野球肘という物理的ストレス障害があります。
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速いボール、曲がるボールを投げるとき、腕全体に力を分散させることは難しく、どこかに大きな負担がかかります。
肘への負担が大きければ、靭帯に無理なストレスがかかります。
筋肉は鍛えてられても、靭帯は鍛えて強くなるものではありません。
おまけに、筋肉が引っ張りや曲げに強くなると、強くなれない靭帯も、筋肉との間でバランスのとれた耐力を要求されますので、いっそう無理がかかることになります。
一球投げるごとに靭帯は徐々に傷んでいきますが、休息によってその傷みは自復します。
しかし、数多くの投球を続ければ、自復が傷みに追い付くことができません。
靭帯の傷みが肘の痛みになったときは、自然には復活できない野球肘障害のはじまりです。
ところが、なかには痛みを感じないのに骨に壊死を起こしている場合もあって、こちらは本人も気付かずに腕が壊れていくので始末の悪い障害です。
子どもの選手は、痛みをこらえて投げ続け、監督もコーチも、試合のときには勝ち上がる機会を失わないことにしか頭は働きません。
成長期に腕を壊されてしまった子どもたちは、障害を一生背負わされます。
選手の腕を使い捨てにしてはいけません。
根性を植えつけるというのは、栽培者の考えであり、子どもの将来にかこつけた大人の都合です。
教育機関は、心身の鍛練だけでなく、医学的なケアにも取り組まなければなりません。
どこまでなら投げさせてよいかなどという、平均的な管理よりも、定期検査診断など、選手の子どもたちの生身の個別管理を制度化していくことが必要です。
いまは、放射線障害のない超音波検査装置が使えるようになっています。
専門の先生の対談も聞けます。 (公開期間限定サイト)
⇒ http://www.videonews.com/interviews/140814-yamazaki/
少子化対策などという看板文字の読み上げも、予算や補助金がどうこうというのも、大人本位のことでしかありません。
大人の都合で子供を壊してはならないのです。