雨宮智彦のブログ 2 宇宙・人間・古代・日記 

浜松市の1市民として、宇宙・古代・哲学から人間までを調べ考えるブログです。2020年10月より第Ⅱ期を始めました。

新・本と映像の森 137 小沢さとる原作、アニメ「青の6号」(全4巻) <再録>

2018年05月23日 22時37分22秒 | 本と映像の森


新・本と映像の森 137 小沢さとる原作、アニメ「青の6号」(全4巻)
<再録> 20180523

 小沢さとるさんの傑作マンガ「青の6号」の現代アニメ化です。3回書いたのを一挙掲載します。

マンガよりアニメの方が世界観的にも作品的にも、まとまっているし、よくできていると思う。

 作者は、いつでも中途半端に中断しちゃうから。「サブマリン707」も潜水空母「アポロ・ノーム」が強奪されて海中に潜っちゃうとろで終わってるからね。

 まず第1巻。

「本と映像の森 110 小澤さとる原作、アニメ『青の6号 1』(全4巻)
2010年12月14日 06時16分35秒 | 本と映像の森

 小澤さとるさんは、マンガ「サブマリン707」が代表作でしょうか。
 このアニメ「青の6号」の原作マンガも傑作だと思います。
 (原作マンガより、このアニメの方がいいかも知れません)。
 
 何が原因なのか、わかりませんが、海面が上昇して、東京などの大都市が海になっています。
 (つまり、安部公房さんの「第4間氷期」のシチュエーションです)。

 このアニメも、国際機関「青」の日本潜水艦「青の6号」から離脱した「はやみ」に復帰を促す、
 青に属する少女から始まります。

 海面上昇の世界で「青機関」を裏切り、海で生きられる「海底人」の世界をつくる
 ゾーンダイク博士と、地上人たちとの、戦闘と葛藤が展開されます。

 最初から、海底人たちは「青の6号!」と言ってますから、どういう怨念なのか、わかりませんが。

 第1巻は、青の6号と、ムスカ(クジラ改造生物?)と対決です。
 原作マンガでは、たしかムスカは海底人の潜水艦だったと思いますが。

 はやみが青の6号に乗り込んで、少女に聴きます、
 「なんで、そんなにがんばる」
 少女は「わたしの町はいま海の底よ」と答えます。

 戦闘のあと、はやみは、破壊した海底人の「くも」からでてきた海底人の少女を
 なぜか、「殺すな!」と叫び、海へ帰して、救います。
 
 海水に浸した海底人の少女と、はやみが見つめ合うシーン。
 やばいですね、はやみ!惚れるなよ!

 このシーンが、このアニメの中核部分ですね

 はやみ「あれは何だ」
 少女「化け物よ、ゾーンダイクの生み出した」
 はやみ「なにが、なにが、始まろうとしている」
 少女「私たちを根絶やしにするつもりよ」

 第1巻のエンデイングは、海底人の少女が、深く、深く潜っていく
 シーンと海底人の少女の切ない歌、いいですね!]

 以下、第2巻

本と映像の森 111 小沢さとるさん原作、アニメ「青の6号 2」(全4巻)
2010年12月15日 05時16分52秒 | 本と映像の森
本と映像の森 111 小沢さとるさん原作、アニメ「青の6号 2」(全4巻)

 アニメ「青の6号」の第2巻は、ムスカを倒したあと、突然、海底人の「幽霊船」に青の6号は砲撃されます。
 
 東京基地は潰滅、
 青の6号は、秘密の「本局(ブルードーム)」へ向かいますが、幽霊船に追尾されています。

 はやみ「失うことが怖いなら、金庫にでもしまっておけ」

 海底人の若い司令官「今は祈る時じゃない!」

 青の本局の管制コンピューターは「のぼ0001」

 青機関は地軸を動かす「ポールシフト」を起こすゾーンダイクの南極基地、ストリームベースを破壊する作戦をたてる。
 司令官のことば「生か死か、この作戦に失敗すれば未来はない」

 こういう言い方って、なんか、黒か白かで、あんまり賢くないですよね。
 そこへ、ゾーンダイクの通信が入ります。
 なにが正しいのか?
 
 復讐とか憎悪とか、そういう気がない、昔「青機関」にいた、はやみの存在が、大きな意味をもってきます。

 第2巻は、この青本局への、海底人の襲撃がテーマです。

 はやみ「おまえら、最後は核兵器だろ」
 少女「ゾーンダイクは人類の敵よ!」
 はやみ「しょせん、おなじあなのむじなか」
 少女「あなたは手を汚したくないだけでしょ!」
 はやみ「おれの手は十分、汚れてるさ」

 本局が攻撃されて、はやみは小型艇で迎撃します。

 はやみ「世界平和とか、人類とか、もううんざりだ、おれの目当ては幽霊船だ」
 少女「あんた、かってになに、やってんのよ!」

 ぼくは、はやみさんと同じ立場です。
 絶対法則をふりかざす人類主義者は、うんざりです。
 もっと小さな花や、一人一人の心を守りたいです。

 ゾーンダイクの言葉「自然の流れに背をむけたとき、科学は、われわれ人類のこの手からこぼれおちてしまう」

 小型艇を破壊されたはやみは、カプセルで生き残り・・・・


 以下、3~4巻

「本と映像の森 113 小沢さとるさん原作、アニメ「青の6号 3~4」(全4巻)
2010年12月22日 05時13分26秒 | 本と映像の森

 つたや高林店で借りた(1週間で1本100円)「青の6号」の3巻・4巻をようやく見終わりました。
 ネタバレがありますので、ストーリーを見る前に知りたくない方は、読まないでくださいね。

 部分的な海面上昇(東京などが水没)によって家族を失った少女兵士と青の6号に戻るはやみさんは、
 ゾーンダイク博士(元「青機関」科学者)との「対決」することになります。

 ゾーンダイクさんとはやみさんとの対話が、このアニメの中枢部分だと思います。
 「青の6号」と「幽霊船」との戦闘シーンは余分ではないでしょうか。

 むしろゾーンダイクさんとはやみさんの対話が先にあって、戦闘シーンを回避すべきではなかったでしょうか。

 物語ではゾーンダイクさんが、双方による核兵器使用を想定して、その核爆発のエネルギーで
 地球全体を水没させるポールシフトを起こす、という設定です。

 つまり、ゾーンダイクさんは、地上人に選択をまかせたということです。

 この対話と選択のシーン、いいですね。
 
 ぼくとしては、海底人と地上人のコミュニケーションの可能性と困難さを
 もっと描きながら、両者の成り立つ世界を、はやみや、海底人の首領(ゾーンダイクの息子)などに
 探求させた方が良かったのではと思います。

 1巻・2巻も含めて戦闘シーンが多すぎて、戦闘で未来が決められるような感じがあります。

 まあ、でも原作がそうなっているので、むずかしいですね。」