すでに承認されていた沖縄の基地移転が、時の総理の軽率発言がもとになって、ややこしい話になりました。
県知事が変わると、新知事は反対と言い出し、火をつけておいてそのまま他界、次の知事はあらためて県民投票という民意確認方法を持ち出しました。
県民投票の準備過程で、不参加の市が続出したので、賛成か反対かに「どちらでもない」という、商業用アンケートのような奇妙な選択肢が加えられ、ともかく投票は実施されました。
結果は棄権が半数近く、これは投票所に行ったか行かなかったかの違いで「どちらでもない」よりもっと「どうでもよい」と思っている人だろうとも想像できます。
そもそもこれは、国会で決めたことを地方の行政で逆に正すという、民主的慣習に逆行する県民投票を、国民の民意を正すことにすり替えようとしたのがおかしなことでした。
「どちらでもない」のおかげで、結果の公表にはふた通りの計算方法ができてしまい、これでは、国の決定に本当に逆らいたいのかどうかという、地域民意確認の目的は達せられていません。
奇妙な投票には奇妙な結果が出るのはあたりまえで、奇妙な空気の実態を正常な民意が表したということなのでしょう。