未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




本格普及の兆しを見せ始めた電力線ブロードバンド
http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20051025107.html

長年噂ばかりが先行してきた電力線を使ったインターネット接続が、ついに本格実用化への道を歩み始めたようだ。シンシナティとその周辺地域では、5万世帯以上が電力線を使ったウェブ接続を利用している。さらに最近になって、ワシントンDC郊外のバージニア州マナッサスでは、全米で初めて、希望すれば市民全員が電力線を使ったネット接続を利用できる態勢が整った。

夢の「無線電力伝送システム」は実現可能か
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20051024303.html

電線を使わずに電気を送る無線電力伝送――そのアイディア自体は古く、少なくとも、20世紀初頭の異色の発明家、ニコラ・テスラにまでさかのぼる。テスラはかつて、交流か直流かをめぐるトーマス・エジソンとの確執のなかで自分の身体に高電圧の高周波電流を通してみせ、観衆を驚かせたこともあった。

最初の記事は、電線を利用して電力だけではなく、インターネット接続、つまり大容量のデータをも送ってしまおうという技術だ。これが普及すれば、電線は今まで以上に、生活に密着した、必要不可欠なインフラ設備となっていくだろう。

その一方、2番目の技術は、電線を不要なものして、日常生活から葬り去ってしまおうというものだ。

両方の技術が、同一地域で共存することはありえない。仮に後者が勝った場合、電線は不要なものとして撤去され、電線を利用したデータ転送技術など、もはや、なんの意味もなくなってしまう。

実用化までに時間がかかる技術の開発に当っては、先を見通す能力が必須となる。せっかく、電線を使う技術が実用レベルに達したとしても、それを各家庭にまで配信するための電線が、既に撤去されてしまっているかもしれない。

「ねぇ、パパぁ。『電気の中にはお話が隠れてる。』って、本当?」
「ああ、昔はみな、電子媒体で、メールの送信や映画のダウンロードをしていたんだよ。」
「そんなこと、できるの?」
「そのころは、写真にしろ映画にしろ、全て2D表現だったから、今よりずっと、データ量が少なかったのさ。」
「だからって、わざわざ『電気』にお話を入れなくても、良かったんじゃないの?」
「当時は『無線電力伝送技術』が実用化されたばかりで、電力の無線配信には、まだお金がかかったんだ。ちょうど同じ頃に、インターネットで映画をダウンロードすのが流行っていて、衛星からデータと電力を、一緒に供給することが考えられたんだよ。」
「つまり、マイクロ派を使って、メールや映画を配信するのが先で、電力を供給するようになったのは、れそより後ってことなの?」
「その通り。1本の映画を配信する能力と、1日分の電力を伝送する能力とが、ほとんど同じだったんだ。今では誰も、電力供給ラインで、映画のダウンロードなんかしないから、電力を得るためだけに、ダミーの2D映画データをダウンロードするようになったのさ。」
「別に映画じゃなくても、同じサイズの真っ白なデータでも良いんじゃないの?」
「それだと中継拠点で圧縮されてしまって、サイズが合わないんだよ。それまで流通していた映画の中から、経験的に、自分たちの電力消費量に見合った映画が、選ばれて行ったようだね。」
「パパは2D映画見たことある?」
「ああ、2Dでも、面白い映画は沢山あるんだよ。最初の映画なんか、色も付いていないし、第一、音すら付いてなかったんだ。」
「ふーん、なんだか退屈そうね。」
「そんなことはないよ。そうだ。『チャップリン』の映画なら、お前にも面白いと思うよ。ちょっと上映時間の短いやつを、ダウンロードしてみよう。」

 ・・・

「ねぇ、パパ。ひょっとして、こないだの映画、まだダウンロードしてるの?」
「ああ、もうとっくに、1年分の電力量を越えちゃってるのに、まだ終わらないんだよ。」
「本当に、上映時間が15分で、白黒の、音の付いてない映画なの?」
「ああ、そのはずなんだが・・・」

 ・・・

「ねぇ、パパ。それ、サブチャンネルに『カリスマ弁士のライブグレード3D活弁』ってのが、入ってるわよ。」


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