ホームの自販機に「販売中」の貼紙。
「故障中」というのは、自販機の初期のころにときどき見かけたが、「販売中」の札は初めてだ。
売るための機械なのにとじっと見ると、明かりが一つもついていない。
節電対策のためだった。
電力消費を抑えてコストを低減するためではなく、節電という大義ための、対策実施広告なのだ。
電車が暗いから乗るのはやめという人は滅多にいないと思うが、自販機が暗ければ売り上げは落ちる。
暗くしなさい、貼紙をしなさいで、そのために二回りぐらいの手間をかけているだろう。
その結果、売れにくくなっている。
やっていることが、どこかちぐはぐでおかしい。
こんなことを言うと、「非国民」とののしる人はいないと思うが、「非協力」となら言うかもしれない。
それでもおかしいことはおかしいのだ。
なぜかと考えたら、節電対策とは、論理的でも感覚的でもなく、多分に古代文学的なところがあるらしいのがわかった。