新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

勝間和代氏の意見:混合診療推奨に関してはどう思われますか?

2012-01-09 12:00:24 | 医療

こんにちは。

今、走ってきました。7~8kmくらいだと思いますが、よい運動になりました。筋トレを行って、今風呂に湯を入れています。その合間に、Blog+英語(実はSpeed learningやっています)+EMS(腹筋鍛える奴)を・・・

で、さらにネットを開くとこんな記事が・・・・。

皆さんはどう思われますでしょうか?

 昨年末に発表された2012年度の診療・介護報酬の同時改定の改定率は、診療報酬全体で0.004%、介護で1.2%という、わずかな引き上げにとどまった。報酬が伸び悩む状況について、「医師不足を解消するためにも、医師に対しては十分な報酬を出すべきです。介護従事者についても同様です」と主張するのは、経済評論家の勝間和代氏だ。その一方で、勝間氏は、現状の日本の医療提供体制を「悪平等」と断じ、EBM【編注】の普及や、混合診療の拡大などの“処方せん”で、その解消を目指すべきと訴える。経済評論家の視点で考えた医療や介護、そして社会保障のあるべき姿とは―。(多●正芳、●は木へんに朶)

【編注】根拠に基づいた医療。治療や投薬が医学的にも経済的にも有効かどうかを評価し、有効と証明された医療。

■「消費税アップの前に納税番号制導入を」

―昨年、税と社会保障の一体改革の成案が示され、社会保障制度を維持するため、「10年代半ばまでに段階的に消費税率(国・地方)を10%まで引き上げ、当面の社会保障改革にかかる安定財源を確保する」ことが提言されました。
 確かに、将来的には、消費税引き上げも必要になってくるでしょう。ただ、その前に、現状の課税漏れがどのくらいあるかをはっきりさせる必要があります。納税番号制の導入も急がなければならないでしょう。言い換えるなら、税制上の“穴”を埋めてからでないと、新たな負担を導入しても、あまり意味はないということです。また、デフレが続いている状況で税率だけ上げても、景気が悪化してかえって税収が減るだけです。1997年の消費税増税による景気悪化で、税収全体は約5兆円も減ったという教訓を忘れています。
 もう一つ、消費税率を上げる前に、本格的に取り組むべきことがあります。「シルバー資本主義」がもたらす、さまざまな不公平を解消することです。

■高齢者への優遇が生み出す弊害とは?

―シルバー資本主義とは、何を意味するのでしょうか。
 高齢者に対する過度な優遇と、それに伴う社会資本の高齢者への偏在を指します。一例を挙げるなら、14歳以下の子どもに対する公的財源の直接支給と、65歳以上に対する公的財源の直接支給の割合は1対11です。他の先進諸国では、この比率は1対1程度です。さらに、デフレーションの局面にありながら、年金支給を物価スライドさせなかった結果、7兆円ほどの過払いが生じてもいます。

―高齢者の貧困も問題になっていますが。
 もちろん、年齢に関係なくセーフティーネットは不可欠です。しかし、現役世代並みか、それより多くの収入を得ている高齢者も少なくありません。そんな人たちにまで、年金を支払ったり、医療費の自己負担を1割に抑えたりする必要があるでしょうか。
 何よりも問題なのは、高齢者への過度な優遇が、若い世代が得るべき社会資本を奪っている点です。その結果、生じているのが、子どもを産まない若年層の増加です。実際、子どもを産める世帯の年収は、ここ10年で50万円ほど減っているのです。教育費全体における公的資金の支出の割合も3.4%にすぎません。5%台が当たり前のOECD(経済協力開発機構)諸国の中では、かなり低いですね。その結果、日本では、国立大学の学費ですら、年間50万-60万円程度とかなり割高となっています。ちなみに、OECD諸国では、国立大学の学費は年間10万-20万円程度です。

■医療・介護の無駄と、世代間の負担の不公平解消を

―シルバー資本主義は、医療や介護には、どのような影響をもたらしていますか。
 公的な医療保険制度や介護保険制度の維持を難しくしている点が、最大の影響でしょう。

―医療保険や介護保険を維持するために、今できる“処方せん”としては、何が考えられるでしょうか。
 簡単に言えば、無駄を省くことです。
 日本では、どこまでを地域診療で担当し、どこからをより高度な医療機関で診るのか、その線引きがいまひとつ明らかではありません。そのため、過剰な医療提供が横行しています。その典型例と言えるのが、薬の重複投与でしょう。
 また、終末期に入り、回復が期待できなくなった患者を無理に延命させるためだけに、大量の薬剤と人員を投入するやり方も、再検討が必要なテーマと思えます。一方でホスピスの整備や、病気の予防への資金投入は、もっと必要ではないでしょうか。介護については、生活援助をどこまで公的保険の範囲でカバーするかなどの課題があります。
 もう一つ必要なことは、世代間の負担の不公平を解消することです。繰り返しますが、高齢とはいえ高所得者の医療費自己負担を1割にとどめる必要があるのでしょうか。また、介護の自己負担についても、検討の余地があります。さらに言えば、医療と介護が、別々の保険でサービス提供されている点も解決すべき課題と思います。

