数値を細かく分け過ぎると、データ全体から得られる情報量が減るという実例がある。
地図上の分布図などにはそれが如実に現れる。
数値は表現の愚態化にも役立ち、読み取る人も頭を混乱させることがある。
こんなニュース記事があった。
『東日本高速道路は1日深夜から2日早朝にかけ、関越自動車道の関越トンネル(湯沢町―群馬県みなかみ町、約11キロ)に設置されている天井板の撤去工事を始め、作業を報道陣に公開した』
11キロを一晩で、まさかと思ってもう一度読む。
「1日深夜から2日早朝にかけ・・・撤去工事を始め、作業を報道陣に公開した」
工事開始に必要な段取りと報道陣に公開で一晩、それならわかるが、そんなにゆっくりしていたのでは 11キロを終えるにはずいぶん長くかかるだろう。
もう少し読み進める。
『関越トンネルの天井板は上り線と下り線に6カ所ずつ、換気設備の吹き出し口などに設置されている。工事では換気に必要な設備を残し、不要と判断された3カ所ずつを撤去する』
天井板を外すのは 11キロ連続ではなかった。
換気吹き出し口に設置された全数の半分、それもいつまでにとは書いてない。
結局、数字が報じられても、だいたいどんなことをするか、その程度しかわからないのだった。