ブログで先般告知していたように、3月18日午後1時半から中之島公園で開催された「職員・教育基本条例」反対の集会・パレードに参加してきました。主催者発表で約1500名が集まったとの事で、共産党の清水ただしさん(前府議)や小谷みすずさん(前市議)も集会に見えられていました。集会挨拶では教組や市職労の方が、府立和泉高校卒業式での民間人出身校長による「君が代」斉唱調査(ちゃんと口を開けて歌っているか否かまで監視!)の違法性や、強制で競争を煽るだけの教育基本条例の中身が、悉く失敗に終わった米国教育改革「落ちこぼれゼロ法」の轍を踏むものでしかない事を訴えられておられました。
集会の後は2時15分から、中之島・淀屋橋から本町・心斎橋を経て難波までの御堂筋を、「職員・教育基本条例」反対・撤廃を訴えてパレードしてきました。パレードは4梯団に分かれ、私は「個人・教組」中心の第3梯団に加わって歩きました。ここ数年間は、もっぱら無党派・市民団体のサウンド・デモや脱原発デモに参加する事が多かった私ですが、久しぶりの共産党系デモ(パレード)への参加という事で、生協職員で共産党員だった当時を思い出し、感慨深いものがありました。
その一方で、生協も党も辞めて×年経て、ある程度外から客観的に見れるようになるにつれ、中にいた時には気付かなかった事も、次第に見えてくるようになりました。たとえば、その1週間前の脱原発デモと比べると、「職員・教育基本条例はやめて~」「学校間格差を広げないで~」と唱和するのみで、「原発にミサイルが当たっても大丈夫やて?」「え~、それは無茶苦茶でっせ無茶でっせ」といったノリの「掛け合い」がなく、私としては物足らないシュプレヒコールでした。プラカードも、画一的で手書きのものが少なかったりという事に若干不満が残りました。橋下人気の根強い大阪での政党系列のデモなので、参加人数が脱原発の時よりも少ないのはある程度致し方ないにしても、それでも、もう少し創意工夫があればまた違うのにと思いました。
ただその中で気を惹いたのが、「中学校給食も小学校と同じように」というコール。私も中学時代は弁当持参が当たり前で、学校給食なんて想像もつきませんでしたが、後で調べたら、中学校給食実施率7.7%(断トツ最下位)の大阪の現状の方がよっぽど異常だったのですね(全国平均81.6%、いずれも2009年文部科学省データより)。私も偉そうな事を言っておきながら、自分が如何に「井の中の蛙」で「何も知らないまま奴隷として飼い馴らされてきたか」、この一事で以ても思い知らされました。
しかし、そのように工夫が求められながらも、「やっぱり流石」と思ったのは、職員・教育基本条例について、以前のように単に「日の丸・君が代」の歴史観強要や思想調査、思想信条の押し付けだけを強調するのではなく、それが競争教育や学校間格差の拡大、政府・財界にとって都合の良い人間作りへの「地ならし」「抵抗封じ」として導入されてきたものである事を、参加者がほぼ全員きちんと見抜いていた事です。それはプラカードの以下の内容からも明らかです。
「独裁はイカンぜよ!」とハシズム(ファシズム)をストレートに批判したプラカードも勿論ありましたが、それ以上に目を引いたのが、ハシズム(ファシズム)で学校や暮らしがどうなるかを、「大阪の子ども泣かしたらあかん」「できる子<だけ>が大切にされる」、「住民の声より上司が大事」な「知事・市長いいなり職員作る」という形で、具体的に分かりやすく説明したプラカードが目についた事です。そこまで言わないと、ただ「独裁はイカン」だけでは、「今の政治を変えるには独裁も必要だ」という橋下の論法を打ち破る事は出来ないのです。
今日もニュースで、読売新聞社主のナベツネや自民党総裁の谷垣が橋下をヒトラーになぞらえ、それに対して橋下が、「マスコミを牛耳っているナベツネこそ独裁者じゃないか」と言ったとか言わぬとか、いつものように騒いでいました。しかし、幾ら言葉の上で独裁だのヒトラーだの騒いだ所で、実際にそれが「権力をカサにきての庶民イジメ」である事を具体的に指摘しなければ何もなりません。それをせずに、単に言葉を弄んでいるだけでは、せいぜい「ナベツネも橋下も、どっちもどっち」にしかならず、「どっちもどっちなら、若くて勢いのある橋下に期待する」という結論に終わってしまうだけです。
