、自分もささやかながら、メキシコを応援する事にしたのです。「México caída allí! Trump que no pierden!  メキシコ頑張れ!トランプなんかに負けるな!」と。でも、実は私、今まで一度もアボカドを食べた事がなかったのです。アボカドがブームになったのは、ごく最近だし、余り食べる機会もなかったので。すき家の「アボカド牛丼」位しか知らないし、今さら、それを食べる為だけに、わざわざ「すき家」みたいなブラック企業に行くのもバカらしいので。
 その中で、この前の休日に、難波の黒門市場を通りかかった時に、偶然、「サーモン・アボカド丼」のメニューを掲げたお店を見つけたので、そこで初めてアボカドを食べました。「森のバター」と言われるだけあって、非常にまろやかなお味でした。キュウリとマッカのちょうど中間みたいな食感でした。

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