玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

本屋さん

2006年08月27日 | 捨て猫の独り言

 JR中央線の国分寺から西武国分寺線に乗り換えて恋ヶ窪の次が鷹の台である。鷹の台駅は車一台やっと通ることができる狭い道路に囲れ、ロータリーがなくバスの発着はない。発展性の乏しい小じんまりとした駅だ。武蔵野美術大、津田塾大、白梅女子短大、朝鮮大そして白梅女子中高、創価小中高とかなりの数の学生がこの駅を利用する。駅名は鷹の台で住居表示はたかの台であり混乱することがある。駅のすぐ近くの玉川上水緑道は学生の通学路であり、また多くの市民に人気の遊歩道である。緑道に向かう途中に松明堂書店がある。間口が狭いのでうっかりすると見落としてしまう。

 昔からある本屋さんだ。私より年輩の店主を一度だけ居酒屋でお見かけした。本屋を閉めてよくこの店に来て飲むんだろうなという印象だった。真偽のほどは分からない。店主は松本清張の息子さんである。店名に松の一文字を入れたのだ。本揃えが機を見るに敏である。見透かされたかと思いつつ買って帰ることもあった。地上2階建ての鉄筋コンクリートでその地下にはギャラリーがある。

 松明堂ギャラリーは5または12日間単位の展覧会や、1日単位のイベント(音楽会、講演会、映画会、朗読会)に使用される。最近のスケジュール案内を見ると、武蔵野美術大卒業生の個展などで年末までの予定はびっしり埋まっている。一例をあげてみる。9・16~9・27は友川カズキ新作展。1950年秋田県生まれ。フォーク歌手にして画家。昨年松明堂での個展好評につき今年も開催とある。使用料は12日間は24万円である。入場は無料だ。

 ここから4つ目の駅に西武新宿線新所沢駅がある。松明堂はその駅の近くのマンションの地階に音楽ホールを新設して事業を拡大した。私はまだ一度も出向いたことはない。ここは入場料4千円ぐらいで著名な演奏家のコンサートなどが開かれるようだ。たかの台地区には本屋さんが松明堂の他に2軒ほどあった。雑誌を中心に一人で切り盛りして細々とやっていた。しかしいずれも廃業した。特色ある松明堂には勝てなかったようだ。不思議なことに最近になって古くからある古本屋のそのすぐ近くに小さな古本屋が出来た。現在この界隈には松明堂書店と2軒の古本屋がある。

コメント (2)
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