「危険な関係」という映画があった。
ジャンヌ・モロー、ジェラール・フィリップ主演、セロニアス・モンクのピアノ。
この曲をソニー・ロリンズが吹いたアルバムもある。
危険な関係は、たいがい「ウラ技」で結ばれる。
MS-IME 2010 では裏が漢字でワザがカナの「裏ワザ」、これが最初に出てきた。
「放射性汚泥、再利用のウラ技」という日経系のネット記事がある。
こちらはウラがカナ。
カタカナ書きの入った熟語は、カナ部分に力の入っていることが多いが、「うらわざ」にも力点がふたとおりあるらしい。
「わざ」が肝心なのか、「うら」に何かがあるのか。
この放射性汚泥再利用は、いまいちばん始末に困っている放射性汚泥を、下水道の「循環のみち」に呼び込んで、下水道そのものをエネルギー資源にしようという構想である。
汚泥からメタンガスを抽出すれば自動車燃料に、また固めれば肥料にも火力発電燃料にもなる。下水管の排熱は空調にも使えるというのである。
下水だからといって、「ウラ」呼ばわりしたのでもないだろう。
わからないのは、「放射性物質」をどうするのかということ。
加工途中で分離できるといっても、分離すればすぐ消えてなくなるものでもない。
その先どうするのか、そのあたりに話の「ウラ」がありそうで、何とも「危険な関係」の臭いがぬぐいきれないのである。