未来技術の光と影。
SIYOU’s Chronicle




ウォルマート「RFIDタグで在庫補充が3倍効率的に」
http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20051028106.html

ウォルマート社がRFID利用を拡大しているいっぽうで、消費者のプライバシー保護を訴える一部団体は抵抗を続けている。『スーパーマーケットのプライバシー侵害とナンバリングに反対する消費者の会』(CASPIAN)は、ウォルマート社がテキサス州ダラスにある大型店舗で販売している米ヒューレット・パッカード(HP)社製のプリンターと書類スキャナーにタグを付けているとして、この店舗で抗議活動を行なった。
CASPIANのキャサリン・アルブレクト氏は、「これによって、商品――そしてそれを身に付けたり持ち歩いたりする人――を離れた場所から追跡できるようになる。われわれは、ウォルマート社がこの秘められた力を利用する方法をすでに考え出したことを示す、確固たる証拠をつかんでいる」と述べた。


「で、どんな証拠なんです?」
「これです。」
「一見、普通の携帯電話にしか見えませんが。」
「実はこれ、RFIDタグリーダーが内臓されているんです。」
「始めて見ました。」
「ええ。プロトタイプが作成されているにも係らず、どこにも発表されていないんですのよ。」
「単に、需要が見込めないからではないのですか?」
「いえ、ある目的のために、ウォルマート社が、極秘に発注したものと推測されています。」
「推測ですか。確固たる証拠は、ないワケですね。」
「状況証拠は、充分です。ウォルマート社以外のいったい誰が、こんなデバイスを必要とすると、思いますか?」
「何も思いつきません。では、逆にお伺いしますが、ウォルマート社は、いったい何のために、このようなデバイスを開発しているとお考えですか?」
「決まっているでしょう。RFIDタグを読むためです。」
「・・・。では、その行為が『プライバシーの侵害』に当る、具体的な例を挙げて頂けますか。」
「たとえばですね、普通の家庭では、『ニンジン』はどこにあると思いますか?」
「キッチン。ですか?」
「ええ、一般の人は、そう思いますね。ところが、ニンジンに付けられたRFIDタグが、ベッドルームで検知されたら、どう思いますか?」
「・・・ちょっと、解りませんね。」
「ええ。良く解らないので色々と想像を働かせて、『あらぬこと』を、考えたりしますでしょう?」
「『あらぬこと』と、おっしゃいますと?」
「それはもう、『人には言えないような』ことです。実際にはそこにニンジンがある、なしに関らず、RFIDタグが検出されたと言うだけで、あれこれと詮索の種にされ、ありもしないレッテルを貼られてしまうのですよ。」
「どんなっ?どんなレッテルなんです?」
「ニンジンに付けられたRFIDタグが、キッチン以外で検出される可能性は、あまりありません。誰もが思いつくような原因は、恐らく一つだけでしょう。」
「どんなっ?どんな原因です?」
「それは、『間違えて食べてしまった』場合です。」
「ああ、そんな場合ですか・・・。でもそれは、ちょっと不注意だった。というだけのことではありませんか?」
「いえ、RFIDタグは、100℃で煮込まれれば、確実に破壊されます。つまり、生で食べたということが、明らかにされてしまうわけです。」
「生で食べては、いけませんか?」
「ニンジンを生で食べても、おいしくないでしょう。つまり『不味い思いをしてまでニンジンを生で食べなければならないほど料理が下手だ』ということが、たちまちにして露見してしまうわけです。」
「まぁ、『プライバシーの問題』だと、言えないこともないかもしれませんが・・・」
「しかし、最大の問題は別にあります。実物を使用してテストしてみたのですが、このデバイスを使用して、受動タイプのRFIDタグを、屋外から読み取ることは、不可能なのです。」
「では、いったい、どうやって、読み取るのですか?」
「夜中に、こっそりと、忍び込むんです。それ以外の方法を思いつきますか?」
「いえ、思いつきません。」
「これは、重大な『プライバシーの侵害』だとは、思いませんか。」
「そりゃあ、そうですが、だったら何故、携帯電話に内臓する必要があるんでしょう?」
「万が一、発覚した場合の、偽装工作です。誰も、夜中に、人の家に侵入して、ニンジンに付いているRFIDタグを読みとっていたとは、思わないでしょう。」
「ええ、それには、確信が持てますね。」
「今はまだ、読み取りしかできませんが、近い将来、書き込みができるようになった場合を、想像してみて下さい。あなたの背中に取りつけられたRFIDタグに、『私は料理が下手です。』と書きこまれ、道行く人が皆、あなたに向かって携帯電話を向けて、クスクス笑いながらすれ違って行ったら、どんな思いがします?」
「それはモチロン、とても不愉快な思いを、強いられますね。」
「そうでしょう?噂話など、相手にしない人でも、電子的に読み取られた情報に関しては、ついつい信じてしまうものなのですよ。」
「つまり、『電子的なレッテル』が貼られてしまうわけですね。」

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