新・本と映像の森 137 小沢さとる原作、アニメ「青の6号」(全4巻)
<再録> 20180523
小沢さとるさんの傑作マンガ「青の6号」の現代アニメ化です。3回書いたのを一挙掲載します。
マンガよりアニメの方が世界観的にも作品的にも、まとまっているし、よくできていると思う。
作者は、いつでも中途半端に中断しちゃうから。「サブマリン707」も潜水空母「アポロ・ノーム」が強奪されて海中に潜っちゃうとろで終わってるからね。
まず第1巻。
「本と映像の森 110 小澤さとる原作、アニメ『青の6号 1』(全4巻)
2010年12月14日 06時16分35秒 | 本と映像の森
小澤さとるさんは、マンガ「サブマリン707」が代表作でしょうか。
このアニメ「青の6号」の原作マンガも傑作だと思います。
(原作マンガより、このアニメの方がいいかも知れません)。
何が原因なのか、わかりませんが、海面が上昇して、東京などの大都市が海になっています。
(つまり、安部公房さんの「第4間氷期」のシチュエーションです)。
このアニメも、国際機関「青」の日本潜水艦「青の6号」から離脱した「はやみ」に復帰を促す、
青に属する少女から始まります。
海面上昇の世界で「青機関」を裏切り、海で生きられる「海底人」の世界をつくる
ゾーンダイク博士と、地上人たちとの、戦闘と葛藤が展開されます。
最初から、海底人たちは「青の6号!」と言ってますから、どういう怨念なのか、わかりませんが。
第1巻は、青の6号と、ムスカ(クジラ改造生物?)と対決です。
原作マンガでは、たしかムスカは海底人の潜水艦だったと思いますが。
はやみが青の6号に乗り込んで、少女に聴きます、
「なんで、そんなにがんばる」
少女は「わたしの町はいま海の底よ」と答えます。
戦闘のあと、はやみは、破壊した海底人の「くも」からでてきた海底人の少女を
なぜか、「殺すな!」と叫び、海へ帰して、救います。
海水に浸した海底人の少女と、はやみが見つめ合うシーン。
やばいですね、はやみ!惚れるなよ!
このシーンが、このアニメの中核部分ですね
はやみ「あれは何だ」
少女「化け物よ、ゾーンダイクの生み出した」
はやみ「なにが、なにが、始まろうとしている」
少女「私たちを根絶やしにするつもりよ」
第1巻のエンデイングは、海底人の少女が、深く、深く潜っていく
シーンと海底人の少女の切ない歌、いいですね!]
以下、第2巻
本と映像の森 111 小沢さとるさん原作、アニメ「青の6号 2」(全4巻)
2010年12月15日 05時16分52秒 | 本と映像の森
本と映像の森 111 小沢さとるさん原作、アニメ「青の6号 2」(全4巻)
アニメ「青の6号」の第2巻は、ムスカを倒したあと、突然、海底人の「幽霊船」に青の6号は砲撃されます。
東京基地は潰滅、
青の6号は、秘密の「本局(ブルードーム)」へ向かいますが、幽霊船に追尾されています。
はやみ「失うことが怖いなら、金庫にでもしまっておけ」
海底人の若い司令官「今は祈る時じゃない!」
青の本局の管制コンピューターは「のぼ0001」
青機関は地軸を動かす「ポールシフト」を起こすゾーンダイクの南極基地、ストリームベースを破壊する作戦をたてる。
司令官のことば「生か死か、この作戦に失敗すれば未来はない」
こういう言い方って、なんか、黒か白かで、あんまり賢くないですよね。
そこへ、ゾーンダイクの通信が入ります。
なにが正しいのか?
復讐とか憎悪とか、そういう気がない、昔「青機関」にいた、はやみの存在が、大きな意味をもってきます。
第2巻は、この青本局への、海底人の襲撃がテーマです。
はやみ「おまえら、最後は核兵器だろ」
少女「ゾーンダイクは人類の敵よ!」
はやみ「しょせん、おなじあなのむじなか」
少女「あなたは手を汚したくないだけでしょ!」
はやみ「おれの手は十分、汚れてるさ」
本局が攻撃されて、はやみは小型艇で迎撃します。
はやみ「世界平和とか、人類とか、もううんざりだ、おれの目当ては幽霊船だ」
少女「あんた、かってになに、やってんのよ!」
ぼくは、はやみさんと同じ立場です。
絶対法則をふりかざす人類主義者は、うんざりです。
もっと小さな花や、一人一人の心を守りたいです。
ゾーンダイクの言葉「自然の流れに背をむけたとき、科学は、われわれ人類のこの手からこぼれおちてしまう」
小型艇を破壊されたはやみは、カプセルで生き残り・・・・
以下、3~4巻
「本と映像の森 113 小沢さとるさん原作、アニメ「青の6号 3~4」(全4巻)
2010年12月22日 05時13分26秒 | 本と映像の森
つたや高林店で借りた(1週間で1本100円)「青の6号」の3巻・4巻をようやく見終わりました。
ネタバレがありますので、ストーリーを見る前に知りたくない方は、読まないでくださいね。
部分的な海面上昇(東京などが水没)によって家族を失った少女兵士と青の6号に戻るはやみさんは、
ゾーンダイク博士(元「青機関」科学者)との「対決」することになります。
ゾーンダイクさんとはやみさんとの対話が、このアニメの中枢部分だと思います。
「青の6号」と「幽霊船」との戦闘シーンは余分ではないでしょうか。
むしろゾーンダイクさんとはやみさんの対話が先にあって、戦闘シーンを回避すべきではなかったでしょうか。
物語ではゾーンダイクさんが、双方による核兵器使用を想定して、その核爆発のエネルギーで
地球全体を水没させるポールシフトを起こす、という設定です。
つまり、ゾーンダイクさんは、地上人に選択をまかせたということです。
この対話と選択のシーン、いいですね。
ぼくとしては、海底人と地上人のコミュニケーションの可能性と困難さを
もっと描きながら、両者の成り立つ世界を、はやみや、海底人の首領(ゾーンダイクの息子)などに
探求させた方が良かったのではと思います。
1巻・2巻も含めて戦闘シーンが多すぎて、戦闘で未来が決められるような感じがあります。
まあ、でも原作がそうなっているので、むずかしいですね。」