小朝日岳から大朝日岳へ
は3年ほど前から山スキーMLに参加させてもらっていますが、皆さんの最新の山行記録といろんなコメントが投稿されており、大変興味深く参考にさせてもらっています。
その中で昨年11月に投稿された金沢の開業医、早川先生の次の様なのコメントが有ります。当たり前といえばそうですがそこが大事な事と考え、短いながら本質を突いたポイントと思い引用させて頂きます。
早川先生は山スキーヤーの中では大変著名な方で、かなりハードな日帰り山行を実践する、豊富な経験と技術、体力ともに抜きん出た方です。
私は幸いにも山スキーでは雪崩に巻き込まれた経験はなく、実際その時機敏に対応できるかどうかは別ですが、早川先生の記録では時々このような場面に遭遇し、実際雪崩から逃れることが出来ているようです。
【早川先生のサイト】
「YASUHIROのマウンテンワールド」
http://w2222.nsk.ne.jp/~turu/
【投稿コメント】
こんにちは三浦さん 早川@金沢です。
いつも先鋭的な滑降記録楽しみに拝見させて頂いています。
このたび危ない場面でしたね。折角の問いかけですので三浦さんに対しておこがましい気もしますが僕が普段考えている雪崩対策について少し触れてみます。
過去の登山史を見ても明らかなようにどれだけ優れた登山家もほとんどが雪が原因で命を落としています。雪だけはどれだけ深く考えてもどうしても勝てない人の予想を遙かに超えた自然現象だと思います。これがまず大前提です。
ここ最近深沢君とコンビを組むことがほとんどですがパウダーを楽しめるような斜面では正直いつ雪崩れてもおかしくないと考えています。だから事前の弱層テストなどは少しの参考程度でそれほど大きく重視していません。それよりもどこを滑る場合でもここで雪崩れる可能性はあるかも知れないという大前提に立ってもしここで雪崩れたらどう回避するかと言うことをいつも考えて滑っています。
だから二人で斜面に入る場合はまず絶対一緒に入らない。たとえば深沢君が先に斜面に入るなら常に僕は上で監視しています。滑っている間は上からの雪崩には無警戒ですから声の届く範囲で緊急事態が伝わるようにしています。先に滑るものは常に安全地帯まで滑って、上から雪崩れても回避できる場所で待避して次に上から滑るものを監視します。だから滑る場合は大体交互に行くことになります。
このように互いに厳しく監視しあって万が一雪崩れてもすぐに逃げられる体勢をとって万が一の時もすぐに救助できるようにしています。だからガスで視界が悪い時は特に注意して互いが監視できる視野の場所までしか滑らないようにしています。
また上に人がいる場合は雪崩の原因になる可能性がありますので特に気を付けるべきだったと思います。厳冬期に山で人にあうことはまず無いですが。
過去にこの監視システムで何度も危機を逃れることができました。滑りも大切ですが互いを監視しあって絶対二人が一緒に流されないように最前の注意を払っていますす。雪にいったん埋まると自力での脱出はまず不可能ですから。
この場所で雪崩れた場合どう回避するかと言うことを常に考えながら行動する。これが僕たちの基本的なスタンスです。それからビーコンを付けておくことは大切ですがその次の段階の蘇生術をきちんと実践でマスターしておかなければまず埋もれた仲間を救うことはできません。これはかなり重要な要素だと考えます。浄土山の死亡事故の場合20分で救助したとのことですが蘇生術が正しくなされたかどうかとても気になりました。
まあパウダーを楽しみに山に入る場合常に雪崩と表裏一体の関係になりますからそこのところをよく考えてきちんとしたパートナーと行動することは大切だと最近強く感じるようになりました。以前は単独メインでしたが。単独の場合はまた違う行動パターンがありますがここでは敢えて触れません。
あまり参考にならないかも知れませんが一言感想を述べました。