「分類語彙表」を眺めていて、気づいた。
分類項目一覧という表が10ページにわたって載っている。
さまざまな日本語の熟語を集めた本だから、項目一覧表があるのはあたりまえなのだが、何十年も使っていながら、自慢にもならないが、そのページを見ていなかったのである。
集められた言葉の群れには、意味が似ていても少しずつ違うものが寄ってきている。
書いた文が何かしっくりこないときは、どこかに、はじめに思いついたほかの最適の言葉があるはずで、こうして行き詰ったとき、こんなのはどうだと、ちらちら見せてくれる、それだけで十分だったのである。
星の数ほどもある言葉に、これは○○詞、□□詞であると札をつけ、またその上に△△語、▽▽語などと違った類別を施し、どうだ日本語は難しいだろうなどと言ってみたところで、日本文化の自慢の種になりはしない。
面倒なだけで役に立たない分け隔てを、ブンポーと称して夢中になって覚えこませようとする「日本語教育」が流行しているらしい。
この本には、そんなばかげた区分けは一切してない。そこが何十年もお世話になっていて嫌気のささないこの本の魅力なのだと気づいた。
さて、ではどういう分類をされているのか、また長くなってしまった。もう一日ずらそう。夏に入ったばかりで、まだまだ日は長いから。