困ることがあるとすぐ交番に駆け込む人がいます。
お巡りさんは、ていねいに話を聞いてくれます。
聞いてもらえば気が済んだという人が多いのは、お巡りさんも承知していて、話を聞いていると状況の察しがつきます。
交番はとかく頼りになります。
しかし、お巡りさんは、なるべく頼られないようにしなければ、ご近所同士のいさかいや、迷い猫さがしまで面倒をみなければならなくなります。
なんでも話を持ち込む人には、自衛の発想はありません。
力を持った人に頼って暮らしていくという生活習慣が、骨の髄にまでしみこんでいます。
事件ならすばやく動く警察システムを、事件にならなければ動いてくれないというふうに、自衛の心を持たない人々は見てしまいます。
自審番という熟語も、いまでは一字一字変換していかないと目の前に現れなくなってしまいました。