+1+0=±0
この数式には、いくらかの説明が要ります。
近ごろの飴は、一粒ずつ小袋に入っていて、衣服や手鞄のポケットに入れておくには便利です。
この小袋の出来がよいと、わけもなく飴の味もよくなるのは、幸せな錯覚です。
あまりに丈夫過ぎれば、力の衰えた指先では、どこからねじっても引っ張っても、断裂が始まりません。
家にいれば鋏に手が行きますが、駅のホームでは、パッと開いてしまったとき中身が飛び出さない用心が面倒です。
あるとき、開けた小袋から飴が二個出てきました。
そのときは、運が向いてきたかと思ったりしましたが、しばらく経って取り出した小袋に、中身が気体だけのものがあったのです。
エアXXXと呼ばれる、インスツルメンツを持たない演奏がありますが、これはエアキャンディです。
+1(一つ余分)+0(空っぽ)=±0(損得なし)
数式の意味は以上です。
製菓工場の工程管理が、数値に頼っていると、こういうトラブルにエラーなしという誤判定がくだります。
パックに入れた飴の個数 = 小袋の枚数
これでは完全な封入作業になっていないのです。