気まぐれ日記☆着物の小部屋

2007年耳下腺癌の手術で顔が変わり、生活が一転。街歩きと着物と芝居のブログをどうぞ宜しく♪

ある女性の話

2011-01-20 10:55:49 | 病気・後遺症

 松も取れ、正月気分も薄らいだ頃、見知らぬ方からの手紙を頂いた。

差出人の横に小さく、Kの妹と書いてあった。

これを見て、「ああやっぱり・・・」と言う気持ちと

「お疲れさまでした」「今まで有難うございました」と言う気持ちと

残念で仕方ない気持ちが交差し、封筒を開ける前から涙がにじんできた。

 

この方はちょうど4年前、病院で同室だった方。

私は手術5日前から入院していたが、心に余裕がなく、同室の方二人と親しく言葉を交わすこともなかった。

でも二人は私と先生とのやり取りなどから、手術後顔半分がひどい状態になる事も知っており、

手術室に向かう私を激励してくれた。

手術後いったいどうなるのか・・・・恐怖に恐れおののく私にかけてくれた言葉。

もうお二人とも亡くなられたが、この時の優しい、心のこもった激励は忘れられない。

        

今でも大事にしている 私が手術室に向かう時に頂いた手紙。

Kさんは顎のガンの再発に継ぐ再発で、ほとんど顎の骨がなく、

口から食事することもできず、喋ることもできなかった。

手術後なかなか傷口がふさがらず、8ヶ月も痛みに耐えていらした。

そしてもう一人の方も半年の入院生活で大変な状況なのに、尚、人を励まし続けてくれた。

昨日のことのように思い出す出来事だ。

そして私が集中治療室から出てくると、エッチラオッチラとしか歩けない3人は、

夜のお散歩と称して病院の廊下を歩いた。

途中看護婦さんに声をかけられると、Kさんは嬉しそうにササッとメモに 「3人姉妹よ」と書いて目で笑っていた。

筆談と目とジェスチャーが素晴らしく、コミュニケーションを取るのが上手だった。

きっと元気な頃は明るいお喋り屋さんだったのだろうと想像された。

 

そして退院後、偶然が重なり病院で何度も彼女に会うことができた。

そして知ったのは彼女のすさまじい闘病生活。

55歳で発病し、70代になるまで何回も再発。

さらに今回の入院ではご主人が急死され、自営業のため後始末をせねばならず、

集中治療室を出てすぐの彼女が家に帰り始末をされたそうだ。

お子さんがおらず、でも甥っ子姪っ子さんたちが優しく、

役所の方も何くれとなく面倒を見てくれる様子なども嬉しそうに教えてくださった。

そして少量の薄いワインも楽しんでいることも

彼女の、いろいろな機能を失っても尚、人と関わろうとする積極的な姿勢にいつも刺激され、

励まされていた。

一昨年は数回会うことができたが、去年は年賀状だけのやり取りとなってしまった。

なんだか力のない感じで「元気にしてます」と言うお返事があったきりで、そのままになっていた。

以前に再発のことを聞いていたのでとても気になっていた。

 

昨年9月、74歳の生涯を静かに閉じられたそうです。

「19年間の病との戦いでしたが、姉の前向きと頑張りで最後まで退院できることを願っていました」

とお手紙にあり、最後は耳、目も見えなくなり、筆談もできなくなって淋しかったと

妹さんが書いてらっしゃいました。

優しい妹さんです。そしていいお姉さんだったのでしょう。

彼女から力をもらった方はたくさんいらっしゃると思います。

ご冥福をお祈りします。

 

静かな話となってしまいましたが・・・・・

昨日は3ヶ月ぶりの検診日。

9時半に肺のCT、その後頭頚科、眼科、形成外科。

この病院は患者にPHSを持たせ、効率的に診察するので、ほとんど待つことがない。

病院に入ったら次はここ、次はそこと次々呼び出されとても忙しいが、早く終わる。

9時半に始まり11時半に終わってしまった。

でも眼底検査までしたので、瞳孔が開ききってしまい、動くと気分が悪く、とても疲れた。

その後夫と浅草に行く予定だったが早く帰った。

 

形成外科の先生 「口がな~、もう少しここを引っ張ればばよかったな~」と言う。

そして 「あれから、同じような手術結構やったよ。今は上手になりましたよ~」なんて言う。

そうか~、私のときは初挑戦だったから、失敗だったって事?

まあ、憎らしいこと!!

