南無煩悩大菩薩

今日是好日也

観察者と理論家。

2014-10-09 | 古今北東西南の切抜
(source/Tycho Brahe and the Johannes Kepler)

僕の手元にこんな切抜が残っている。

『天文学者のヨハネス・ケプラーは、デンマークの天文学者ティコ・ブラーエから、非常に正確な惑星観察記録を受け継いだ。其処で彼は、火星の軌道の問題を13日間で解いてみせると明言した。しかし実際にはケプラーが「火星との戦い」と呼んだ戦いが終わったのは、なんと13年も後だった。その長い年月を経た後、ケプラーは、軌道は円形であるという考えを捨てた。紙を何千枚も費やすほどの代数計算をしたあげく、火星の軌道は、卵型というそれほど美しくもない形をしていると、不承不承考えるに至ったのだ。』

そこでいつもの‘・・かも知れない’が頭をもたげる。

ブラーエはそれまでのセオリーよりもデータこそを信じた、のかもしれない。

ケプラーはそこにあるデータよりもセオリーこそを信じた、のかもしれない。

ブラーエはセオリーが苦手でケプラーはオブザーバーが苦手だった、のかもしれない。

偉大な理論家と偉大な観察者は、いずれにしても互いを尊重しずらい、のかもしれない。

ただこのタッグは偉大な仕事に間に合った。
コメント (2)
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