■将来は医療保険・介護保険の一体化を

医療・介護の両方の公的保険を一体化すべきということでしょうか。
 将来的には、そうすべきです。今回の同時改定でも議題となった医療と介護の連携も、両方の保険が一本化すれば、おのずと実現できます。2つの保険の境界にある分野で生じる無駄も省くことができるでしょう。もちろん、簡単にできることではありませんが、両者が一本化することを目指し、動きだすべきです。

―ところで昨年末、政府は、診療報酬の改定率は本体で1.379%、介護報酬の改定率は1.2%アップとしました。現役世代が減り続け、税収の増加が期待できない状況を思えば、今後も医療従事者や介護従事者の報酬は、それほど上がらない可能性もあります。この点、どうお考えでしょうか。
 
医師不足を解消するためにも、医師に対しては十分な報酬を出すべきです。今後、より多くの人手が必要とされる介護従事者についても、同様です。ただ、その前提として、報酬も含めた日本の医療の「悪平等」を解消する必要があります。―悪平等とは刺激的な言葉ですが…。
 今の日本の医療の現状を思うと、そう断じざるを得ません。例えば、現在の診療報酬では、新米の医者も、すご腕の名医も、同列に評価しています。これでは、医師として長く働き、スキルアップを図りたいという気持ちは起きにくいのではないでしょうか。さらには、他の治療に比べて予防に対するインセンティブは弱くなっています。
 まずは、スキルによって報酬を変える体系を導入すべきです。そのためにはEBMをもっと取り入れて、各医師の治療に関する情報を開示させる(意味が分からん?、本当はこういう治療もあるよ・・・日本では保険適応外だけど・・・ということ?、それとも医師の治療成績など個人情報開示ということ?:個人的突込みです)べきです。さらには、混合診療をある程度、認めることで、柔軟性を認めることも必要です。

■セーフティーネットの医療と市場性の医療

混合診療の導入は、国民皆保険の崩壊につながると強く反対する意見も少なくありません
 混合診療の導入が、なぜ国民皆保険の崩壊に直結するのでしょうか。そんなふうに懸念する理由が全く分かりません。混合診療を導入した歯科の公的保険は崩壊したでしょうか。
 とにかく、医療でもセーフティーネットとして機能する部分と、市場性に任せる部分とを分けた方がいい。その両方の観点から医療の在り方を考えるべきなのです。ところが、日本は、医療のすべてをセーフティーネットで扱おうとするから、おかしなことになるのです。いわゆる医療ツーリズムを考える上でも、この点は大きな弊害となっています。
 ちなみに、現状のまま医療ツーリズムを推進しても、成功するかどうか、疑問が残ります。確かに、日本の医療レベルは、決して他国に劣るものではないでしょう。しかし、他国の富裕層を呼び込めるほどの技術とサービスを提供できているとは、ちょっと思えません。

医療で“稼ぐ”ためにも、まず、セーフティーネットとしての医療と、市場性に任せる医療を明確に分ける必要があるということですね。
 そうですね。ただ、ビジネスとしての医療の進歩を促すことだけが目的ではありません。このまま、悪平等の医療提供体制を続ければ、医療資源の不足がさらに深刻化するのは目に見えています。そうした状況を避けるためにも、セーフティーネットとしての医療は何なのか、改めて考える必要があると思うのです。

―混合診療の導入・拡大は、一人ひとりの患者や医師には、どんな影響を及ぼすでしょうか。
 患者にとっては、医療に対する関心を高める契機となるはずです。同時に治療のバラエティーが広がるというメリットがあります。ちょっとでも保険外のサービスを提供したら、すべてが自由診療となってしまう現状の懲罰的な制度では、保険適用がない最先端治療を受けるのは極めて難しい。見方を変えれば、日本で最先端の治療を受けられるのは、自由診療に耐え得る財力を持った人だけ、ということになります。
 医療従事者にとっても、自分たちの努力が業績に直結するというモチベーションを得られます。そうしたモチベーションは、日本の医療そのもののイノベーションにも結び付くはずです。
 混合診療の導入を真剣に検討すること。そして、規制を緩和し、EBMに基づく医療を実現すること。日本の医療の悪平等を解消するため、早急に実現を検討すべきことだと思います

------------------------------------------------------

僕は個人的には混合診療の導入はあまり賛成していません。ある個人の方を助けることができるかもしれない…という面だけを見ると賛成したくなります。また、勝間さんがおっしゃっているような面はあると思います。しかし、助かる方法があるかもしれない(やってみないとわからないですが)のに、お金がないからできないというのはつらい(医者も患者も)ものです。

 

僕が去年の夏、大学からいなくなって数日後に亡くなった患者さんがいます。その患者さんは同種骨髄移植を行う計画をしておりましたが、標準治療が全く効きませんでした。治療法はほかにないかと言われるともともと計画していたわけですが「同種骨髄移植」が最も有望な手段。ほかの治療法は難しい…という状況。

 

治療手段として保険外…であれば可能性はありました。1日3~4万、月に100万以上という金額になりますが・・・。さらに、今年新薬として発売されるものもあったので、そちらは製薬会社のMRさんといろいろ相談しました。もちろん患者さんにも家族にも話はしています。こういう治療薬が保険適応ではないけど、あります。ただし、治療費が自己負担(保険内も含め)になってしまう・・・・と

