バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

雪の千曲川

2012-12-30 22:51:06 | 
 1月のリサイクルの日程変更になって年末になった。
 ここで出しそびれると次は2月になってしまう。何が何でも朝の出発準備の合間をぬって頑張って出したい。
 前日までに分類してまとめてある。その作業で面白そうな本を発見した。チャーが自分の部屋片付けて、何も仕分けないまま出して置いたゴミ。燃える、燃えない、リサイクルと分けると、中から本が数冊出てきた。PHP古い。埃をかぶっている。捨てようと一旦覚悟された物だけど、これを捨てないと物が減らないってこと分かっているけど、ゴミから拾い上げた。
 長野行きの新幹線で読む。

 [失敗][成功]というよくわからない言い方をあえて借りるなら、人生の成功とは、どういう心構えでそれを生きたか、自分にとってのその納得に尽きるでしょう。リスクを恐れて決断を避け、安寧に命を永らえたとて、そこにいかなる納得も充実もないのなら、人生とはいったい何でありましょうか。


 これは、誰?
 池田晶子さん。え?
 いつの?
 それは平成17年の号。

 拾って、よかった。

 同じくだりを車内で何度も読み返すうちに最後のトンネルを抜けた。
 そして新幹線は雪景色の千曲川沿いを走る。
 その景色を見て、ふと父の友人Sさんのことを思い出した。
 Sさんは春に絵画展で大きな賞を受賞され、同時に会員になった。80才にもなろうかというときに会員推挙とは。その永年の積み重ねの風景が今まさに目の前にある。ここら辺りで今ごろ、車で暖をとりながら千曲川を描いているかもしれない。夏にギャラリー輝でSさんの企画展できたらいいな、などと思ううちに電車は上田駅のホームに。
 
 空気が冷たい。水分を多く含んでいる。


 兄が駅に迎えに来てくれていた。
 車は駅ロータリーを出て千曲川沿いに出た。

 「Sさん、亡くなったよ。」
 数日前に連絡を受けたとのこと。

 冷たい。実に空気が冷たい。

 





 

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