未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




病気は笑いで吹き飛ばせ 「笑い療法士」49人誕生
http://www.asahi.com/life/update/1024/001.html

病気は笑いで吹き飛ばせ――。医療や福祉の現場に笑いを広げて自然治癒力を高めようと、「癒しの環境研究会」(代表世話人=高柳和江・日本医大助教授)が設けた「笑い療法士」の第1回認定授与式が23日、日本医大(東京都文京区)であった。
今回の認定は有効期間3年の3級。今後の活動ぶりを評価して更新されるほか、2級、1級も認定していく。高柳さんは「各地域や組織の支部長として『1日5回笑って、1日5回は感動する!』という笑いの処方箋(しょほうせん)を広めて下さい」と話した。認定者たちは「日本中、世界中に笑いを伝染させます」と誓った。


「先生。実は私『笑い』というものが、解らないんです。」
「と、おっしゃいますと。」
「たとえば、人が会話の途中で、ワザと発音の似た別の言葉を言ったりすることがありますよね。」
「駄洒落ですね。」
「ええ。話し相手がそれを言った時には『ああ、ここは、笑う所なんだな。』というのは、解るんですが、何故、人がそれを聞いて笑うのかは、全然解らないんです。」
「『先天性笑覚失調症』とでも言うんでしょうか。始めて聞く症例ですね。大変興味深くはあるんですが、私は『笑いで病気を治す』研究をしているのであって、『笑いの病気を治す』のは専門外なんです。」
「先生は確か『日本中、世界中に笑いを伝染させます』と誓われたんでしたよね。」
「解りました。ちょっと診てみましょう。生まれてから一度も、冗談を聞いて、面白いと思ったことはないんですか?」
「ええ。相手が冗談を言っているのは、解るんです。ただ、それを聞いても、面白いという感情が湧かないんですよ。小さいころは、皆、礼儀で楽しいフリをしているんだと思っていました。皆に馴染むために、冗談の勉強をしたり、鏡に向かって、笑顔に見えるような表情の研究をしたり、それこそ、血の滲むような努力をして来ました。今では、人が冗談を言っているところで、それなりの笑顔を浮かべることは普通にできるようになりました。」
「冗談の勉強ですか?」
「子供の頃は、主に海外ドラマを見てましたね。『奥様は魔女』とか『じゃじゃ馬億万長者』とかです。人の笑い声が入るんで、「あっ、ここは、笑うとこなんだな。」と言うのが、良くわかるんです。」
「全員集合とかは、どうですか?」
「あぁ、あれはダメですね。」
「面白くないんですか。」
「いや、一生懸命勉強しても、実生活で、あのコントのようなシチュエーションに出会うことがないからです。私にとって、実践的なギャグを身に付けることが目的でしたから。」
「そうですか。なかなか、大変なようですね。」
「ええ、努力の甲斐があって、直感的にギャグのレベルを判断し、それによって、反射的に笑顔のレベルを変えることができるまでになりました。ただ、社会人になってから、どうも、私の判断と回りの反応とに食い違いを感じるんで、悩んでいるんですよ。」
「それは、私でも同じですよ。大して面白くもないクセに『さすがっ事務局長っ!!座布団1枚っ!』とか言ってるのを聞くと、後ろから蹴り倒してやりたくなりますし、これは決まった!と思うようなギャグを言った後で『さむ~』とか流されると、殺意すら覚えますしね。」
「そんなもんなんでしょうか。でしたら、今のままの方が、幸せかもしれませんね。」
「どうします?まだ治療を希望されますか?」
「『一休』レベルの療法士の方が現れる待ちますよ。」
「そうですか。とりあえず、『笑いの処方箋』、出しておきますね。」
「これ、『保険は利く』んでしょうか?」
「いえ。ですが、マクドナルドに持って行けば、『0円でスマイル』と交換してくれます。」

「・・・良く、3級受かりましたね。」

「・・・まぁ、確かに、空手3級の人にボディーガードを頼んだり、そろばん3級の人に、経理を頼んだりは、しませんからね。」
「そうですね。でも、溺れている時に、近くに水泳3級の人がいれば、助けを求めるでしょう?」
「そんなに、切迫しているんですか?」
「ええ。『川を流されている河童の気分』です。」

「・・・今のままでも、3級程度なら楽に合格しますよ。」


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