やはり金額が大きくなりすぎるため、保険の範囲内でできる最大限の方法で移植までの時間を稼ぐ方針になり、僕が大学から去った後に移植の直前に急変して亡くなったと聞いています。

 

医者として患者さんの前にいる限り、できるだけのことをしたいと思っています。もちろん、人によっては「仕方がない」と思われるかもしれません。

 

高額な治療薬を用いている人にも言えるのですが「金の切れ目が命の切れ目」となることは、目の前に「患者さん」がおり、患者さんと一緒に闘っている医師としては「お金があれば・・・・」とは言いたくないような気がします。また、金がもうかる都市部に病院が集中するリスクもあるかもしれません

 

しかし、これは僕の個人的な考えです。最大多数の人の助けになるというのは医師としてのもう一つの面であると思っているので、混合診療の導入がより多くの患者さんのためになるというのであれば、個人のわだかまりというのは捨てるべきなのかもしれません

 

少し思うのは「患者さん」という人間を見ている医師と、「患者」という言葉を扱っている人間の違いなのだろうと思っています・・。

皆様はどう思われますか?

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国民健康保険の医療部分、市町村単位から都道府県へ

2012-01-09 11:04:56 | 医療

おはようございます

 

今から走りに行こうかと思っているのですが、その前に一つ記事を。昨日書き損ねましたので。

 

どうでもいいのですけど、「はじめてのお使い」シリーズも好きなんです。昨日、番組の途中で見てしまいましたw

さて、今日の記事はまずこちら。

 政府は原則市区町村ごとに賄っている国民健康保険(国保)の医療費について、15年度から都道府県単位に集約し、市区町村が共同負担する仕組みに改める方針を決めた。24日召集予定の通常国会に関連法案を提出する意向で、最大2.8倍に達する同一都道府県内の保険料格差は縮小に向かう。ただし、高齢者が多い小規模の市町村は負担軽減につながる半面、都市部では保険料がアップする可能性が高い

 自営業者や無職の人が入る国保の医療費は加入者の保険料と税金で運営される。病気になりやすい高齢者が多い小規模自治体は医療費がかさみ保険料も高くなりがち。国保全体の半数は赤字で、09年9月末時点で4分の1にあたる432団体は加入者が3000人を割り込むなど、運営が行き詰まりかねない。

 今も1人分が月に30万円を超す医療費は、同一都道府県の市区町村が共同負担している。高額の医療費がかかる患者がいると、小規模自治体では財政がパンクする可能性があるためだ。80万円を超すと国や県も拠出し、医療費全体の4割は共同負担で賄っている。だが、財政力や保険料には市区町村で差があり、東京都の場合、年額保険料の格差は千代田区(09年度11万3554円)と三宅村(同4万506円)で全国一の2.8倍に達する。他にも12道府県で差が2倍以上となっている。

 このため、政府は共同負担の仕組みを「30万円超」から「1円以上」に拡大し、全診療を対象とすることにした。各市区町村は加入者数と過去の医療費実績に応じ、拠出金を払う。拠出額の半分は加入者数に応じて決まるため、人口が少なく高齢化の進んだ郡部は負担が軽減される一方で、都市部は重くなる。都道府県の判断で、加入者の所得に応じた拠出も可能とする。

 厚生労働省は75歳以上の後期高齢者医療制度を国保に組み入れたうえで、都道府県単位に広域化する案を示しているが、野党の反対で暗礁に乗り上げている。共同負担方式の全面導入により、財政運営面では保険料水準などを除いて広域化が実現する。【山田夢留】

