「かみなり注意報が出ていますのでお出かけになる方は傘をお持ちください」
ラジオで聞く天気予報の言葉です。
かみなりが今にも落ちそうに鳴り出したら、傘をさして歩く気にはなれません。
光るものは、光るもの、尖ったものを見つけてやってくるからです。
雷神は、空から来ますから、高いところにすぐ目をつけます。
塔の形をしたものが見つからなければ、背の高い木に飛びつきます。
寄らば大樹の蔭ということわざは、かみなりには通用しません。
ついこの間、老人が大樹の下でかみなりにやられました。
雷神が涙を呑んで老人の命を奪ったのも、ことわざを丸呑みで信じてはいけない、誰かと一緒だからといって安心しきってはいてないという戒めだったのでしょうか。