ほとんど使うことのない食器を棚に積み上げておくと、気持が落ち着く人がいるようです。
食器棚の引き出しには、使わないスプーンや栓抜きなどがたくさん入っています。
その上に旨そうな食べものの通販カタログなどを入れだすと、引き出しはたちまちいっぱいになり、力を入れて引っ張らないとあかないほどになります。
家庭の些事の場合は、それほど害にもなりませんが、国の運営や国民共通の生命財産のことになれば、棚ざらしが悲劇をもたらします。
良い状態でないことがわかっていても手を付けず、皆が気付かないように、気付いても棚上げしたものには手を出せないように仕向けられます。
国家予算との割合いを考えてみれば、200万円の車を買うのにオプションの代金で1円高いのはなぜかなどと何日も粘っているようなことになります。
そんなことを、国会でずっと続けていれば、予定の会期はたちまち過ぎていき、棚上げ状態がぬかりなく継続されていきます。
これでは、次の世紀が来ないうちに、日本は、隣のむやみに広い国の片隅に置かれるさらし棚のようにされてしまうでしょう。