------------------------------------------------
国保保険料がまとまるのではなくて、国民保険(医療費+後期高齢者支援金、介護保険など)の中の医療費部分を統合するわけですね。
どうせなら全部まとめたほうが良いような気がしますが、どうなんでしょうか。
野党が反対している理由というのが良くわからなくて調べていたのですが、ご存知の方いらっしゃいますでしょうか?
細かいことは確認できていないところもあるのですが、何らかの野党が反対するような理由があるのだろうな・・・と。
けど、市町村単位よりは都道府県単位のほうが基本的な考え方はよいと思っています。
下のPDFをみると市と町村部で保険料の集め方とかも異なるようです。また、集約の考え方もいろいろあるようです。
このPDFを一部抜粋します
最近の医療保険改革の特徴は、都道府県単位での保険者再編に踏み出したことである。長寿医療制度の保険者は都道府県単位での市町村を構成員とする広域連合であり、政管健保から変わった協会けんぽも、財政単位は都道府県別に管理することになった。都道府県に対する期待は高まる一方であるが、国民健康保険の保険者を都道府県とすることには異論も出されている。最大の課題は、都道府県内の保険料の統一である。市町村ごとに算定方法が異なり、保険料もかなりの差がある。同じ都道府県内でも平均1.88 倍の格差があり、最も開きの大きい沖縄県では3.15 倍あると言われる(60)。当然、市町村によっては、現行よりも保険料が高くなるところも出てくる。都道府県への一元化で財政は安定するが、地域の一体感が薄れ、保険料の収納率が下がる可能性もある。また、単に市町村から都道府県に移すだけでは、国民健康保険の低所得者や高齢者の加入割合が高いという構造的な問題の解決にはならない。保険料徴収などは市町村が行わざるを得ず、責任主体がかえってあいまいになるとの意見も出ている(61)。
しかし、市町村合併により小規模保険者の数が減ってきているとは言え、全保険者1,815のうち被保険者が1,000 人未満の保険者が68、1,000 人~ 2,000 人未満の保険者が119 もある(62)国民健康保険においては、保険財政の基盤が不安定な市町村が少なくない。都道府県単位には一定のスケールメリットがあると思われる。また、都道府県は、すでに保健指導、医師・病床の確保などの健康医療政策を担っており、保険と一体的に行えば、より効果的な運営ができる可能性もある。
高齢者医療制度の見直しのために厚生労働省に設置された「高齢者医療制度に関する検討会」においては、国民健康保険の運営主体が高齢者医療制度の見直しに深く関連することから、国民健康保険の運営主体としての都道府県の在り方について議論されてきた。平成21 年3 月17 日に最終報告が出されたが、国民健康保険の運営主体については、
同じ地域に2 つの地域保険が存在することは好ましくないため、都道府県単位化を図り、都道府県または広域連合が後期高齢者医療制度と一体的に運営するべき、
地域でサービスの提供と利用がおおむね完結する医療の特性と実態から、2 次医療圏(63)単位で市町村が共同で運営するべき
保険者機能の強化の観点からは保険料徴収と保険給付の主体が一致していることが望ましく、保険者は市町村のままとし、財政の共同化、調整交付金の配分、都道府県による再保険事業などで運営の安定を図るべき、
という3 つの方向性が示されている(64)。
(抜粋終わり)
このPDFの続きにも書かれているのですが、都道府県で終わらずに全国に広げるべきという考えもあるようです。
毎日新聞の記事だけを読んでいるとこの3つのうちどれだろう…と思っていましたが、③なのかな…と勝手に考えています。
皆様はどう思われますか?

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

がん研と慶応大学・順天王大学が連携大学院制度

2012-01-06 21:14:21 | 医療

こんにちは

 

英語の教科書を山のように買い込んでおりますw

英語の勉強をやり直したくて・・・。まぁ、今年の目標は英語の勉強をやり直すことですので

 

さて、今日はこの記事を。

CBからです。

 

がん研と順天堂大が連携大学院制度- 12年度から運用開始

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36343.html 

 国立がん研究センター(がん研、嘉山孝正理事長)と学校法人順天堂(小川秀興理事長)は、がん研のレジデントなどの職員が、籍を置いたままで順天堂大大学院医学研究科博士課程の単位修得を可能とし、がん研での研究成果での学位取得を可能とする新たな連携大学院制度を、2012年度から開始する。

 嘉山理事長と小川理事長が6日、連携協力に関する合意書に調印し、記者発表した。
 すでに入学試験の申し込みは済んでおり、がん研のレジデント、がん専門修練医24人が出願している。このうち順天堂大の卒業生は1人だという。
 がん研は昨年12月20日、慶大とも同様の制度をスタートさせると発表している。
---------------------------------------------
これに関しては僕がBlogで書いている「横の連携」ではないのですが、面白い試みだと思います。
がん研はレジデントからの人気が上昇するというメリット、順天堂大学や慶応義塾大学は大学院に行くに当たり「資金的な面」でメリットがでる為入りやすくなり、院生が増えるかもしれない。両者に対してメリットがありますよね
Win-Winの関係だと思います。
お互いにメリットが出るような連携体制をいろいろ作り上げていければいいですね。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医学部新設の良い点は?

2012-01-06 20:48:57 | 医局制度改革・医学教育改革

こんばんは

 

今日は仕事の後、今年初めてのジョギングを行いました。ジョギングとはいえ、途中からは心拍数を150未満にセーブするのをやめて、速度を上げ・・・

「結構つらくなってきた。しかし、このペースを維持するぞ。」

と気合を入れて頑張ってみました。

 

その後は懸垂、腕立てなどをして今帰ってきました。

 

さて、今日は医師不足に対して医学部新設することによる良い点を考えてみました。

 

僕は今までも書いてきましたが、基本的に今すぐ医学部新設は難しいという考え方です。これは2008年の頭のころから言い続けているので4年になります。4年間意見を変えていませんが、今でもこの意見が間違いだとは思えないので・・・。

 

僕が医学部新設に反対している理由は

1、教官の数が足りない

2、教官を集めることによる地方の医師不足の加速の可能性

3、医学部新設の前に各大学の医局員の待遇改善からできることを増やしていく方が良い(これもアルバイトが減るかもしれないとは思いますが、それよりもアルバイトをしなくても十二分な給与が出ることで、臨床・教育・研究に集中できる環境を作る

4、上記の待遇改善の後に、各医学部の学生の人数を増やしていき、彼らが育ってきたところで医学部新設に必要があるか再度確認する(僕は、絶対に必要だと思っていますが)

というものです。

 

僕は新設することはできるのであれば、できるだけ早く行った方が良い。しかし、それを行うだけの底力は今の日本の医療にはない。そう判断しています。

 

先日例えたように、今の「日本の医療」という病人に対して行う処方は「医学部新設」という劇薬(使うことで、日本の医療が壊れかねない)ではなく、まずは体調管理をして体が劇薬に耐えられるようにする

