南無煩悩大菩薩

今日是好日也

スペース・パォーン。

2006-10-07 | 有屋無屋の遍路。

宇宙空間においては地球上の常識は通用しないのである。

慣性の法則により、一度動き出したものは止まらない。

抵抗する力が無いのである。

宇宙の中をあてどなく回転しながら放浪する地球も例外ではない。

万物は流転。

スペースパオーンは、この謎に挑む。


その前に、謎といえばモナリザの微笑がある。全く関係ないといえばそれまでだが。

微笑のポイントは口元だ。

感情認識の研究機関によれば、あの口元は、83%がハッピー、9%のむかつきと、6%の心配(恐れ)と、2%の怒りで表現されているらしい。

魅惑の微笑が欲しければこの練習をするといい。

出来るものならばだが。

「パーセントで言われてもなぁ。どないするん。」

・・・やっぱり謎だ。



もう一つ遺伝という謎がある。人格は環境に影響されるのか、先天的気質によるものなのか。未だ決着のつかない論争の一つ。

話は飛ぶが、先日酔っ払って出た話。
遺伝子レベルでは、男の子と女の子とではDNAの受け渡しに違いがあるという。

世継ぎ問題も先般より取り上げられているが、血統の問題は、DNAに深く関わってくる。

男の子が生まれると、父と母の血を引く。女の子の場合だと、母は同じでも、父の血というよりも、父の母の血を受け継ぐらしい。例のXYの配列によって男と女に分かれるというやつだ。


「ということは、女性が養子をもらって産んだ子は、2代続けば血は絶えるということになりますね」

「うん。女系の場合一代限り。という決まりはそういうところからきているんだ」


「なるほど。よく昔からかみさんを貰うなら、母親とおばあちゃんを見てもらえ。といわれてたことにも一理あるわけか・・。」

「いちがいにはいえないが、遺伝がもし人格形成のポイントの多数を占めるのであれば、そうともいえるわな。逆に環境が人を創るのであれば、それはパォーンになってしまうから、気をつけなきゃな」

「う~ん。・・・謎は深い。」


・・・。


・・こちら管制センター。
スペース・パォーン打ち上げ完了! まわるまわる運動に入りました。


「謎といえばさ。ぞうさんの鼻は何で長いんだろう?」

「お前そんなことも知らんの?パォーンやからや」


「意味わかんないんだけど?」

「まぁええ。ところでおまえ。今楽しいか?」


「かなり楽しく過ごさせてもらってますけど」

「じゃ。パァオォ~ンや」


「落ち込んだり、悲しくなったときはどうなるのですか?」

「あほやなぁ。決まってるやないか。ぱおーんじゃ」


「絵文字使えるんですね。」

「当りめエノキよ。パオン。」


「パォ~~ン。パオン」

「パオン。パオン。パァオーン」



・・・。

放浪する地球から放り出された狂った宇宙船スペース・パォーン。

船内で交わされる会話に、管制センター内にもれるは深いため息のみであった。



やがて2038年。スペース・パォーンは、万物の法則、遺伝の神秘、モナリザの引きつり笑いに関して、膨大な量のデータを集め突然に舞い戻った。


航海日誌にはこう書いてある。

「宇宙空間においては地球上の常識は通用しないのである。」
「慣性の法則により、一度動き出したものは止まらない。」
「抵抗する力が無いのである。」
「万物は流転。この謎を解くためには、地球に帰らねば。」

帰ってきた、彼らの言葉に管制センターは耳を疑った。

「んーォパン~ォパ。ンーォパンーオパ

もちろん。データも全てパオーン。ンーオパ語で解読不能だった。

・・・。

彼らは真実を知ったのだ。

しかし、それを確かめる術は「パォーン!」と共に消え去ってしまった。

それ以後、地球上では喜怒哀楽パオーンが大流行し、争いや妬みの無い楽園になる。

進化とは素晴らしい。パォーンの発音が鼻を伸ばすという進化を促した。

現在では、誰も、鼻にかけたり、鼻の高さを競い合うということがなくなったのである。


パオーーン!!。
コメント (2)
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