アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

むしろブラック企業の捕食者たれ!

2020年01月21日 22時42分46秒 | 職場人権レポートVol.3
  
 
マンガでわかる 心理学的に正しいモンスター社員の取扱説明書」という本を、たまたま本屋で見つけて立ち読みした。内容はモンスター社員との接し方を漫画で分かりやすく解説した物だったが、正に目からウロコ。何故なら、この本で取り上げられているモンスター社員が、ことごとくウチの会社の社員やバイトにそっくりなのだ。漫画の舞台は家電メーカーの営業部で、私の勤め先であるスーパーの物流センターとは畑違いだが、モンスター社員のキャラクターを見ると、まるで私の勤め先について書かれているような気がする。例えば…
 
キャラその1 マウンティング女子

俗に言う「お山の大将」。自分に自信が持てないコンプレックスを弱い者いじめで誤魔化そうとする。マウンティングするのは女子だけとは限らない。狙われるのも弱い奴だけとは限らない。周囲とは違う私みたいな一匹狼タイプも、お山の大将への脅威と見なされマウンティングの対象になる。これで、私が前のバイト先で、訳もなくいきなり暴力振るわれたり、今の配属先で、労災事故に付け込まれ損害賠償吹っかけられた(後で詳述)理由がようやく分かった。

キャラその2 クラッシャー上司

部下をクラッシュ(潰す)してしまうパワハラ上司。上司だけでなく先輩や同僚の中にもいる。細かく分ければ幾つかの類型に分類出来るが、そのどれにも身近な人物がいる。パワハラ爺の平〇、陰湿社員の井〇、私の婚活なのに自分が家族の輪の中にいる写真を私のプロフィール集に強引に載せようとした自己チュータイプの俺の親父など。
 
 
 
キャラその3 依存性パーソナリティ

これは、何でも人任せで、自分では何もしない、出来ないタイプの人間だ。ウチのバイトで言えば野〇が一番分かりやすい。

しかし、漫画のキャラになぞらえるなら、野〇よりもむしろ深〇の方がピッタシかも。何故なら、漫画に出て来る依存性キャラは、先輩OLに甘えるばかりの新米OLなのだから。この新米OLは女性で愛嬌も良いから、クラッシャー上司からも大目に見てもらえている。

それなら根暗野郎の野〇よりも女性の深〇の方がピッタシだ。深〇も仕事の知らなさについては相当なものだ。昨年末の社員食堂で先輩バイトの八〇君に「3便ってなあに〜?」と笑顔で聞いていたのを横で聞いた時には、私も流石に耳を疑った。

3便というのは年末の数日間にだけ組まれる臨時便の事だ。通常なら、1日の配送便は、早朝に出る1便と正午過ぎ出発の2便だけだが、荷物が増える年末繁忙期だけは、それに夕方出発の3便も加わる。物流センターのバイトも、それに間に合うように出荷作業を進めなければならない。それ位の事はレギュラーのバイトなら誰でも知ってなけりゃならないのに。

でも、深〇は天然キャラで愛想も良いので、そんな事言われても意外と角が立たない。これには八〇も苦笑していた。野〇も、依存性キャラから卒業出来なければ、せめて深〇を見習うべきだろう。
 
 
 
キャラその4 社内プレデター

モンスター社員の中でも一番やっかいなのが、このタイプのキャラだ。映画に出てくる「プレデター」は宇宙人や怪獣を指すが、ここでは他の社員を食い物にする「捕食者」の意味で使われている。周囲の人を利用する存在としか見なさない。このタイプに目をつけられたら最後、とことんカモにされる。

上司にゴマすり取り入るのも上手いので、一見「デキル人」のように思われがちだ。以前この会社にいたバイトの宮〇や西〇もそうだった。彼らの中には、実際「やり手」も少なくないので、一部を除き上司の受けは良かった。宮〇なぞ、日常の定型業務については、自分がまるで社員であるかのように振舞っていた。

もう7年前の事だが、内装工事中の作業場で、工事で前方が見通せない為に、運搬中のドーリー(台車)を、私が前にいた宮〇の後ろ足に誤って当ててしまった事があった。宮〇はそれを根を持ち、危険な作業を強いた会社にではなく、私に治療費を請求して来たのだ。会社が私の過失を口実に労災保険金の給付を拒否して来たからだ。しかし、そんな事言い出せば、過労死すら労働者の体調管理のせいにされてしまう。この時も、私が頑強に宮〇の賠償請求を拒否したので、最終的に労災として処理される事にはなったが。

西〇も、皆んなの前では盛んに会社の非をなじりながら、裏では私の組合活動(業務改善をビラで訴えていただけだが)を会社に密告しやがった。二人とも、上にはペコペコし、下には偉そうに振る舞っていた。仕事は出来ても人間的には最低な奴らだった。だから、最後には皆んなから嫌われ職場に居られなくなった。

実は松〇というバイトにも、宮〇や西〇ほどではないが、彼らと似たような所がある。彼もこう言っては失礼だが、意外と学があり仕事も出来る。現に、私がピンチヒッターとして彼から和風ドーリー部門の作業を引き継いだ時も、仕事の教え方はそれなりにポイントを押さえ的を得たものだった。この様に、社内プレデターには、「ある程度」仕事が出来る人間も少なくない。

