多摩地区に住んでいても、わざわざ都心まで出向いて行かなくても、市民ホールを使って多様な芸能などを楽しめる時代になり、いつも盛況のようだ。プロ級、アマチュアなど各種のボランティア団体が出前公演をしてくれる制度も整いつつあり、とりわけ小施設に対するボランティアの出前公演は有難い。
先日の朝方、長いお琴が2筝運び込まれた。午後演奏会が催されるという。小さな施設で行われる小演奏会とは贅沢この上ない話だ。今までもかなりの頻度でピアノ、弦楽4重奏、大正琴などの演奏会や手品を楽しみ、更に自分達も参加するピアノ伴奏での合唱会、小楽器を使っての合奏会などの機会も持てた。
この手の公演の他にも、感染症の多い季節には、保健所から手洗いの大切さの話とか、消費生活センターからは、押し売りや振り込め詐欺に騙されないよう実話や実演までやってくれる。これらも出前であり、見渡せば色々な社会資源が活用できる仕組みが整いつつあって嬉しい。勿論いずれもツテや情報を生かし当方もそれなりの受け入れ態勢を作っての話である。
利用者さん、職員共々限られた日々の中で、いろんな方々の力を借りて日常に変化を取り入れることは大事なことである。催し物は昼食後に始まり、終了後は栄養士さんが手作りしてくれた「お3時」を戴きながら一緒にお喋りを愉しむ。社会との接点、生活の変化が乏しくなりがちの利用者さんにとっては嬉しい企画だと思う。