専門家という、一見能力別かと思われながら、正体のあまりはっきりしない職種分類があります。
専門が、仕事と結びついていることは確かでしょう。
まったく仕事をしない遊び専門というのは戯れごとでしかありません。
政治という、人間の集団共同生活にとってだいじな仕事があります。
それに携わって専門性を発揮するには、人格、知識、身体能力が必要で、どれが欠けても政治の専門家としては不適格です。
不幸なことに、目にあまるほどに不適格な人が、政治家の仲間に紛れ込んでしまうことがあります。
誰でも参画できるという、肌触りのよいルールによって、入り口審査がズルズルになっているからそうなるのでしょう。
しかし、ルールを正すのも政治の仕事ですから、ことは厄介です。
不適格の多い集団に、不適格性の自律修正を要求しなければならないという、矛盾の塊を絵にかいたようなシステムを作ってしまってから、人間社会の成長のアクセルペダルは動かなくなりました。