南無煩悩大菩薩

今日是好日也

叙述性。

2009-02-24 | つれづれの風景。
山下清画伯は、文字を書くとき句読点を使いませんでした。

理由をこう述べています。

「僕はおもうんだけれど僕は話すときに点とか丸とかは言わないんだなだから書くときも使わないんだな」

ということだそうです。


叙述性とは、述べたいことの必要なだけの全体像を必要なだけの言葉によって過剰にならず紡ぎだすことで高まるものだと思っています。

単語を連ねて文を創る、その文の集積によって叙述を創る。それが単なる集積以上の意味を持つところが叙述性の成り立ちといわれます。

展覧会で初めて見た、画伯の手紙や文章は、強くストレートでした。
てにをはに多少の難がありかつ句読点のない、平易な単語と文の集積ながら、画伯の手紙や文章や語録は、叙述において明確なメッセージを発していたのであります。

作品しかり。その叙述性の秀でていること、なるほどと頷いた次第。

自分の言葉で自分の思いを誠実に語っているということでありましょうか。



さすが、野に咲く花は強いと感じられたのであります。

コメント (2)
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