未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




ウォームビズ、企業の過半数が定着を望む
http://news.goo.ne.jp/news/infostand/it/20051011/1405248.html

帝国データバンクは2005年10月7日、環境省が主導する「ウォームビズ」に関する企業の意識調査の結果を発表した。それによると、半数を超える企業がウォームビズの定着を望んでおり、取り組む「予定」と「検討中」を合わせて約3割に達した。「クールビズ」の成功体験が後押ししているという。

この夏、「クールビズ」と称した環境活動が実施された。ひと昔前の「省エネルック」が惨憺たる結果であたの比べれば、大成功であったと言えよう。

「省エネルック」の敗因は、なんと言っても、金をかけて悲惨な思いをしなければならないと言う、二重の責め苦に甘んじなければならない点にあった。

その点「クールビズ」では、ネクタイをしないという、ただそれだけの行為により、地球の環境に配慮しているという、ちょと文化人めいた感慨に浸れる。

確かに、馴れるまでには、少し気恥ずかしい思いをするかもしれない。だがその時期さえ過ぎてしまえば、手間はかからない(むしろ、身支度の工程を一つ省略できる。)し、金もかからない。それでいて「クールビズを実践している=大企業の社員であることをアピール」という、もっと俗物的な満足感も味わえる。

そこまで捻くれたモノの見方をしなくとも、単純にネクタイをしなくて済むだけで、喜んでいる者も多いことだろう。「首が窮屈で、ネクタイを締めるのがイヤだ。」と言う愚痴は、社会人に成り立ての者から、良く聞くものだ。

さて、『ウォームビズ』だ。

「クールビズ」にはノーネクタイという明確な指針があった。だが「ウォームビズ」には、今のところ、そのような行動規範がない。ちょっと見ただけでは「ウォームビズ」に取り組んでいるのかどうかは解らない。オフィスの暖房温度の設定を低く押さえて、エネルギーの消費を押さえるためには、皆が少しずつ厚着をする必要がある。

下着を厚手のものしても外見からは解らないし、かと言って、スーツを厚手の素材のものに替えるのでは、余計な出費がかかってしまう。そしてやはり、そのような努力の割りには、外見的な著しい差別化を図ることは、難しい。

このような活動の持つ大きな意義は、単に冷暖房費を節約することよりも、実践を通して一人一人が問題意識を育み、現在の生活を見直して行く機会が得られることにある。

「ウォームビズ」の成功。惹いては、我々の掛け替えのない地球を壊滅的な危機から救えるかどうかは、一目で「ウォームビズ」を実践していることが解り、しかも余計な金や手間がかからないような方法を考えられるかどうか。に、かかっていると言えよう。


「しばらく、良くなったのかと思ってたけど、久々にやってくれたな。電車が遅れたわけじゃないんだろ?」
「すみません。今日から『ウォームビズ』だってこと、すっかり忘れてて、準備に時間がかかったんです。」
「なるほどね。確かに、そりゃぁ、一目で『ウォームビズ』に取り組んでることが良く解るよ。」
「・・・課長は、やらないんですか?そういや、みんなしてませんね。」
「いや、外見からははっきりとは解らないけど、みな、それなりに取り組んでるよ。」
「とか言って。やっぱ、みんな恥ずかしいんでしょ?」
「確かに、そんな格好すれば恥ずかしいだろうさ。だが見た目よりも、一人一人が問題意識を持つことが、大切なんだよ。」
「そーなんですか?でも、パッと見でそうと解らなければ、意味がないんじゃないでしょうか・・・」
「それって、自分で考えたの?」
「考えたも何も、クールビズの逆だから、皆、こうするんだと思ってたんですが。違うんですか?」
「誰も、そんなことしてないよ。来る途中で、誰か同じような奴に会った?」
「慌ててたんで、気が付きませんでしたけど・・・」
「しかし、おまえも、器用な奴だよな。」
「いや、だから時間がかかったんですよ。なかなか形がキマらなくて。こんなことするの、初めてですからね。」
「そりゃ、そーだろ。だからさ、『ウォームビズ』ってのは、ネクタイを2本することじゃないんだよ。」


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