帝国主義は悪者であると告げられ、ただそういうものかと思ってしまえば、その人の頭の中には、帝国=悪 という図式が固定されます。
深く考えることもなく、意味も何も度外視されて記憶にしみ込んだ言葉は、次には 嫌な国=悪い国=帝国 という反射意識に変わり、嫌いな国の代用表現にも使われることになります。
「盗人猛々しい」という表現を、全く見当違いのところで使ったあの言葉も、「嫌い」という意味にあてはまり、相手を怒らせるに十分な効果が出ていました。
こんなわかりやすい言葉でさえ、口から出まかせでも湧憤揚言としては十分な力を持ちますから、もっと意味の広がりの大きい帝国というような言葉は、応用多々、うっかり既定図式を当てはめると、言語戦略にひっかかります、ご用心ごようじん。