河原キャンプの心得に「中州も川底」というのがあります。
見つけたときには岸からすぐ渡れて、ちょうどよい広さの中州であっても、前日の雨は上流に貯まっていて、いつ一度にやってくるかわかりません。
急に降り出した大雨は、翌日までは待たずに流れます。
降った雨はそのまま消えるのではなく、近くの川に集まって流れるという、ワイルドな人たちでも知っていそうな基本原理を、ブンメー人は頭に入れていません。
雨が降っても、みな下水溝に流れ込み、すぐに目の前から消えてしまうものと思っています。
集中豪雨で、下水溝に呑み切れなかった水が溜まると、大事件のようなTVニュースになり、水の扱いにどれほどブンメーが無頓着であるかということの証になります。
ほかの星に目は向いても、足元にすぐ溜まる水には、ソーテーガイという言葉を考え出す知恵しか持ちません。
反対側からよく見て確かめておかなかった、中州に渡った経路は、水が増えればどこかわからなくなります。
膝までのつもり、タイヤが半分浸かるだけのつもりが、河原からむやみに砂利をこそぎ採った大穴で、とんでもない深さになっているところがあるのにも、気づくことはありません。
そんな大穴を作ってそのまま帰ってしまう人にとって、川底である中州にやってくる人たちが、そこで遊び呆けることはソーテーガイなのです。