まんじゅう怖い。なんて人もおりますが。
幽霊。化け物。鬼。の類はそりゃ、見た目が怖い。
中には、愛敬のある鬼もおりますが、総じて歓迎されたいものではございませんな。
おっとと。こやたまげた。
怖い怖い。怖いながらも見てみたい。
と。好奇心はありまして。
知ってしまえば案外、お互い歓迎し合うようになったりもするものであります。
怖いものがだんだんなくなってきて、世の中をなめるようになってまいりますと、悪さをするのが出てきたりします。
この辺は、人も鬼も似たようなものでございます。
心を鬼にして。なぞと、鬼にならんとあかんときもございましょうが、鬼というものを知らず知らずの内に、自分が鬼になっていた。なんてことがございませんよう。
恐さに目がくらんで、怖さを忘れたりいたします。
見知らぬ怖さを、忘れんようにしたいものでございます。
生身の人間が鬼になると、見分けられんよになって、怖さをわすれて、ついつい、にっちもさっちもいかんようになる。
鬼らしい鬼が、愛おしくなってくるものでございます。
そんなこんなの。百鬼夜行。