体調管理をしているうちに病気が進行したら、要するに手遅れだったということでしょう。

 

しかし、こう書いているものの・・・今朝ふと思いつきました。

 

僕はもともと臨床においては多くの大学の医局、病院間のやり方を共有するべきであると考えています。研究に関しては共有することで様々な問題が発生するかもしれませんし、研究を共有したからと言って患者さんがその時に良い状態になるかはわかりません。

 

臨床現場において大きな治療指針というものは「ガイドライン」などで示されています。それは普通の病院であれば、ガイドラインを逸脱しているところは少ないと思います。患者さんが紹介されてきた…元の病院でびっくりするようなことがされていたのを見たこともありますが、普通はないです。

しかし、細かいところに関しては本当に違うと思います。その細かいところの差は意外と積もり積もったりするものです。

 

例えば・・・東大医科研の臍帯血移植の治療成績に関して、以前は移植前処置が良いのではないかということで実施されたものの、結局「普通の病院では行えないような細かな管理」に成績上昇の原因があったという。

別の例ではインターネットで情報を交換していた血液内科の先生に「輸血の際の前投薬」の有無、内容などに関して聞かれました。その先生が調べたところ、それぞれの施設で様々な違いがありました。

骨髄採取の時のヘパリンの量とかも、かなり違いますよ。笑ってしまうほど違いがあります(僕の知っている限りにおいてですが、最小のところと最大のところで10倍違いました。一応基準には当てはまる…というか解釈の仕方による

きっと細かなところはいろいろ違いがあると思います。

それは医局だとか関連している施設によるもので、おそらくもっと血を混ぜていくことでお互いのよいところを吸収し、発展できるのではないか…というのが僕が研修医のころから考えていることであり、僕が「眠らない医者の人生探究劇場」のころ(医師3年目、4年目)に書いたりしていた内容です。

 

これも僕は今でもこの方が良いと考えています。井の中の蛙になるのではなくて、もっと日本全国で情報を交換するべきである。学会などで行われたりする、大きなところではなくて細かな違いを学びあい、教えあい、日本全体で発展していくこと。それが必要だと思っています。

 

東京や首都圏はまだいいのです。東京だと有名な病院だったらお互いに人のやり取りもありそうですし(というか、あるみたいですし)。

 

首都圏…といっても神奈川、茨城、千葉などは1県1医大ですので医局の考えや治療の仕方がベースになっているのではないかとは思ったりします。

地方はその医局の考え方が中心になっているのではないか・・・と思っています。

それゆえに大きな情報交流を臨床面ではしたほうが良い。それが患者さんのためになる。そう思っています。

 

お互いに同じような情報を持ちながら、さらにお互いが発展させる方向性を変えればさらに良いものができる

 

以前(2008年くらい?)、某医学雑誌に取材していただいたとき「医局の崩壊は避けなくてはならない」と伝えました。

 

人事組織としての機能が損なわれても、医局が崩壊してしまったら医師や医学生の教育がままならなくなり日本の医療の発展に支障をきたす医局のよいところは残し、教育機関として再生させる必要がある」と言いました。

医局の縦割りの雰囲気(閉鎖的な空間)の中で、同じ診療科であっても横のつながりというのはそれほど強くはない。医師は出身医局の得意な処置を行うことが多い。

それに対して横断的な医師教育組織として各医局の垣根を越えた交流を促進・仲介する第三者機関を設立し、医師が自分の関心の高い臨床を自由に学べるようにする

 

そんなことをしゃべりました。20代の医師の代表(20代の医師ブロガーでしたので。僕は代表というにはかなり偏っているとは前置きしましたがw)ということで伝えた意見ですが、僕はこれも実施するべきであると思っています。僕の中では構想はあるんですけどね、すでに。

 

1県1医大の場合、もしかすると一つの医局の考え方が主体になっているかもしれない。そこに新しい医大ができると・・・違うやり方が出てくるかもしれない。

いってしまえば診療の仕方が地域によって「独占」されているかもしれない。その独占が崩れること、それはいいことだと思います

 

しかし、繰り返しますが僕はそれよりも「医局」間の垣根を崩して、いろいろな大学を見ながら学んでいくような、そして人数などの調整すらできるようなそのような組織(第三者組織)を作ることができればと思っています。

 

僕の中の構想の具体案は、今は内緒ですw 考えは4年間温めてきたのがあるのですけど。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

消防ヘリ搬:消防防災ヘリとドクターヘリの違いはなんだろう?

