身に美しいと書いて躾。しつけ。
身に空っぽと書いて躻。うつけ。
躾を責められるも、躻と笑われるも、おのが身上。
今では虚け若しくは空けと書き慣わすが、躻のほうがよろしかろうと思う。
室町期の古本によれば、「ウットリ」という振り仮名がある。
うっとりとは、魂の抜けた様。ぼんやり者、気抜けした者の意であるという。
うっとりとうつけは、同じように捉えられていたようである。
アンニュイな風景や、綺麗なねえちゃんをみてうっとりとすることはたまにあるが、うつけになっていたとは。いやはや。
たわけであることは、自覚していたが、うつけとの自覚は余りなかったのである。
たわけもうつけもおっつけしつけねばなるまい。