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風のささやき 俳句のblog

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節分の月や鬼らは何処迷う 【季語:節分】

2023年02月04日 | 俳句:冬 時候
節分が平日ということもあり
特に恵方巻を食べることもなく
子供たちからはつまらなかったと
文句を言われました

10時頃には帰って来たのですが
家の中はいつもの散らかった状態
片付けをして、洗濯をして
洗濯が終わる頃には11時を過ぎていました

とりあえずバスタオルだけでも
外に干しておこうかと
ベランダに出ると空には明るい月

それに照らされた街角を眺めていると
家を追い出された鬼たちの姿が想像されて
何処を迷っているのかなと
視線を彷徨わせたりしていました

 # 2020 冬に

透き通ってしまいたい人 【詩】

2023年02月02日 | 
「透き通ってしまいたい人」

静かに透き通ってしまいたい人よ
青空にその体にとかしこんで
白い雲を浮かべて
手を伸ばし触れようとすれば
指先から通り抜けてしまいたい人よ

この世の人の目から
透き通ってしまいたくて
止まない雨のような涙に
濡れた紫の紫陽花をその胸に飾る

透明になってしまいたい人は
瞳の奥から疎ましい
この世の痛ましい毎日の出来事
目に貼りついた苦しさを
自分の喉下につきつけられて

穴の開いた気管を木枯らしのように鳴らす
苛まれ続ける痛みに
芯から体を凍りつかせて
透き通りたい人はいつでも
白い息を吐き出しながら笑おうとする

四葉のクローバーへの願いは
綺麗さっぱりとこの世から
消え去ってしまうこと
生まれたすべての足跡
誰の心からも跡形もなく

借り物のように
収まりが悪い白磁の心臓の
ひび割れそうな高鳴りを
いつでも気にしている
透き通ってしまいたい人の胸に
おさめられている優しさを
自分自身では気がつかずに

風にまぎれ消えてしまいたい人の優しさが
吹いて行きますようにその人自身にも
癒しの手が傷ついた心に向けられますように

あなた以上にあなたを好きになる
誰かがきっとそのきっかけを与えてくれる
かけがえのない自分だと気がつける
透き通ってしまう前に

いつしかその足はしっかりと立ち
大地に深く根を伸ばす
透き通ってしまいたい人は
酸いも甘いもかみ分けて
いつしか誰を彼をも抱擁する
優しい春風のように包み込むように

今は涙を流していたとして
透き通ってしまい人よ
胸に一杯の優しさに溢れる
あなたはこの世の慰めだ