インターネットなどの通信回線上(の特に隣接局との間)でデジタルデータの送受信を行う際に利用されている基本的な技術です。
隣接局との間で転送されるデジタルデータ(注:そのサイズは可変)は適当な長さ(即ち、データフレームという単位)に分割されて送受信されるようになっています。フレームの開始と終了が相手局に分かるように、その前後に「フラグ」と呼ばれる8ビット(01111110:16進表示の7E)の区切り符号が付けられます。
送信側が開始フラグと終了フラグで囲まれたデータフレームを送り出し、受信側がそれを受信することになります。即ち、受信側では、開始フラグと終了フラグを検出することにより、それらに囲まれた部分を一つのデータフレームの中身と認識します。
上記のような方式(注:HDLC手順、あるいはハイレベルデータリンク制御手順などと呼ばれます)で送受信を行う際、分割された送信データにフラグと同一の7Eのパタンが登場し、そのまま前後にフラグを付けて送信すると、受信側では、この7Eを送信データの一部としてではなく「フラグ」として認識してしまうことになり、正しい送受信ができないことになります。
そこで、考えられたのが、「0ビット挿入・0ビット除去」と呼ばれる方法です。即ち、送信側では、開始フラグ後に送出すべきデータを1ビット毎チェックし‘1’が5個連続した場合には、その後ろに強制的に‘0’ビットを挿入するようにして7Eのパタンをくずすようにします。受信側では、受信したフレームの開始フラグを検出し除去した後のデータを1ビットずつチェックし‘1’が5個連続した場合には、その後ろ(に挿入されているはず)の‘0’ビットを強制的に除去するようにします。図を参照。
なお、「0ビット挿入・0ビット除去により、隣接局間でのデータ送受信において『ビット透過性(bit transparency)』が保証される」という言い方がされます。