そして、近鉄難波駅前の阪神高速ガード下で「日の丸」掲げて喚いていたバカ右翼のように、「独裁批判」を「ごね得」「負け犬の遠吠え」と謗る輩を逆にのさばらせる事になってしまうのです。その橋下マンセーのバカ右翼こそ、学力テストでまともに点も取れずに(特に世界史・日本史のテストは)、「安上がりで何でもお上言いなり」の「労働者」兼「兵士・弾除け」として、国家や資本家に好いように酷使され使い捨てられるだけなのに(はげわら)。
その中で特に目を惹いたのが、デモの流れ解散地点で高校生の有志が撒いていた以下の漫画ビラ。教育予算カットに抗議して立ち上がり、橋下の罵倒にも負けずにその非を追及し、当時ニュースにもなった高校生たちが作ったビラを、最後に紹介しておきます。PCがウィンドウ7仕様になり、それまでのスキャナーが使えなくなったので、ビラの携帯写真だけでは分かりにくいかも知れないと、念のために「テロップ」も付けました。
「独裁」「ハシズム(ファシズム)」というのが具体的にどういう事か、そんなものに期待する事がどんなに愚かな事か、ミーハーな橋下支持者は特にこれを読んで、自分のお子さんや生徒の境遇に思いを馳せるべきでしょう。橋下に虐げられるのは「リア充公務員」「エリート学者」なんかではなく、「非エリート」で貧乏な庶民だという事も含めて。
何がしたいの橋下さん?! ~教育基本条例案~ by 笑顔の会
1:2008年 橋下知事当選 宣伝文句は「大阪の子ども達に笑顔を」 けれど・・・→(2コマ目へ)
2:当選後すぐに「私学助成10%カットします」「定時制高校の教科書無償化を廃止!」
私達子どもに笑顔をくれるんじゃないの?!
3:このままでは私達の「学ぶ権利」が奪われてしまう!!そこで大阪の高校生が立ち上がりました。それが「笑顔の会」です。
4:たくさんの人にこの事実を知ってもらうためにビラを作ったり、署名活動をして・・・
5:その署名を教育委員会に手渡し、橋下知事との対話もニュースで取り上げられた程です。
6:私達高校生の力は国や府を動かし、公立高校の無償化や私学助成金の増額を実現しました。
7:2011年、大阪に激震が!! 「大阪の教育を変える」と「教育基本条例」を提案
「政治は独裁だ」「教育は2万%強制」 その内容とは??→(8コマ目へ)
8:3年連続で定員の集まらない学校は統廃合。つまり学校を壊して定員割れの学校同士を1つにされてしまいます。
9:2年連続D評価になった先生はクビに。それは、生徒のために頑張っている先生程、D評価になりやすいのです。
「俺の言うことを聞かない教師はクビだ!!」
10:3年前に9学区から4学区に減らし、さらに学区廃止へ。競争をさらに強化!!
「学区撤廃!学校同士で競争しろ!!」「学校は競争させるだけの為の場所なの?!」
11:橋下市長や維新の会の言動などに不安を抱いている人も多くいます。
府民「本当に大丈夫かしら・・・」 学生「安心して学べないよ!」 教師「子どもに安心して学べさせられない」
12:私たち「笑顔の会」は「教育基本条例」に反対します。ぜひアンケートにご協力下さい。
「学校って楽しい!」「条例なんていらないっ!」 本当に笑顔の大阪に!
連絡先 大阪の高校生に笑顔をくださいの会 ×××(カタカナで代表者の姓):090-××××-××××
※蛇足ですが、今回の数日前には以下の催しもあったのですね。私は生憎仕事で参加できませんでしたが、私としては、こちらのノリの方が性に合っていたかも。
・【拡散熱烈歓迎!】『3・16 OCCUPY中之島 ~橋下さん!大阪をNYにするってこういうことやっ!!~』(大阪全労協青年部 どん底!!)
http://ozspring.blog40.fc2.com/blog-entry-78.html
・大阪全労協、大阪労連、国労、全港湾、連帯など7労組が枠超えて共闘(【堺からのアピール】教育基本条例案を撤回せよ)
http://blog.livedoor.jp/woodgate1313-sakaiappeal/archives/4140357.html
確かに「共産党系」デモということで、面白さや参加のしやすさの追求という面、あるいはアピールの仕方など、プレカリアートさんのご指摘どおりかもしれません。とはいえ、貴重な報告、ありがとうございました。
生協をやめた経緯についても、別エントリーで公開していたと思うので、そちらも是非お読み下さい(申し訳ないが出勤間際の投稿ゆえURLを呈示している暇がありません)。労働者の過労死や搾取に対する怒りの諸エントリーも、当時のような事はもう二度と味わいたくないし、他人にも味あわせてはならないという私の思いから来ています。