2012-01-05 20:41:24 | 医療

こんばんは

 

今日は関東圏内に戻ってきています。風が吹くと北海道のほうがやっぱり寒いと昨日思いました。本当にw

関東も寒いですけどね。

 

さて、今日は少し疲れているので簡単な記事をささっと書きます。

 

 千葉市消防局は4日、重症患者が出た際に救急車とヘリを同時に出動させ、現場でいち早く医師が医療行為を行うシステムの運用を始めた。

 医師をヘリで拾い上げることから「ドクターピックアップ方式」と呼ばれる。ヘリと救急車の同時出動は政令市でも初の試みという。

 救命率アップを目指し、千葉大学医学部付属病院と連携した。119番の入電後、直ちに救急車と消防ヘリを出動。救急車は患者を乗せて、最寄りのヘリポートや公園などの緊急時離着陸場(市内64か所)へ向かう。消防ヘリは千葉大病院屋上のヘリポートで医師を乗せ、離着陸場に急行。通報から15~20分で現場に到着し、医療行為を施しながらヘリで受け入れ先の病院に搬送する

 重度の熱傷や外傷、交通事故による四肢切断、重症脳・心疾患などを想定する。昨年2月から試験的に実施し、44件の出動例のうち9件で医師が消防ヘリに搭乗。実際にヘリで搬送されたのは6人で、3人は一命を取り留めたという。

 市は、救急隊の要請で出動するドクターヘリに比べ、救急車とヘリが同時に出動する今回の方式の方が、より迅速に医療が行えるとしている。

------------------------------------------------
この運用自体が悪いとは思わないのですが、ちょっとした疑問を書いてみます。
ご存知のかた、ご教示いただけますとうれしく存じます。
1つめは「消防ヘリ」と「ドクターヘリ」の大きさなどの違いに関してです。
ドクターヘリに関してはヘリドクターをしている先生や、実際にヘリに乗って活動した人から話を聞いた限りでは「ヘリ内での処置はほぼ無理」「ある程度の大きさがあればできるかもしれないが・・・」「心肺蘇生に関しても自動蘇生機のようなものを使用しないと難しい」という話を伺いました。
消防ヘリの大きさはどのようなものだろうかと
現場で必要な処置をして急いで搬送することはできると思うのですが、医療行為を施しながら病院へ搬送できるかどうか・・・・。医療行為というのが輸液、止血などの処置に限定したとしても揺れる機内でどの程度できるのだろうと。
二つ目はこの記事だけでは実際の運用が良くわからないのですが、救急とヘリが同時に出動した場合とドクターヘリだけの場合との運用の違いが判らないのです。
消防ヘリが千葉大の医師を迎えに行って、現地に飛ぶ。ドクターヘリが現地に飛ぶ・・・。救急車が同時に動いていてどのような対応をしているのだろうか・・・。
何が違うかが、全く想像ができないのです
どなたかご存じの方がいらっしゃったらご教示いただけませんでしょうか。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ノロウイルス感染症増加中:気をつけましょう

2012-01-04 11:03:06 | 医療

さて、最後にもう一つ。これを書いたらPCはしまうので、皆様コメントは明日以降にお返事いたします。

 

 http://mainichi.jp/select/science/news/20111230ddm041040033000c.html

激しい嘔吐(おうと)や下痢を繰り返す感染性胃腸炎の患者が、この2カ月で4倍に増えたことが、国立感染症研究所の集計で分かった。原因の大半がノロウイルスとみられる。今年は、流行期前から生ガキを食べて感染する人が多いのが特徴で、専門家は「中心部までしっかりと火を通してから食べてほしい」と呼びかける。

 全国約3000の小児科を対象に実施している定点調査を集計した。それによると、10月17~23日の1週間では1施設あたりの患者は3・0人だったが、その後、増加し始め、最新の今月12~18日では11・7人に増えた。

 厚生労働省によると、今年は生で食べることが多い岩ガキが原因とみられる食中毒が多く、東北、関東を中心に5~8月で7件確認された。02~10年は計9件で、今年は異例の事態という。

 感染経路には、便や嘔吐物から手などを通して広がる「人から人」と、汚染された魚介類を生または加熱不足で食べる「食べ物から人」がある。感染防止には、手洗いの徹底と85度以上で少なくとも1分の加熱が重要だ。

 ウイルス性食中毒に詳しい野田衛・国立医薬品食品衛生研究所室長は「東日本大震災で下水施設が被災し、浄化が不十分な処理水が海に流れ込んだ恐れがある。手洗いと加熱を徹底してほしい」と話す。【斎藤広子】

------------------------------------

昨日たまたま見たテレビで「ノロウイルスによる食中毒が・・・」と言っていましたが、ここに書いているように人‐人感染があるので食中毒ではなく、感染症です。

流行ってきているみたいなので、皆さん気をつけましょう。

 

僕もちょっとおなかを下してしまってw

 

さて、追加でこの記事を紹介します。

[ハルツーム 2日 ロイター] 国連の南スーダン担当者は2日、民族衝突が続く同国東部ジョングレイ州の町ピボルから、最大で5万人が避難していると語った。

国連筋によると、過去数日間にわたり、ロウ・ヌエル民族とムルレ民族による対立が続いていたが、ロウ・ヌエル民族の武装集団約6000人がピボルを襲撃したという。家畜の牛をめぐり、両民族の間で衝突が起きたとみられている。

Lise Grande国連人道調整官(南スーダン担当)はロイターに対し、「避難民の健康状態を心配している。彼らは水も食べ物も持っていない。推定だが、2―5万人が避難していると思う」と述べた。負傷者については情報が得られていないとしている。

