以前農業ジャーナリストの大野氏より、現在進行している農におけるグローバリーゼーションの危機について学んだ。今回は「皆で百姓をしよう」と題して、ハバナ農業大学で教鞭をとっているロサ女史より内容の濃い3回の講座を受けた。(土返しは重かった)
1回目は「キューバに学ぶ」で、何故世界が注目する有機農業大国迄になったか?キッカケは冷戦が終わり、ソ連の崩壊と同時にアメリカの経済封鎖のダブルパンチを受けたことにあった。食料、石油、医薬品の途絶といった危機的状況下で「首都を耕し、有機的に作物を作らざるをえなかった」。そして今や輸出国にまで成長したのだという。(碁盤目のケースに播種作業)
2回目は「キューバの都市農業とは」で、一見結びつきにくい両者だが自給率を上げる為に、全国の都市面積の46%が都市農業をやっている。そのためのシステム作りとして、種や作物の直売店、相談窓口の常設、指導者の育成、全国レベルのセミナーや会議、病虫害の研究や対処法、果ては土改良の為のごみコンポストやミミズ作りなどビデオを見ながら学んた。(堆肥、ミミズ作り)
3回目は「世界に広がる有機農業」と題し、キューバモデルは国境を越えたとして、都市農業が社会的、環境的側面から報告された。危機的状況下から次第に体制を整え、200万都市のハバナで食料の完全自給を達成した。 地球に優しい有機農法は食糧自給のみならず、雇用形態、教育システム、環境問題、食文化、健康面にも多大な影響をもたらした。自給率が低く、効率一辺倒の今の日本でどのようにキューバモデルを活かせるだろうか?仲間の一人は帰国後農業大学に通い始めたとメールをもらった。私自身は次の一歩が踏み出せるだろうか?(農地の一角では農作物の直売と大事に使われていた旧式の車、農業体験をしたグループ)