300円のパンの万引きで逮捕、裁判、6カ月服役、それにかかる費用が130万円という。
もちろん支払われるのは税金から。
こういうところに勘定の話を持ち出すのは嫌だが、どうにも勘定が合わない。
300円のパンを万引きする人は、まず弱い者に違いない。
弱者は裁かれやすい。
金額にすれば100万倍ぐらいの金が怪しげに動いても、不用意なひと言で100億倍ぐらいの損失を国に与えても、強者の仕業であれば、なかったことですんでしまう。
どうにも勘定が合わない。
正義というのは、弱い人の小さな過ちを責めたてる、ある種の強迫観念のように思うが、どうだろうか。
刑務所の経済学 | |
中島 隆信 | |
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正義で地球は救えない | |
池田 清彦,養老 孟司 | |
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