歩き方で本人確認する携帯――盗難対策の新技術
http://hotwired.goo.ne.jp/news/technology/story/20051014301.html
フィンランド国立技術研究所(VTT)は13日(現地時間)、携帯電話などの盗難対策として、持ち主の歩き方で本人かどうか識別する技術を発表した。加速度センサーなどで歩行の特徴を計測し、別人と分かれば操作不能にする。
購入後の最初の使用時に、本人の歩行データを記憶。その後は常に歩き方を計測し、データと照合、食い違えばパスワードの入力を要求する仕組みだ。
セキュリティーの問題には、相容れない大きな2つの問題がある。セキュリティーを厳しくすれば利便性が損なわれ、使いやすいものを作れば、セキュリティーが甘くなる。そこで顔認証や静脈認証など、個人の生物的特色をキーとすることにより、使いやすいがコピーされにくい技術が実用化されている。だが基本的には、どの技術も、使用時に意識的に『認証』という手続きが必要となる。携帯電話などの使用頻度の高い機器については、やはり、まだまだ面倒だと感じられてしまうであろう。
今回発表となった技術は、携行している間は、常に認証が行われているため、ユーザーが意識的な認証作業をする必要がない。という点で優れている。また、歩行パターンという、個人の生物的な特色にキーが依存しており、真似するのは困難であろう。正確性さえ向上すれば、将来、一般的なセキュリティ方式として、その一躍を担う技術となるであろう。
「『歩行パターン抽出センサー』でも、開けられると聞いたのですが。」
「ええ。今までの所、解除できなかったデバイスはありません。それではまず、生前の歩行パターンを記録したムービーはありますか?」
「これです。どうでしょう?」
「・・・いや、普通に歩いているビデオが必要なんですが。」
「主人は、ダンスに凝っていましてね。最初に、この踊りで登録したようです。」
「本当ですか?」
「ええ、何度か開けている所を見たことがありますから。」
「失礼ですが、亡くなられた時は、確か60歳を過ぎていらっしゃったんですよね。」
「ええ、定年後に『第二の人生を満喫する』とか言って始めたんですのよ。」
「これは、何と言う踊りなんですか?」
「最近L.A.で流行っている『クランプ』とかいう踊りらしいです。やはり、無理でしょうか。」
「いや、やってみましょう。このビデオを2週間ほどお借りしてもよろしいでしょうか?」
「えぇ、お願いします。」
・・・
「お待たせしました。遂にマスターしましたよ。」
「かれこれ1ヶ月になりますね。もう、忘れてしまわれたのかと思っていました。」
「『クランプ』をレッスンしてくれるダンススタジオが見つかりませんでね。思い余ってL.A.まで行ったのは良かったんですが、怪しいお兄さん達に、色々なメに遭いましたよ。」
「良く解りませんが、何だか大変そうですね。」
「ええ、この年になって、こんな思いをするとは、思いませんでした。では、早速、挑戦してみましょう。解除するデバイスをお持ち下さいますか?」
「ええ、こちらへどうぞ。」
「・・・。こ、これですか??」
「ええ。言ってませんでしたっけ?」
「本当にこの金庫に『歩行センサー』を取りつけてあるのですか?」
「ええ、センサーの型番はお知らせしてありましたよね。」
「こっ、これは・・・。凄く重いですね。」
「そりゃぁ、そうですよ。軽ければ、簡単に持ち出されてしまいますもの。」
「念のためお伺い致しますが、ご主人は本当にこれを持って『クランプ』を踊られたんですか?」
「そんなわけ、ないでしょう。この上で踊るんですよ。」
「・・・あー、一応、センサーの役割を果たしてるワケですね。危なく全ての苦労が泡になるところでしたよ。」
・・・
「どうです?」
「・・・残念ながら、ダメですね。ご主人のレベルまでは、達していなかったようです。」
「そうですか、では、諦めるしかなさそうですね。」
「私も残念です。パスワードさえ解れば、開けられるんですがね。」
「あら。それなら知ってますわ。」
「知ってるんですかっ!?」
「ええ、でもこれって、踊りを踊らないと開かないんじゃないんですか?」
「いえ、パターンがマッチしない場合には、パスワードを聞いてくるんですよ。」
「あら。そうなんですか。」
「ええ。知らなかったんですね。」
「はい。だって主人は、金庫を開ける度に、いつもその上で踊っていたんですもの。」
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