南スーダン軍の報道官は、ピボルに部隊を派遣したと発表。国連筋によると、兵士約3000人と警官800人がピボルに向かっているという。

南スーダンは昨年7月、2005年の和平合意のもとスーダンから独立したが、その後も反政府勢力による暴力や民族間の対立に悩まされている。

-------------------------------------
自衛隊の派遣のことも含めて、気になる記事ですよね。
物を作るだけでなく、人を育てることもできればいいのですけど。
僕は本当に必要なのは「教育」であって、自分たちで物を作ったり、社会のシステムを変えていく国民を作っていくことだと思います。それができるのであればPKOは無意味ではないですが、ものだけつくって「破壊」されたり、「老朽化」して行くだけなら、ほとんど意味はないと思います。
教育をすることができるのか。僕はそこにPKOの意義があると思っているので、この状況で教育ができるかと言えば・・・・
 
と思ってしまいます。
まぁ、一国民の意見でしかないですが・・・・。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不活化ポリオワクチン申請:早く承認されるといいですね

2012-01-04 10:47:40 | 医療

さて、続けます。

 

ポリオワクチンの生ワクチン、不活化ワクチンの話は過去にもBlogで書きましたが、その話です。年末にさらりと出ていましたね・・・。

不活化ポリオワクチン、初の承認申請 阪大微生物病研

<script type="text/javascript"></script> <script src="http://imp.asahi.com/bservers/AAMALL/acc_random=51274628/pageid=91841532/AAMB1/SITE=KENKOU/AREA=RECT2/AAMSZ=300X250/OENCJP=EUC"></script> <script type="text/javascript"></script> <script type="text/javascript"></script>
http://www.asahi.com/health/news/TKY201112270589.html

 ワクチンメーカーの阪大微生物病研究会(大阪府)は27日、ウイルスの病原性をなくした不活化ポリオワクチンの製造販売を厚生労働省に承認申請した。不活化ポリオワクチンの承認申請は国内では初めて。厚労省は来年秋の接種時期までに導入をめざしている。

 申請したのはポリオと百日ぜき、ジフテリア、破傷風の4種混合ワクチン

 感染すると手足に麻痺(まひ)が出るポリオの予防接種は、国内では生ワクチンのみが承認されている。生ワクチンには病原性が残るため、まれに接種を受けた子どもらに麻痺が出ることがある。不活化ワクチンの早期導入が課題となっている。

-------------------------------------

100万分の1の確率。稀ではあるが・・・1~2年に一人は出てもおかしくない可能性

 

以前も書きましたが、ポリオが激減した今の段階で「生ワクチン」の方がよいのか、それとも不活化ワクチンの方がよいのか…と言えば不活化ワクチンだと思います。

現場からの医療改革推進協議会2日目:ポリオワクチンの話から

 

理屈は上の記事に書きましたが、患者が大勢いて感染リスクが高い場合は「生ワクチン」で抵抗力を早くつける必要があります。しかし、ウイルス感染者が少ない・・すなわち感染リスクが低い現在、生ワクチンは感染リスクをあげているといってもよいと思います。

不活化ワクチンと生ワクチンを同時に接種すれば・・・不活化ワクチンの意味はあまりない。生ワクチン接種者の便から感染する可能性があるので。

生きていない不活化ワクチンに麻痺の可能性はないので、安全ですしね・・・・

そういう意味で早めに承認されたらよいと思っています。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ALSの治療法の発展を祈念して・・・

2012-01-04 10:16:24 | 医療

 

おはようございます。

 

今日はまだ正月休みを頂いています。臨床現場ではないので、少しゆっくりとした正月です。ありがたいですね(ほんとうに、なかなかないので)。

 

昔は正月含めて休みはなかったけどw

 

さて、今日の記事ですがいくつかあります。ちょっと古いのですけど・・・気がついたので。

 

難病ALS、発症メカニズム解明…九大・慶大 <script src="http://static.mixi.jp/js/share.js" type="text/javascript"></script>

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=52361

 九州大と慶応大の研究チームは27日、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症メカニズムをマウス実験で解明したと発表した。

 脊髄で分解酵素の働きが低下し、神経を活性化させるアミノ酸「Dセリン」が増加、蓄積するため、筋肉の萎縮を引き起こすという。「酵素の活性を高める方法が見つかれば、治療薬の開発も期待できる」としている。研究成果は米科学アカデミー紀要(電子版)にも掲載された。

 ALSは脊髄内で筋肉を動かす運動神経が障害を受け、次第に全身の筋肉に力が入らなくなる病気。全国に約8500人の患者がいるとされる。詳しい原因は不明で、根治的な治療法も見つかっていない。

 研究チームは、遺伝子操作を受け、ALSと同じように脊髄の運動神経に障害を持つマウスで実験。脊髄内のアミノ酸の量を調べたところ、Dセリンが健康なマウスの約3倍に増え、蓄積していた。さらに、Dセリンの増加を抑える分解酵素「DAO」の働きが、通常の半分に落ちていることもわかった。

----------------------------------

ALSに関してはある意味一番いやな疾患の一つだと思っています。

 

僕は血液内科として「人の死」にもよく関わっていますが、血液内科として僕が一番臨床でよいと思っていることは、良きにしろ悪いにしろ患者さんと一緒に前向きに戦っていられることだと思っています。

論文を読んでいないので詳細はわかりませんが、ALSの原因解明とは言えないのだと思います。しかし、原因の一端が分かったことで薬が作れるようになってくるかもしれない…というところによいところがあると思います。

 

原因の一端というか…原因は不明だが、何が起きていくかが分かったことによって対応できるところが増えるということでしょうか。

 

