風のささやき 俳句のblog

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天高し呆れる食い気の童かな 【季語:天高し】

2020年09月05日 | 俳句:秋 天文

子供たちの食欲が異常なほどです

保育園の給食をきれいに食べて
夕方にはお腹をすかし
持ち込みのおにぎりを食べ
家に帰ってきてから
またきちんとご飯を食べます

2歳前の子供の食欲とは思えず
このまま育ったら
どれぐらい食費がかかるのか
ちょっと心配になります

育ち盛りでお腹が空くのでしょうから
自然なことだとは思うのですが

色々と美味しい食べ物も多いこの時期
子供たちの食欲が止まることはなさそうです

(Haiku)
Autumn’s sky so vast,
Children’s hunger, insatiable,
Never saying, “Enough”


大きな一つの目 【詩】

2020年09月03日 | 

「大きな一つの目」

いつでも僕を
静かに見つめている大きな一つの目
長い睫を行儀良くピンとたてて
瞬きもせずに見つめている大きな一つの目

気がつけばそこにあって見つめ続ける
物言わぬ一つの大きな目は
優しい涙にしっとりと濡れて
空の青さを浮かべる水槽のようだ

笑っていても悲しんでいても
静かに心を見つめ続ける目
いつでもそばにいて何も言わずに
道化師の化粧の裏に隠れた心を見つめる目

寂しい心映えには夕日の色を写して
落雷は怒りの後悔
やるせない気持ちを羊雲に受け止める

ときおりはその視線の息苦しさに背を向ける
貧相でちっぽけな自分だから
何もかも取るに足りなく感じられて
見るものもない自分を見られる恥ずかしさに

それは誰の大きな目なのだろうか
祖父の力強い目にも似ている
笑った祖母の愛情の色もしている
無辺の星空の深みもたたえ
赤子の無邪気な眼差しをしている

心は自分をも騙す
矢継ぎ早の自らの言葉に傷ついて
穴だらけになって
それすらも静かに見つめる濁りなき大きな目

目覚めれば今日も見つめる大きな一つの目
迷いながらも抗いながらも
全てを見つめ続ける
その目に恥じることなき自分でありたい


もう君と夢の中でもさようなら人の知らない逢瀬の終わり 【短歌】

2020年09月02日 | 短歌
夢の中に時々
会うことのあった人たちも
いつしかその顔が現れなくなりました

今はもう音信も途絶えた
仲の良かった人たちです

懐かしい人たちは夢の中に現れては
目覚めた後にも何か暖かなものを
胸に残してくれました

そうした人たちとの出会いも
少しずつ少なくなり
新しい人たちの顔に置き換わって行きます

最後に僕の夢の中に残るのは
きっと身近な家族となるのでしょう

夢の中にも現れなくなった人の
無事を祈るばかりです