今回の旅行に向け一枚の世界地図を求めた。地図にはいつも見るように薄く縦横に経・緯線が引かれている。西回りに出かけた世界一周の旅は4回の赤道横断(セイロン島入国前、ケニア出国後、ペルー入国前、パプアニューギニア出国後)と、時差調整の繰り返しだった。赤道横断が日中だと船は汽笛をボーッと鳴らして通過中であることを乗客に伝えた。(Bed Sideに掲示しておいた地図に、日付変更線と航路を記入)
経線は赤道を中心に北と南に90度づつ2分されている。何故「赤道」というのか?英語やスペイン語では春秋、昼夜が平分と言う語源から「イクエイター」というらしい。日本語の語源には赤色を示す言葉はなく中国からの借用で、中国では赤には大陽の意味があり、「太陽の行く道」と言うのが由来のようだ。
緯線はグリニッチ天文台を起点に東西180度づつに刻まれており、太平洋上の緯度180度を日付変更線と定めている。今回の旅は3ケ月がかりで1日の清算が必要だった。数日おきに1時間づつの時差調整をし、11月30日の時差発生で12月1日は辛うじて1時間存在できることになった。(My Roomは約4.5畳位か。左ドアを開けると洗面、シャワー、トイレのユニット。中央は一段目を引き出し板を渡すと机に)
こんな面白い記念すべき日をBoatの連中が放っておく筈はない。案の定かなり前からプロジェクトが組まれ「失われた1日を求めて!スーパーダッシュ12・1」と題して、1日の流れを1時間に凝縮したプログラムを作り超寸劇にして演じた。観衆にとってこんな時差解消は先ず体験しえず、内容も愉快で好評、好企画だった(いつも生真面目にレジメに沿って上陸説明会をする某女史が、自分の故郷に乗客を上陸させる可笑しいストーリーをニコリともせず遣り通し大受けだった)