風のささやき 俳句のblog

訪問ありがとうございます
オリジナルの俳句を中心にご紹介しています
詩や短歌も掲載しています

空を見上げて 【詩】

2021年05月06日 | 

「空を見上げて」

今日も僕は何もできなかったと
思う日の後悔の積み重ね

時折は自分への憤り
人への八つ当たりを押える術も忘れ

悪戯に重ねてきた年月は
僕の背に執拗に圧しかかって
耳元には呪詛の言葉
僕を押しつぶそうとするけれど

何気なく見上げた時にはそこに広がる
正しい青い空
その下にあることができれば
僕はきっと何度でもやり直すことができる

その空の色合いにあこがれ続け
届きたく思うこと
恥じぬ素直な心があれば

何度でも地上から
眼差し高く空に注いで
僕の小さな足取りの汚れ
気にするちっぽけさ恥じて

背骨からすっとしみこむ
空の青さ感じ
猫背の背中に一本の強い筋を通して

僕は何度でもやり直すことができる
空に繋がる心持があれば
その出直しは何時でも
遅すぎることはなくて

時折はその広さと深さに
途方も無く迷ってもしまうけど

生まれた時から贈られている
空の色合いを瞳に焼き付けていられれば
僕はきっと顔をあげ
進んで行くことができる
たくさんのしくじりに
顔を叩かれながらも


雨初めつつじの香水傘の波君の似姿胸は火照りて 【短歌】

2021年05月05日 | 短歌
小粒の雨が空から落ちてきました
その雨に希釈されたのでしょうか
つつじの甘い香りが辺りに漂っていました

その甘い香りは
自分の脳裏に残る人の香水を連想させ

幻なのでしょう
咲き始めた傘の波の中に
その人に似た姿を見つけたような気がして

久しぶりに胸が
熱くなることを覚えていました

自らを知らぬ阿呆に春の月 【季語:春の月】

2021年05月01日 | 俳句:春 天文
夜遅くなり
道を一人で歩いていました

何故かその日は
昔のことが色々と思い起こされて
後悔の念に苛まれていました

自分のことをあまりに知らずに
起こしていた過ち

自分のことは思った以上に
見えていない部分が多いようです

そんな自分の心の中を見透かすような
丸い春の月が空一面を明るくし
僕を慰めてくれているようでした