転ぶことや転がすことで、みるみるまに大きくなるのが雪だるま。
だるま造りは、労少なく大きなものができるので、子供にとっては簡易かつ有意義な遊びとなる。
そのメカニズムはいたって簡単ではある。
いたって簡単なゆえにその方程式によって負の生成も雪だるま式にしてしまうことも多いのである。
借金や信用失墜なども気を許せばすぐに雪だるま式だ。
はじめれば、どんどん大きくなる雪だるまの魅力を忘れられずにいると、くっついてきているものの危うさを過小評価してしまう。
きれいで、かわいい雪だるまを造るコツは、充分な雪の料に見合った大きさを維持しつつ、えんの運動を適時適当にまんべんなく描く転がし方にある。
借金も円の使い方、信用も縁の使い方、その問題である。
丸くきれいに治めるためには、それなりの過程を必要とする。
いびつになりいらないものまでくっついてくるということは、いたって簡単な雪だるま造りのメカニズムを理解していないか、そのプロセスのずさんさにある。
なるほど。さすが達磨。雪であっても、解けない問答を仕掛けてくるのである。