でも彼も所詮はプレデター(捕食者)に過ぎない。他人を利用し、自分の餌食にする事しか考えない。利用価値が無いと見なした物は、たとえ仕事であろうと露骨に手を抜く。だから応援先ではトラブルメーカーに豹変する。例えば、農産PCの仕分け作業でも詰め合わせを全くやらない、和風DASラインの仕分け作業でも、ドーリーに店名ラベルも貼らず他の店のカゴに誤積みしてしまう等、信じられないミスを連発する。

そのような人物とも、社内では同僚として付き合って行かなければならない。「仕事では当てにしても人物は信用するな。適度に距離を保て」というのが、社内プレデターの正しい取り扱い方だと、この本では解説していた。
 
 
 
この漫画からは他にも多くの事を学んだ。

例えば、ライバル会社とも新製品開発で共同プロジェクトを組まなければならない中で、自社のクラッシャー上司である課長(西田)さえ、ライバル会社のプレデター部長(井上)に翻弄されて手も足も出ない場面が、漫画の中に出てくる。その中で、ライバル会社の井上部長が、自社の女性主任(橘)を交渉役に指名して来る。前夜の商談で、この橘主任にコテンパンにやられたのを根に持って、井上が報復に出てきたのだ。

実はこの橘主任も、頭は切れるが典型的な社内プレデターだ。このままではプレデター同士の潰し合いで、プロジェクトそのものがご破産になりかねない。

そこで、主人公の平社員OL(梶山)が、専門家の心理学者(御門教授)のアドバイスで、ライバル会社の取締役(大塚)も交渉に引っ張り出して来る事を提案する。橘への復讐への念で頭が一杯の井上ではなく、冷静な判断が出来る大塚取締役との交渉に持ち込む為だ。

交渉の場では、頭の切れる橘が、次々と奇策を繰り出す。本来なら社外秘である筈の取引先の情報まで公開して、取引先の共有すら持ちかけたのだ。今回の共同プロジェクトを通して、互いにライバルとして潰し合うよりも、協力し合って取引先を育成する事で、互いが利益を得るようにしようと説得したのだ。

それに対して、井上は相変わらず揚げ足取りに終始したが、大塚は橘の説得に応じて逆に井上を諌め、プロジェクトは見事合意にこぎつける事が出来た。
 
 
この交渉術を心理学用語では「ABXモデル」と言うのだそうだ。A(橘)・B(井上)という対立関係に、第三者のX(大塚)を介在させる事で、冷静な判断を引き出し、井上の復讐を封じようとしたのだ。

これを見て、間口のHPもそうではないかと思うようになった。私はあくまで会社の為に業務改善提案を続けている。しかし、マウンティング社員やクラッシャー上司、社内プレデターなどのモンスター社員からすれば、私は「目の上のたんこぶ」に過ぎない。これが昔の私なら、「空気が読めない異端児」として、モンスター社員に翻弄されるしか無かった。

しかし、労働条件改善の為に1人でも入れる労働組合に加入し、周囲にもビラを配り、非常勤のオバちゃん組合委員長とたった2人で団交に参加し、ブログも運営している事を知った会社は、このままでは私から返り討ちに遭うと危惧するようになった。

だから、さり気なく会社HPの苦情コーナーに私を誘導するようにしたのではないか。「あいつの事だから、この苦情コーナーの存在にも気が付き、やがて食らいついて来るだろう」と。

いわば「ガス抜き」だ。私はその「ガス抜き」に「まんまとしてやられた」と言う訳だ。自分でも、かなり買いかぶった見立てだと思うが。あながち有り得ない事でもないと思う。

でも、私はそれでも良いと思っている。たとえガス抜きでも、それで労働条件が少しでも改善されるなら。今まではガス抜きすら許されなかったのだから。

これも苦情コーナーをXとして介在させる「ABXモデル」だ。会社への不平不満タラタラの私(A)と会社(B)の間には対立関係しかない。ところが、その間に苦情コーナー(X)を設ける事で、苦情を改善提案に変えようとしたのだ。これなら両者ともウィンウィン(互恵)の関係となる。
 
ただ、この漫画を読んで気になったのは、何だかんだ言っても、結局は「やり過ごす事に主眼が置かれているのではないか?」という点だ。

勿論、やり過ごす事も重要だ。会議室で1人クラッシャー上司に虐められている同僚に、「取引先から電話がかかって来ている」と嘘ついて、とにかく外に逃がすやり方など。緊急避難としては有効な手だ。

しかし、「やり過ごしている」ままでは、いつまで経っても事態は好転しない。それは今の安倍内閣を見れば分かるだろう。今の安倍内閣なんて、ヤクザの麻生筆頭に、プレデターだらけではないか。そんなプレデター内閣に対し、モリカケも「桜を見る会」疑惑も、ただ「やり過ごす」だけでは、一向に不正は無くならない。時には敢えて火中の栗を拾ってでも、対決しなければならない時もある。

ブラック企業への対処の仕方もそれと同じだ。高橋まつりさんを過労死で死なせた電通に対し、ただ「やり過ごしている」だけでは、過労死は永遠に無くならない。ブラック企業なんて、むしろ積極的にプレデート(捕食)されるべきだ。そこまで考えた上で読むなら、個々の心理学のテクニックを駆使したこの漫画は、大変参考になる。

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