東北アルパインスキー日誌 ブログ

東北南部の山での山スキー、山歩き、山釣りなどと共に、田舎暮らしなどの話を交えながら綴っています。

これも地球温暖化?

2007年06月04日 | 林業

今回は山菜取りの終盤戦となるフキ取りに早朝出かけた。場所は毎年まとまった収穫の出来る、扇状に斜面の広がった杉の植林地で、1時間半で12.0kgをむしり取って満足感に浸る。杉の木が生長するに従って勢いは落ちてくるが、土の養分が集まる下部では太くて長く、斜面が湿潤な為柔らかくて上物が揃っている。

そんな気分で植林地を登って行くと驚いた。樹齢80~100年位になる杉の木が8本程、途中で折れたり弓なりになって裂けている姿だった。ここは長伐期のそろった良木揃いで、中でも自慢の大切な林だった。折れた木は無残な光景で、大きく裂けた弓なりの杉は鋭い悲鳴を上げ、まるで何かを訴えているようだ。

今年は7年前の雪害の時とは異なり、60~100年位の木に被害が多く、その殆どは東斜面の上部に集中している。7年前の同時期の雪害の原因は積雪150cmのドカ雪だったが、今度のケースは12月の後半に雪が60cm降り積もったのみだが、その雪は今までに無い様な湿った雪だった。その時は西風が重い雪を東斜面に運び、それに耐え切れなくなった木が幹から折れたと思われる。もともと杉の木には雪への防御能力が有り、寒くなると水分は少なくなって幹が硬くなり、雪の重みに耐えて冬を乗り切る。しかし今シーズンはその備えが整わないまま、突然の雪から守るすべがなかったと思われる。流石に85歳になる年寄りも始めて見る光景で、驚きとと共に大きな落胆を味わう結果となった。

今、地球温暖化が全世界的にクローズアップされているが、殆どは50~100年後の心配事として我々にまり実感はない。しかし山林を守る為に手入れを行ってきた立場からすると、どうしようもない自然の変貌が身に迫っている様に思える。100年以上も手を掛けて立派な木に育ててもそれを失う時は一瞬で、大自然の猛威にはまったく対処のしようがない。これから叉同じことが繰り返されると、雪国の山林は本当に困った事になってしまう。

コメント
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