住んでいる共同住宅のエレベーターが1日止まった。
止まったのは昼間だけだったが、その日は外出しないことにしておいた。
階段を歩けば足りない運動の足しにもなる。道を歩くのは少々遠いところでも苦にならず、駅の階段もなんとも思わない。それなのに、住まいの階段の上がり降りはなぜかむだな労力に思える。
止まったのはメイン・ロープの取替え工事のためだった。これまで動きに多少ぎこちなさがあったような気のしていたのが翌日乗ってみたらスーッと動く。
エレベーターはスーッと動いて当たり前なのだが、そうでないのにもときどき出会う。
Y市の中心街のビルにTというしゃれた名の居酒屋があって、半月ほど前に行ったとき、帰りに気付いたら動き出すときにググッ、ピチッと頭の上で音がした。
「こりゃそのうちにロープが切れるぞ」と思いもし言いもしたが、滅多に行かないところだからそのフォローはしてない。
街の大型ビルのエレベーターの保全管理の監督というのはどこでやっているのだろうか。
調べればわかるが、さほど忙しくないこの身でも、そこまではなかなか手が伸びない。
生活の危険は思わぬところに潜んでいるもの、不精な人間のために作ったものが、人間の不精さによって殺傷具に変わるのである。くわばらくわばら。