バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

出会いの春

2013-03-18 07:47:09 | 
 流山の裸婦デッサン講座に4月から通い、そこのご縁で秋から油絵講座にも通っている。夏にカナダに遠征する関係から,さびついたフランス語を蘇らせるために始めた会話講座も流山。だから最近流山への往復が多いこと。TXの影響で新住民が多いからこういう生涯学習活動が盛んな土地なのかもしれない。
 流山青少年センターで講座発表会をやるので油絵を1枚出した。出そうかどうかと迷ったけど、「必ず1枚出すように」ということだったの思い切って出した。裸婦デッサンはこれを出そうと決めていたものがどこにまぎれたのか見つからず,今回は油絵のみにした。
 絵を描く。皆口々に楽しいという。先日は「楽しく描いた絵じゃなきゃ,絵じゃない」と私の絵の前で叱責していったおじいさんもいた。楽しく描こうとは思うけど、追求を深めれば深めるほどこの作業は苦しい。色を置く。その美しさに感動。ナイフで削る。意外な効果に驚く。最初の1枚はこうだった。確かに最初は楽しかった。しかし枚数を重ねるうち、こうではない、こんなんじゃない、と苦しみの連続。やればやるほど見えていないものが見えるようになる。わかればわかるほど、次の壁がやってくる。そうこうしているうちにどこに向かおうとしているのかがわからなくなる。ただよくわかるのは、「これは違う」ということのみ。
 そんな苦しみの詰まった1枚をあえて出した。ここで油絵を描いた最初の1枚であるし、苦しいが現状だからそれを晒してしまおうと思った。

 ギャラリートークを終え帰ろうとしたら見知らぬ女性に声をかけられた。「あの人物の絵の方?なおんどさんの絵かと思いましたよ。」え?なおんどさん?
 「なおんどさん」とは上田出身の画家中村直人のこと。まず、流山で「なおんどさん」を知る人に出会ったこと。そして次に、あの絵が「なおんどさん」の絵に似ていると言われたこと。なおんどさんに似ているだなんてそんなだいそれたことをその言葉そのままに受け取ることはないけど、でもそれは苦しみをチャラにできるくらいの最高の賛辞で、目の前がパーッと開けた気分になりそのままその女性としばらく立ち話した。その女性は上田出身で、なんと高校の大先輩であることがわかった。

 こんなこともあるんだ。絵、出してよかった。



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