この書き方ではわかりにくいと思いますので、例えばの書き方をします。

 

例えば30代の方で俗にいう「スキルス胃癌」になったとします。スキルスになったとは言っても手術で完治できる可能性がある…と思えば、人はまだ未来をみることができます

これが再発してしまったとしたらどうか…ということです。

スキルス胃癌の再発で治療できる手段は限られていると思います。完治は難しいでしょう。緩和ケアなど症状に対する治療は行っても、原因に対する対応ができないというのはつらいものです。

 

僕ら血液内科の場合、抗癌剤がよく効くことが多いのもあり、緩和ケア・・と言いながらも積極的に内服抗癌剤を使用します。それで抑えられる可能性もあります。再発したとは言っても標準治療を行わないで、次の手をもってきます。・・・悪い場合、前向きに倒れる可能性もあるのですが、それは患者さん本人と家族と医療従事者での相談の上です。

ALSと診断された場合、最初から「診断はALSです。しかし、治療法はありません。症状は・・・・で、最終的に全身の筋肉が動かなくなり、呼吸ができなくなって死亡します。それまでの間・・・」のような話になるのだと思いますが、神経内科医ではないので細かいニュアンスはすいませんが分かりません。

ALSの診断をつけても、そのあと治療法がない。これは告知をするのにもつらいと思います。患者さんにとっても医療従事者にとってもつらいのではないかと思います。

そこに一筋の光明を投げかけているのだと思います。

 

そういう意味でこの記事はBlogに書いてもよいものだと思いました。

ALSの治療が発展していくことを祈念しています。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

箱根駅伝:東洋大 大会新記録で総合優勝

2012-01-03 15:05:35 | Weblog

こんにちは

 

1月3日ということで、昨日に引き続き箱根駅伝を観戦していました。

過去にも書いたかもしれませんが、昔「関東医学部」で集まって、予選会に出場するとかいう話があったのですけど、結局やったんですかね?

僕らの時は結局できませんでしたけど・・・。

 

あと、箱根駅伝のスポーツドクターとして「陸上」をやっていた医師が参加していることがありましたが、今年はいたのかな?

まぁ、ただ本当に今年の東洋は凄かったですね。東洋大学って僕が学生時代は「埼玉駅伝」とかにも出ていたけど、今は出ているのかしら?

 第88回東京箱根間往復大学駅伝・復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場-東京・大手町=5区間109・9キロ)東洋大が2年ぶり3度目の総合優勝。大会記録を大幅に更新する10時間51分36秒でゴールした。

【写真で見る】アンカーの斎藤を迎える東洋大・柏原ら

 “山の神”柏原などの快走で往路記録を5分以上も更新し、48年ぶりの往路4連覇を果たした東洋大が、復路でも強さを見せつけた。6区・市川が区間賞で7区・設楽悠は区間新をマーク。8区の大津も区間記録に迫る快走を見せ、3連続区間賞で駒大以下を大きく引き離した。

 往路4位の駒大が復路で巻き返し2位に入った。明大は10区のエース鎧坂で早大を逆転し3位。早大は総合連覇を逃し4位に終わった。来年のシードは東洋大、駒大、明大、早大、青学大、城西大、順天大、中大、山梨学院大、国学院大の10校となった。

-------------------------------------

箱根駅伝をみると体が「走りたい」と言い始めます。実家から帰ったら、早速走り始めようと思います。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

箱根駅伝:今年の往路は東洋がすごかったですね

2012-01-02 15:28:20 | Weblog

こんにちは

 

さて、今日は1月2日ということで箱根駅伝の往路がありました。1位は東洋大学で、5分以上記録を縮めての往路優勝でした。

 

拡大写真 4区の田口(左)からたすきを受け取る東洋大・柏原=2日、小田原中継所(写真:サンケイスポーツ)
 新春恒例の第88回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)は2日、往路(東京・大手町-神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場=5区間108・0キロ)が行われ、東洋大が5時間24分45秒の往路新記録で優勝往路4連覇は48年ぶりの快挙となった。

【写真で見る】険しい表情で走る東洋大・柏原

 東洋大は2区の設楽啓でトップに立つと、4区の1年生・田口は区間賞の快走。4年連続で山上りの5区に起用された“山の神”柏原は、1時間16分39秒で自身の区間記録を更新し、最後を締めくくった。早大は1区の大迫でトップに立ったが、2区で東洋大に逆転されると、その後も差を詰めることはできずに2位。復路で5分7秒差を逆転し、2年連続の総合優勝を目指す。3位は明大、全日本大学駅伝を制した駒大は6分43秒差の4位で、逆転は難しくなった。

 復路(神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場-東京・大手町=5区間109.9キロ)は3日午前8時、1位の東洋大から時差スタート。10分以上の差がついた8位・東海大からは13チームが繰り上げ一斉スタートとなる。
-------------------------------------
早稲田も早かったんですけどね。
だって、従来の往路記録と同じくらいで2位ですからね。明日は東洋、早稲田、明治をはじめ各校頑張ってほしいですよね。
学生時代は「箱根駅伝」をみると、無性に走りに行きたくなったものでしたが、今はさすがにその元気はなくw
本を読んだりしながら過ごしております。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする