バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

実は暇人

2015-01-21 10:25:06 | 
 12月から受験追い込みでずーっとザワザワしていた。
 そうやって怒濤の2ヶ月を過ごしたけど、公立高校受験生がいない今年は、先日でバネ生全員受験終了。こんな年もあるのです。ということでここ数ヵ月間脇に置いていたことに一つ一つ取りかかっている。

 まずは絵。 
 今回与えられた課題は、模写。
 バネ忙しいこともあり、先月開始の模写レッスンパスしようかと悩んだ。そもそも模写に興味がなかったし、というよりやりたくなかった。
 模写って人真似でしょ?という思いと、他人が完成させたモノをなぞるって作り上げる楽しさがないんじゃね?って??がつきまとっていた。でもわざわざ年間の課題に「模写」が入っているくらいだから、意味のあることなのだろうからスルーしたら損するかも?という気持ちもない交ぜだった。
 やるやらないと迷いながらも誰を模写するかをグルグル考えていた。ゴッホ、セザンヌ、モジリアニ等巨匠を思い浮かべ、あの絵なら真似して描いてみるのもおもしろいかもと思いながらも、突拍子もなく浮かんだのは「中川一政」。

 まずは実物を見てこようと、12月のとある日曜にバネ補習を入れずに片道3時間かけて真鶴の中川一政美術館に行ってみた。館内を3周し、流れるように画集と絵はがきを購入し、美術館前からバスで岬の突端まで行き、海岸に降り海を眺め無言で帰ってきた。まだこの時点で描く気は起きていないけど、もし描くとしたら風景は無理だなと思った。風景はその場で感じて色をおかなければできないということがはっきりわかった。そこでヒマワリに挑戦してみようと軽く決め、いくつかあるヒマワリから選んだのはP20サイズだったので、帰りにP12キャンバスを買い求めすぐに下塗りした。
 実物見たけど、画集買ったけど、キャンバス用意したけど、まだ模写が現実的でないという思いのまま、そしてここまで準備したにもかかわらず当日の朝まで忙しさを理由に今回の課題をスルーしようか迷っている自分がいた。
 
 模写が始まった。
 いざ描こうと思ったら、同じに描くことができない絵だということが改めてわかった。構図からしてよくわからない。どこが茎で葉で花びらで花瓶なのか。写真を見ながら画面を見ないようにして形をとっていったら、なんとなくだいたい同じ位置に花と花瓶とテーブルが納まった。次に色は。下に何色が入っているのか。想像するしかない。この青の下には白だろうとか、茶色の下は赤で塗りつぶしてあるなど。

 何度か描き込むが、盛り上げた絵の具が乾かないから先へ進まない。
 模写の意味がわかってきたので先へ進みたいけど取りかかれないもどかしさ。しっかり乾かしてから全体を汚している。自分もそれをやってみたい。乾かして汚す。乾かしてメチャクチャに色を置く。その作業が数回必要なんだと思う。
 キャンバスはバネの物置に入れているが、昨日の授業中に絵の具の乾燥を確認しようと物置の扉を開け少し絵の具に触れてみた。やっぱりまだ乾いていないと思い黒板の前に戻ると、
「先生、今その奥でなにやったの?」
 子どもはめざとい。じゃ、描きかけだけどみせちゃおうかとヒマワリの途中作品を前に出すと、「うわー。」の後、「先生って、ヒマなの?」だって。

 そうかもしれない。

 

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