ハハッ まあ私は試行錯誤の途中だから、多少の事は我慢しましょう。

それよりも普通に見えるように頑張ってくださったこ事、忘れません。

 

病気発見からちょうど4年たちました。

検査結果は良好で、元気でいられることに感謝です。

これからも、何があっても明るい気分で世の中を渡っていく事でしょう。

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15 コメント

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頑張りを見習わなくっちゃ! (ラッシーママ)
2011-01-20 21:37:52
自分が病気になった時、人様からの優しさが心に滲みます。
二人の病室にいらした方から頂いた激励の手紙
宝物ですね。

病院に行くと、自分より凄い人が頑張っている
のを見ると、その方から勇気を貰えますね。
銀河さんに勇気を与えてくれた人、19年間もよく頑張られました。
自分で辛かった分、人に優しく出切るのでしょう。

銀河さんは先に亡くなられた二人の分を、充分に楽しんで下さい。
それも二人に対してご供養だと思います・・・

4年経っても異常が無くて良かったです
これからも付き合って下さいね。

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筆談 (bonji)
2011-01-20 23:41:14
そんなドラマチックなお話、
そして励ましていただいた、
筆談のお手紙、
銀河さんは大事にとっていらしたのですね、
ジーンときました、
強い方だったのですね、
壮絶な闘病生活だったことでしょう、
銀河さんは
パワーいただいたのかと思います。

あら!!先生初挑戦でしたか!
でも銀河さんやっぱり!
チャーミングですよ・・・・・

          bonji
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Unknown (peromama)
2011-01-21 07:09:06
銀河さん

辛い思いをしていても、お互いに慰め励ましあうこと、素晴らしいと思います。

お亡くなりになったお友達本当に壮絶な最期でしたね。残念でした。。。

銀河さんの、健康を祈り

フレーフレー!!!

銀河さん&癌と、戦う方々へ。

私も、躁鬱病で一生薬はいるんです。

私も頑張ります。

お母様によろしくお伝えください。

横浜のファンが、お母様のこと大好きですよって!!!
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Unknown (だんだん)
2011-01-21 10:42:12
不覚にも涙が流れました。
大病による、絶望の淵から這い上がる友達の絆。
普通の手術とは違うから、想像することも僭越な気がしました。

最期まで戦った方の、ご冥福を祈ります。
銀河さんの回復は、前向きな姿勢も大いに力になったと思います。
出雲のブログ友達が、暮れに癌手術しました。
神戸のブログですが…
大雪で伯備線が運行出来ず、術後診断に行けずです!
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Unknown (だんだん)
2011-01-21 10:53:43
スマートフォンに慣れるため、打
ち方レッスンしてます 。
アララ、やっぱり間違えた!
ブログではなく
、病院です(- -;)
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激励のお手紙 (lily)
2011-01-21 19:12:34
手術前に心のゆとりのなくて口も交わしたことのない人が手術室に向う銀河さんにこの「激励のお手紙」本当に宝ですよね。
妹さんのお手紙でKさんは最後まで退院できると頑張ったとのこと。
素晴らしい方でしたね。

銀河さん、元気でいられること幸せですね。
手術を執刀なさった先生が冗談をいえるのは銀河さんが元気になられたことの証明だと思います。
健康はあり難いですね。

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Unknown (ビオラ)
2011-01-22 21:34:23
19年にも及ぶ壮絶な闘病生活をされながらも
常に前を向き
明るくされていたというKさんは
同じく大病をされた銀河さんには大きな心の支えだったことでしょうね
辛い別れの知らせに接した時のお気持ちはいかばかりだったろうと
こちらまで胸が詰まりました
Kさんのご冥福をおいのりします
検診日での先生の軽口も銀河さんがもうしっかり立ち直れたとの事からでしょうね
何があっても明るく暮らすとおっしゃる銀河さんにエールを送ります。
返信する
ラッシーママさん (☆銀河☆)
2011-01-23 19:32:44
ブログに書いていいものか迷いましたが、
こんな方もいらした事をどうしてもお知らせしたくて書いてしまいました。

深い優しさは、側にいるだけで伝わってきます。
そして、病気に苦しんでらっしゃることも伝わってきます。
ずっと葉書の交換をしていたのですが、
だんだん間があくようになり、負担かなと思いやめました。

私が明るくいられたのは病院で大変な状況なのに絶望せず
明日への挑戦をしていらっしゃる方たちを見てきたからだと思っています。

今はラッシーママさんのほうがずっと大変です。
大変お互いに健康を大事にしていきしょうね。





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bonjiさん (☆銀河☆)
2011-01-24 00:38:11
 本当にドラマチックなお話を聞きビックリでした。
病気が彼女の人格をさらに深いものにし崇高な感じさえしました。

そしてもう一人の方とは退院後、癌仲間の数人で数回ランチしました。
やはりドラマがありました。

精一杯生きてらっしゃる方から、
大きなエネルギーをもらったと思います。
だから、暗い人生送るわけにはいかないし、
明るく明るく・・・・です。

先生は私でいろいろ初挑戦していました。
今はもっと上手なんて言われると
ちょっと残念だけど、まあ仕方ないわ~
てゃー民具なんていわれると嬉しい♪
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peromamaさん (☆銀河☆)
2011-01-24 00:45:21
 普通に生きているのに、大変なことがいろいろおこりますよね。
病気の事もあれば経済的なこともあれば、家族関係だったりね。

本当に、一人では生きられない、お互い支えあっているのがよくわかりました。

病気になってから、思いがけず2つのグループと親しくなりました。
一つはブログのお仲間ともう一つが癌仲間。
いつもではないけれど時々心のうちをさらけ出すことができるのはラッキーです。

母のファンで有難う。また母の登場がありますので宜しくね。

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